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始動開始!

天国らしき場所から、それっぽい世界に強制送還されてしまったものの何とか最初の村へとたどり着いた。当然ここまでの道が平和であるわけでなく、何度か未知なる生き物に襲われかけていた。とは言え現実のヒグマや鶴等の大きい生き物ではなくまさしく”ぷよぷよ”したスライム上の何かであり、蹴りやテキトーな手刀モドキで何とか対応してその場は乗り越えたが…そうしてへとへとになりながら村の中を歩いていると…「おーい!」

声が聞こえたため振り返ると青ひげを生やした小太りのおっちゃんがこっちに向かって走っていた。はたから見たら薄い本の導入にも見える感じであったが、流石に違うだろと内心ツッコミを入れつつそのおっちゃんと合流した。

「君がもしかしてルフェさんのとこから転生してきた武器職人さんかい?」

一瞬「ルフェって誰だよと思ったが」、瞬間的に理解した。あの少年天使そんな名前だったのか…まさしく天使の声だったものなあ…と思いにふけっていたところ、喋らないことに不安感を覚えたらしく誤解を解くのにかなり苦労した。

私の仕事場になる場所まで歩いていく中でラルゴと名乗ったおっちゃんから色々な話を聞いた。

まず、この世界では魔法と現実の技術がミックスしたような世界であり、魔物もいれば本当に心の良い商人や村人などがいるようだ。しかしこの村には槍や剣、さらには弓など遠距離武装等の制作者が全くおらず、それを知った近くの村たちがちょっかい(という名の複数人死者がでかけるほどのもの)をかけられてしまっているようで…そんな中で私が来たもんだからそりゃ期待度(という名のプレッシャー)が高い訳だ。

そんな中で共に歩いているラルゴさんが口を開ける

「しかし、驚いたなぁ…まさか女性で猫耳が生えているとは…」

ここまであまり語っていなかったが、少年天使ことルフェ君との3つの願い事の中にTS(性転換)と猫耳を生やしてくれと頼んだのである。こんなことを頼んだもんだからドン引きされるかと思ったが、彼は慣れた感じであった。…まぁどことなく「またですか…」と言いたそうな目をしていたが。

どうやら担当天使すら同じ転生者であったラルゴさんからして見れば、あまり見ない感じでありほかの方もそんな感じで普通の見た目の人が多かったために遠目で見たときは少し驚いたようだ。

まあ…そりゃそうか、だって白黒の巫女服に弓道などの胸当て括りつけて猫耳生えてるんだもの、転生前の世界でそんなの見たらそりゃ俺だって驚くわ。

なんなら絶壁であったために少年にすら見えたという。あまりこの話を聞きたくない話が本当に分かった気がした。

そうして自分で決めたはずの姿に少し驚きながら歩いていると、ついに自分の仕事の場に付いた。

「さっ!ここが君の仕事場だよ!」

「わぁ…」

思わず感嘆の声をだしてしまった。何故ならそこにあったのはまさに”コレ!”といった感じの武器屋兼鍛冶屋だったからである。選択肢にあったものから思わず”武器職人”を選んでしまったが、まさかここまでとは…しかし、先ほど聞いた通り状況が状況なためすぐに慣れた(振り)をした。

「しっかり頼んだよ!えっと…名前なんだっけ?」

そう言えばこっちに来てから名乗ってなかったなと思いつつ返事をする

「七。松田七です」

「そっか!では改めてしっかり頼んだよ!ナナさん!」

あまり現実世界ではこういった言葉がかけられることは無かったために、自分の中で何かが動いた気がした。こういうのを気分が高揚すると言うのか…と考えつつラルゴさんに返事をして早速作業を始めた。

とは言え、現実世界ではプラモしか触ったことのない少年であったために本当にできるのかと不安であった。しかし、ここで役立つのが3つ目の願いである。それは{自分の考えをその世界にある魔力を通じて立体化する(しかし、時間がかかるため鍛錬必須)}といったものだ。はたから聞いてみれば何でもできるチート能力に見えるかもしれない。しかし欠点がない訳がなかった。思想の時間が鍛錬等をしない限りは死ぬほど長くなる可能性があるのだ!ルフェさん曰く「何の武器かにもよるけど、最長787時間らしいよ」と言われている。訳33時間それ以外のことを考えてはいけないということである。流石にそれは二回目の死が見えるために、結局はラルゴさん達村の人々の手伝いの元ガチの鍛冶も習うことになったのであった。

もちろん理想立体化魔法の修行も忘れずに修行した。最初はマグカップですら5時間かかっていたのがようやっと5分くらいでできるようになった。

そうして何十日にもなる修行と鍛錬の元ついに最初の武器が完成した。この村で欲しがっていた武器は主にリーチの長い武器。つまり槍である。完成した槍はまるで風景に溶け込むように置かれていた。

…というか槍どこにあるん?と言ってしまいそうな位擬態している。しかし裏から見れば、微かに持ち手が見える。これは現実世界では”マジックミラー”と呼ばれるものを使用したものである。持ち手以外にその薄い鏡面を張り付けているため、遠目で見ればただバカ突撃しているだけにしか見えないという画期的なものである。重さもどうにか普通の槍より微弱に重いくらいに済ますことができた。流石のラルゴさんもこれには少し驚いていた。理屈?異世界だからねそんなもんはありません。

我々はこの見えない槍を”ミラージュランサー《蜃気楼槍》”と名付けた。そしてさらにもう一つ制作したものがある。それは短刀…所謂懐刀である。槍の弱点として懐に入られた際に隙ができやられるという弱点がある。その対策として制作した。これの刀身にも先ほどのミラージュランサーと同一のモノを張ってあるため瞬間的には気づけない…というものだ。やはり名前が欲しいためFK(Fate Knife)と名付けた。中二病心満載だが、それでよいのだ。羞恥心などこの格好の時点でとうに捨て去っとるわ。

さて、様々な修行のもとに完成したこの作品達はそう遅くない時期に投入されることとなったのであった。

武器解説

試製槍 4G63RS mirage lancer

七とラルゴ達によって最初に製作された槍。ミラージュランサー(蜃気楼槍)の名の通り、持ち手の一部と先端にまんべんなく特殊な鏡面を配置することによって、相手から見えにくくして奇襲を仕掛けるという戦略ができるというものとして開発された。しかし、仕掛けと強度を両立できないために課題が残るモノとなってしまった。


Type-FK<Fate Knife>

ミラージュランサーの強度不足による戦術低下を防ぐために開発されたのがこの短刀である。名前の意味合いとしては「運命のナイフ」槍の弱点である懐に潜り込まれた際に自分の命をつなぎとめるモノとなる可能性があるためにこの名前となった。また鞘と刀身の一部に先ほどの鏡面を採用しており、目くらましなど奇襲向けな武装にもなった。

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