嘘つき
『私のこと、好き?』
『好きだよ』
メッセージ欄に並ぶ文字。
あなたの『好き』が私とは違うことに気付いたのはいつだったか。
それでもいいと思った。
例え寂しさや暇な時間をなくすためだけの都合のいい関係だとしても、私が好きならそれでいいと思ってた。
『ねぇ? 私ってあなたに必要?』
いつも返信が遅いあなたからの返事が来ないまま二日が過ぎ、痺れを切らして電話をかけた。
「どうした? 何かあった?」
「ねぇ? 何で返事くれないの?」
「ん? あぁ、メッセージ来てたんだ、気付かなかった」
気付いていないはずがないことは分かってる。
「ねぇ? 私ってあなたに必要?」
「……人生において必要か必要じゃないかって聞かれたら、必ずしも必要ではない、な。でも付き合うってそういうことじゃないだろ?」
私にはあなたが必要だと思っていた。
付き合うとは、恋人の特別な存在になり、その人にとってその瞬間、一番大切で必要な人になることだと思っていたし、今でもそう思っている。
「そう……分かった」
きっと私が鼻声なのにもあなたは気付いていないだろう。
「嘘つき……」
画面の文字にそっと呟く。
あなたは私のことなんて大して好きでもないのだと、涙が溢れて止まらない。
だけどまだ、あなたの手を離せないほど、私はあなたを好きすぎている。




