第ニ話 46
「一件落着で何より。ですが…彼女の仰る通り!私もおいそれと、立花様を許す訳にはいきませんな!!」
蓮と宗介が、再び顔を見合わせる。
「黒崎様が狙われた訳ですからな、しかも立花様は彼を殺す気で手を出しているのですから、それなりの代償を負ってもらわねばなりません」
「お、おい。じいやさん」
蓮がエルウィンを説得しようとするのを宗介が制止する。
「いや…良いんだ黒崎。煮るなり、焼くなりアンタの好きにしてくれ」
そう言って、宗介はその場に座る。
「そうですか。…いい覚悟です。流石は名家・立花家の人間です」
エルウィンは、宗介に向けて、腕を突き出した。蓮は咄嗟に止めようとしたが、エルウィンの手に持っていたある物を見て、手を引っ込めた。
死を覚悟した宗介の目の前に差し出されたのは、一枚の紙切れだった。宗介は、傷だらけの手で紙切れを受け取り、目をやる。その紙切れには、屋敷の石畳の修理費用が丁寧な字で書いてあり、その費用はなんと驚きのン億円となっていた。
「っ…え!?ごっ…」
宗介の顔がたちまちサーッと青ざめ、生気を失っていく。
全身からは、異常なまでの汗が噴き出しみるみる血の気が引いていく。それを見る限り蓮と闘っていた時よりもずっと衰弱しているようにみえた。
横で見ていた蓮も、その紙切れを覗き込む。
「え?何これは…」
蓮も血の気が引いて顔が青ざめていた。




