属性について
今回もほぼ説明会です
あと一応明日も投稿します
レイが属性という言葉を出した途端、ソウマは突っ伏していた頭をぴょこっと上にあげた。
「属性!」
ソウマは突っ伏していた頭を上げてレイのことをキラキラと見つめる。
「うむ、属性には大きく区分して三種類存在する。
まずは誰もが知っている基本属性、ソウマ君。基本属性に何があるか全部答えれるかい?」
「うん、えーっと、火、水、風、土、光、闇、霊、無の八種類、だよね?」
「うむ、その通りだ。
使い手の数に多少の多い少ないはあれど基本属性はその八つと言われている。
そして次が派生属性。それぞれの基本属性が変化した属性だ。今発見されているのは風から派生した雷、水から派生した氷などだな。
まあ、この派生属性の境は曖昧で自分の使う変わった魔法を派生属性と称する者もいるのだがそれが本当に派生属性なのか唯の基本属性なのかというのはよく分かっていない」
「へ〜、あ、そういえば気になってたんだけど」
「ん? なんだ」
「前に本で読んだんだけど《ライト》って魔法って無属性と光属性の二つがあったんだけど、それって両方とも同じ魔法なの?」
「ふむ、それか。なかなかいい質問だ」
レイはソウマから出た疑問に「いい質問だ」と感心しながらその質問に答える。
「確かに無属性魔法にも《ライト》というものがあるがそれとこの光属性の魔法とは全くの別物と考えてもらっていい。
実際こうして並べてみると色が微妙に違うだろ?」
レイは右手に無属性の《ライト》、左手に光属性の《ライト》を出す。
無属性の方はただ真っ白に光るだけであり、光属性の《ライト》は薄く金色っぽく光っている。
ソウマはそれを見て「おー、確かに」と言う。
「そしてこの二つの魔法はそれぞれ使用する際の効果も違ってくるんだが、まあ今はいいだろう。ここまでは分かったか?」
「はい!」
「うむ、よろしい」
レイはソウマの返事に一つ頷き先程の話を続ける。
「そして最後が特殊属性。
これは個人によって稀に発現する場合や、血統つまり血の繋がりで発現する場合の二種類がある。
これは何故このように発現個人または血統の違いで発現したりするのかはよく分かっていない。
そして大体の特殊属性に言えることだが、基本属性とは違いその魔法がどのような効果を及ぼすのか相手が名の高い奴じゃない限り事前に知ることが困難なためそれらしき奴と相対した時はいつも以上に気を尖らす必要がある」
「へ〜、特殊属性例えばどんなのがあるの?」
「そうだな、例えば空間属性、これは割とよく知られているものだな。
特殊属性は数千人に一人発現すると言われ、これはその発現する属性の中でも比較的多い属性だ。
まあ、それでも空間の属性を持つ者は数万人に一人ほどぐらいなんだがな」
「多いのか少ないのか・・・」
「まあ、多いっちゃ多いし少ないといえば少ないな。
そこは個人の主観によりけりだ」
「便利だよねー、その言葉」
ソウマはその頭の中で、前世の薬品を販売する際によく使われる『個人によって効果は異なります』というフレーズを思い出していた。
それは実際本当なのだろうが前世が健康体であったソウマは薬に頼ることが風邪をひいたとき以外全くなかったので、それを見て毎回胡散臭く感じていたものである。
「まあ、特殊属性を持っていたら運が良かったという程度に留めておけばいい。
持っていなかったとしても何か問題があるというわけじゃないしな」
「はい、質問!」
ソウマは勢いよく手を挙げ属性の種類について話し終わったレイに質問する。
「はいどうぞ、ソウマ君」
「特殊属性は個人によって違うと言ってたけど、基本属性にもその個人の違いっていうのはあるんですか?」
「うむ、いい質問だ」
レイはその質問に大きく頷く。
「ソウマ君の言う通り、基本属性は大体全てのヒトが使うことができる。
だがヒトは個人、あるいは種族によって魔力の質が違うのだ」
「質?」
「そう、質だ」
レイはソウマが首を傾げながら繰り返した“質”という言葉を強調する。
「その質によって自分が得意不得意な基本属性が決まる」
「そうなんだ……! それって調べることってできるの?」
目をキラキラさせながらソウマはレイに尋ねる。
そしてそれにレイは「フッフッフッ」と少し気持ち悪く笑いながら答える。
「勿論だとも! 今それができる魔道具をここに持ってきてやろう!」
と笑って宣言した後レイはドタドタと家の中に走りながら入っていった。
待つこと数分、暖かい日和でウトウトとソウマの頭の中が眠気に支配されそうになった頃、レイは埃まみれになりながら戻ってきた。
「うわっ! バッチい!」
「ゴホッゴホッ、うむ、そうだな。私もそう思う。
しばし待て」
そう言ってレイは頭から水を被り自分を洗浄してから熱風でサッと乾かす。
ソウマはその光景を見てやっぱり魔法って便利だなー、と感じる。そしてソウマはより一層魔法を習得する意欲をアップさせることになった。
「よしっ待たせたな! 魔力の質を調べる、その魔道具がこれだっ!」
そう言ってレイはドンと右手に持った“それ”を前に突き出す。
ソウマは突き出されたそれを目を丸くさせじっと見つめる。そしてソウマはなんとなくその物体に見覚えがあるような気がした。
「ん? それって水晶玉?」
レイが突き出した“それ”はよく怪しげな占いなどで使われる真ん丸な球体の水晶玉のような形であった。
「これが魔道具?」
ソウマは魔道具と言われてもっと大仰なものが出てくると思ったため、本当にこれが? という風に首を傾げている。
「うむ。魔道具と言われてはいるが、まあどちらかといえば、合金、それに近いな。
つまりこれは錬金術で作られたモノというわけだ」
「合金? 錬金術ってあの何もないところから金とかが作れるっていう?」
「うーむ、ちょっと違うがまあそんな認識でもあながち間違いじゃないな」
錬金術というのは二つ、もしくは複数の物質の性質を残したまま一つの物質に合成すること。そしてある物質を上位互換の物質へと作り変える、など主に魔力を用いて物質を異なるモノへと変化させる技法、だということをレイはソウマに説明する。
それを聞きソウマは「ふーん」と分かったのか分かってないのかよくわからない返事を返す。
「まあ、錬金術に関してはだいたいその認識をしておけば問題はない」
レイはそう言って手に持っている水晶玉の説明を始める。
「これはな『属性珠』という魔道具だ。
この『属性珠』はそのヒトが持つ基本属性の得意不得意を調べることができるもので、また特殊属性を持つか持たないかも知ることができる優れものだ」
「ほぇー」
「世界にはいろんな鉱物があってな、中には魔力に反応を示す鉱物もあるんだ。
そしてその魔力に反応を示す鉱物の中でも各一つずつの属性にしか反応しない鉱物も存在するのだ」
「火に反応する鉱物なら火属性にしか反応しないって感じ?」
「そうそう、そんな感じだ」
説明を続ける。
「そしてその各属性に反応する鉱石を全て、特定の魔力に反応するという性質を残したまま合成する。
それで出来上がるのがこの『属性珠』というわけだ」
「じゃあその性質を利用して属性のことを調べるってことだね!」
「うむ、まあ実際に聞くよりも見たほうが早いだろう。ほれ、私がやるとこうなる」
レイがソウマの使っている机に属性珠を置きそれに魔力を流す。すると水晶玉の中で八色の光が強く輝き始める。
「おお! 光った!」
「うむ、じゃあソウマ君、どの色がどの属性に当たるか当ててみろ」
「うん! えーっと、赤色が火で青色が水、緑が風で黄色が光で黒が闇。オレンジは土かな。紫が霊で、白が無属性だね!」
ソウマはどうだ! と言わんばかりのドヤ顔をレイに向けている。
しかし、レイは少し悪そうな笑いを浮かべながら「残念、ハズレだ」とソウマに言う。
「えーっ! なんでっ!」
「この白は無属性ではなくてこれが霊属性の色だ。
無属性は全てのヒトが等しく使える属性だからな、この属性珠に組み込まれていないんだ」
「あ、この色が霊属性なの。
じゃあこの紫色はなんなの?」
「ふふ、私がさっき言っていたことを考えてみろ。私はさっき基本属性の他に何を調べれると言った?」
ソウマはレイにそう言われ頭を傾げながら先ほどの会話を思い出す。
「んー? あ、特殊属性!」
「正解! その通りだ。この紫色は特殊属性の色だ。
この色が光るということはそのヒトが何らかの特殊属性を保持していることを示す。
だが如何せん、その属性珠では特殊属性を持っていると分かってもそれが何の属性を示すかまでは知ることが出来んのだ」
「え? それってすごく大変じゃない?」
レイはソウマに言われたことに眉を顰め難しい顔をしながら頷く。
「うむ、実はソウマ君の言う通りでな。
今は過去の特殊属性持ち達が、未来の特殊属性持ち達の為に作った特殊属性のことが書かれている本があるからそれらを一通り試せば大体はどんな属性なのか知ることができるんだがな。
昔はそうもいかなかったんだ」
レイは唐突過去に想いを馳せながらソウマにその苦労を語る。
ソウマはいきなり重そうな話が始まった、と思いつつもなんか面白そうだったためそのまま話を聞き続ける。
「昔は特殊属性と言っても今もそうだが基本属性が主流の世界。
基本属性なら基礎から応用まで幅広く学ぶことができたんだが特殊属性はそうもいかん。
発現する人数が少なく、下手したらその時代その世界での唯一の使い手となるかもしれないモノだ。
これだけ聞けば他が持たない力を持って、他者を出し抜けたりできると思うかもしれん。
だが、逆に言えばそれは他のヒトからその属性の魔法のことを学べないということでもあるんだ。
だから特殊属性を持っていてもそれを見つけるのに何十日、下手したら何年もかかることになる。
それだけの時間をただ自分の属性を知るために使うよりかは他が持たない利点を捨ててでも周りから学ぶことができる基本属性に走るのは当然のことだな」
そう言うとレイは懐かしむようにフッと笑う。
ソウマはその話を興味深そうに聞いている。
「だが、それは余りにも勿体無い。
折角他のヒトが使えない属性を使うことが出来るのにそれを使おうとしないのは余りにも勿体無い。
そう考えた昔の特殊属性持ちの魔導師達が有志を集い、他者に特殊属性のことが知られてしまったとしても此れから生まれてくるだろう特殊属性持ちの為に本を作り残したのだ」
レイは「これがその本だ」と何処からともなく分厚い皮表紙のどでかい本をソウマの目の前に置いた。
「すまない。長話をした上に話がだいぶそれてしまったな」
「いや、いいよ。僕も聞いてみたかったし」
そんなソウマの優しい言葉にレイは優しく彼の小さい頭を撫でる。
「わっ! やめてよレイ!」
「ふふっ、今は先生呼びと言ってるだろう?
それじゃあさっき途切れてた話の続きをするか」
レイは先程、特殊属性について話したせいで逸れてしまった話をしなおす。
「それで、先ほど私がこの水晶玉に魔力を流した時、均等に全ての属性のが光っていただろ?」
「うん」
「それはつまり、私が全ての属性を等しく扱えるということだ」
「ほうほう」
「そしてこの光が強いほどその属性に適性があることを示す」
「へぇ〜、あ! じゃあレイは全部の属性を上手に使えるってこと?」
「そういうことだ」
「へー! じゃあレイってすごいんだね!」
レイはソウマにそう言われ得意そうに胸をそらす。
「フッフッフッ! まあな!
まあ、これは飽くまでも現在時点での適正だからな。それなりに修練すればあまり得意でない属性の適正もある程度だが伸ばすことができる」
「ほぇ? そうなんだ、けどそれってどうするの?」
「簡単なことだ、自分が高めたい属性の宿る環境、そこに長い間籠もればいい」
例えば水属性をうまく使えるようになりたいなら水のある環境に長い間こもることだ、とレイは話す。
「それってどのくらい?」
「んー? 本格的にやるなら十年単位の時間は必要だな」
ソウマはレイの口から出たその年月に驚愕する。
「じゅっ! そんなに?!」
「ああ、まあそれでもある程度しか伸びないから余りする奴はいないけどな」
ソウマはそれはそうだろうと頷く。
それだけの時間をかけるくらいなら先ほどレイが話した特殊属性のように他の属性を習熟させた方が何倍も良いというものだ。
「おっと、話してばっかりだったな。
よし、じゃあ早速ソウマ君もやってみようか。魔力の流し方は分かるな?」
「うん!」
ソウマがやってきた秘密の訓練をレイに知られているということはあの日から分かっているので開き直っているソウマは自信満々に頷く。
ソウマは人生の分岐点が目の前にあるとドキドキしながら水晶玉型の魔道具に手を近づける。
レイもそれを真剣な顔でそれを見つめている。
己の弟子がどのような適正を持っているのか。
特殊属性を持っているか否か、その結果によっては、もしかしたらソウマの生みの親、キリア・アスタリスのことを知る手掛かりになるかもしれない。
そう思いながらレイもソウマが出すその結果をジッと見守っていた。
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あと前書き通り明日も投稿します




