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信長の渇望~令和のスケバン、昭和ヤクザを討つ[令和最初で最後の~改稿版]  作者: 真夜航洋


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第4話 昭和の老害


「仲間のためなら身命を賭す……任侠道だな。気に入ったぜ」


リタがあからさまにため息をつく。


「気に入られてもねえ。爺さんとお見合いしに来たわけじゃないし。話は何?」


食べ終えて、口の周りを拭く。


「気をつけろ、って話だ」

「……」

「独眼竜の上にいたのは、大和田組なんだ」


大和田組は神戸に本家を持つ、全国一の暴力団だ。


「アンビリだなあ。天下の大和田組が、半グレ使って小遣い稼ぎするかな?」

「まあ。幹が太えから、いろんな枝が生えるってことよ」


「気をつけろ、じゃ終わんないよね。からの?」

「あんたの安土会、うちと同じ傘に入ってみちゃどうだ?」

「つまり、足利会の傘下に入れってことね?」


足利会は関東有数の指定暴力団で、大和田組とも対抗できるかもしれない。


「それしかねえと思うが?」

「やだよ」


「即答かよ。こりゃ参ったなぁ。ハハハ」


老人が苦笑する。


(ヤクザが笑って近づくときは、殺すとき)


売春はもとより掛け子、受け子、女子相手の麻薬売買‥。

恐らく女ならではの悪事をさせて搾り取る肚だろう、と推測する。


(あたしも安土会も、殺す気だ)


席を立つ。


「安土会は暴力団じゃない。か弱い女子の自警団なんだ。帰るね。じいじ」


足利会傘下の四代目稲葉組組長が呼び止める。


「ここで帰られちゃあ、メンツが立たねえ。何が何でも入ってもらう、と言ったら?」

「JKを脅迫する方が、潰れんじゃないの?メ・ン・ツ」


「俺たちはヤクザだ。脅しもするし、人質も取るぜ」


「ああ。仲間をさらうってこと?でもね。自警団も人質くらい取るよ」

「……」

「じいじ。見て、これ」


リタが耳に付けたピアスを示す。


「ピアスってやつだろ。それが?」

「無線マイク‥ここでの会話は仲間に筒抜けだったんだよ」

「……」

「さっきの、JKの孫娘の話もね」


リタのスマホからLINEの着信音が鳴った。


「お。さすが、藤吉。仕事が早い」


メールを読み上げる。


「その孫娘の名は、細川更紗。白鷺女学園高校2年。住所は……」

「おい!」


「じいじは知らないだろうけど、イマドキの女子校のイジメは陰湿だよう。毎年自殺者が出るほどね」

「……」


「外であたしを襲う準備をしてるロリおっちゃん。さっきあんたが言ってた娘も、大丈夫かなあ?」

「ゴラ!くそガキ、調子こいてんじゃねえぞ!」


日本刀を構えた男が、血相を変えて飛び込んできた。


「くそガキ相手に刃物、はオトナゲなくない?」


刀を鞘から抜いた。


「あたし、あんたの娘と同じくらい、なんだよね?」


男の目に、躊躇いの色が浮かぶ。

これが安土会の、小娘の強みだ。


「うるせえ!」


男が、大上段から振り下ろす。

殺す気なら、長い刀は突きに使うはずだ。


(脅しの刃物は、そ~でもないよ)


見切る。

かわす。


「ちょい待ち!」


不意にリタがうしろを向いて、スカートをまくり上げた。


「お、おい」

「パパ。見ないで!ヘンタイ!」


男が目をそらす。

リタが太腿に仕込んだ警棒を抜いた。


シャキン。


伸ばした警棒の先を、男の左胸に当てる。


バリバリ!


「うが!」


警棒状のスタンガンは、体格のいい男でも膝を折るほど強力だった。


「調子こいてんのは、てめえらだろうが」


刀を手離してうずくまる男を、膝で蹴り上げる。


「あ。あ…」


白目を剥いて、もんどり打つ。

一瞥して失神したことを確認。


今度は電光石火に、ソファにうずくまる細川の背後をとる。

警棒で首を絞め上げた。


「う。ぐぐ」

「あたしは爺いでも容赦はしない。しっかり、泣かせてやる」


警棒を引っ張る腕に力を込める。

ネックハンギング、絞首刑だ。


「上から指図してんじゃねえぞ。役立たずのどヤクザ」

「…わかっ…た。や、やめ…」


玉木玲央同様の涙目。

だが、手は緩めない。


「やめ‥やめ‥て‥‥」


落ちた。

糸の切れたマリオネットが床に転がる。


もう、ここに用はない。


「令和ナメんなよ。昭和の老害どもが」


リタはセーラー服を整えてから、応接間をあとにした。




チュートリアル終了


Continue to‥‥1stステージ



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