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魔王転生(4)

大長編を描いたあとで燃え尽きているので一章一章がいつもより短めです。今回は一つの物語と言うよりも一章一章ちがう話となるので、今までとは流れが違うです。※繋がってるところもあります。

第4巻


第1章「喧嘩」

俺がいつも通り朝食を食べていると、外から[ドォォォン!]という音がなった。俺は慌てて外へ出る。「何事だ?!」そこには咲良と稲荷が喧嘩をしていた。「よくも私のティル様特製しゅうくりいむを食べましたね?!楽しみにしてたのに!」あ・・・「だって美味しそうなものが置いてあるのが悪いもん。あれ美味しかったよぉ〜〜」稲荷がなんだか煽っている。あいつ終わったな。咲良の顔が暗くなる。「そうですか。」一瞬にして稲荷が拘束される。「はえ?」稲荷は何が起こったのかわならない様子だ。「待て待て!咲良、シュークリームはまた作ってやるから!」俺が慌てて止めに入る。その言葉を聞くと稲荷の拘束は外れ、咲良の機嫌は直った。「それでは、今回はティル様に免じて許してあげます。ティル様、〝しゅうくりいむ〟楽しみにしてます。」そういって去っていった。「ティル君ナイス・・・」稲荷が地べたを這いつくばりながら言う。魔力でも吸ってたんかあの鬼は・・・俺は稲荷を回復する。「ふあぁ、ありがとね。それと、シャークリーム・・だっけ?美味しかったよ。」食ったのかよ。それにシュークリームね。「美味しかったんならよかったけど、咲良のものは食べると終わるぞ。俺だってこの前・・・」<回想>「お、こんなところにケーキあるじゃん。ラッキ〜」そして食べ終わったあと・・・・「ティル様、ここにおいてあったケーキ知りませんか?」その時は冷や汗が出た。「お、俺は知らないよ?」咲良はそれを聞いて「そうですか。見つけたらボコボコにしてやります。」とあの細い腕からは想像もつかないようなボキボキという音がなった。・・・・・「な?怖いだろ?」稲荷はそれを聞いて怯えた。「恐ろしいね。咲良さんって・・・」そう。刹那もやばいけど咲良は本当にやばいんだよ。

第2章「特訓」

俺は今日、用事があって訓練場に来た。「おーい、アクリア?」呼ぶと、奥の方からアクリアが来た。「ティル!もう10分遅刻だよ!」はい、すみません・・・予定は6時30分なのだが、今は6時40分だ。ちなみに時計を作った人はこの世界では俺が初めてだ。「ところで、どうしたんだ?急に強くなりたいなんて。お前もう十分強いだろ?」そう言うとアクリアはズイッと近づいて、「もっと強くならないとすぐに負けてしまいます!」ああ、あの時の事まだ引きずってるのか。あのときとはディアボロ戦のことである。(知らない人は大長編を読んでね☆)「じゃあ始めるか。まずは、魔法の強度だ。」まずはアクリアの魔法の威力を図る。「じゃあまずなんでもいいから打ってこい。」アクリアは少し悩んだ末にブリザードをはなってきた。俺はその魔力を吸収して「うん。全体的な威力は申し分ない。けどこれだと分散されててあまり効かない。」なるほどとアクリアが頷く。「魔法は範囲で放つんじゃなくて一点に集中する。範囲で放つのだったらいつも以上に魔力を込めよう。」アクリアは大きく頷いた。も居一度試してみる。アクリアが葉法を放ち、俺が吸収する。ついさっきよりも魔法が凝縮されて強くなってる感じだ。「良いね。その調子!」確実に良くなっている。「それじゃあ最後に仕上げでさらに鋭くできるか?」アクリアが少し考えてから、「やってみる・・・!」と言い、魔法を放つ体勢になる。思いっきり魔法を放つ。やべっ!魔法発生が遅れ・・・ドシャッ。鈍い音がして俺の上半身と下半身が離れて直ぐに元に戻る。ここはイモータルルーム。何があっても死なない。「ふぅ・・・普通にすごいな。」アクリアは照れている。「それほどでもないよ。」いや、普通に素質がある。でもアクリアは戦闘を嫌い平和を願う。俺もそういう世界であってほしいと願う。でも結局は・・・人間が居る限りこの世界は人間の欲望で満ちるんだ。

第3章「迷える勇者」

俺は勇者だ。この下りを何回もやった覚えがある。まあそんなことは気にせず、冒険を続けている。というか俺は誰に向かって解説してるんだ?「おーい、ケントくん?」後ろからハルに呼ばれ、少しビクッとする。「なんだ?」俺は聞き返す。「いや、なんか独り言言いながらボーっとしてたから大丈夫かなーって。」俺も誰に話してるのか分かんなかったし、大丈夫じゃないかもな。「それでさ、国王様の言う事・・・私はあながち間違ってないと思うんだよね。」モンスター狩りを楽しんでたやつがよく言うよ。「なんでだ?」ハルは少し考えてから「戦うのは楽しいけど、スライムとかはあんまり経験値も入らないし、どちらかと言うと可愛いから、なんかペットにしたい・・・的な?」聞こえ方からするとそれ強い奴らはぶっ飛ばすってことになるぞ。「でもまあ、俺も考えてるところだ。」そう言ってまた無言の時間がすぎる。でも本当に共存はできるのか?急に共存しようなんて言い始めるのもあまりに身勝手だ。それに、そうなると今まで信じてきた俺の正義が間違っているということになる。それが一番納得いかない。でも、本当に俺の正義が間違っているのなら・・・〔国王との対面から1年と4ヶ月。勇者の考えは変わりつつある。〕勇者一行二人は国へと引き返し始めた。

第4章「裏切り者」

玉座には一人の男がふんぞり返って座っていた。国王ではない。そう、あの裏切り者・・・ガープだ。「フッフッフ・・・ここからの眺めは最高だ!」そう言って更にふんぞり返ってシャンパンを飲んでいる。ふとそこに、「国王?居ますか?」勇者の声が聞こえる。ガープは舌打ちをして「面倒なやつが来たな。」と吐き捨てた。ガープは椅子の横に目を向ける。そこには国王の死体があった。「これを何処かに隠さないと勇者との戦闘を避けられん。あいつは敵に回すと厄介だからな・・・」そう言っているうちに背後からとてつもない殺気を感じた。まさか・・・!そう思って振り向くと、すぐ後ろには燃え上がる剣を振りかざした勇者が迫っていた。ガープには今、防げるものがない。腕を前でクロスさせ、咄嗟に防御をする。ガッチリと鍛え上げられた強靭な肉体。その強度は火でさえ焼き尽くせないほどだ。「俺に一撃当てたことは褒めてやろう。だが、俺を相手にしたことは・・・」そう言ってガープは肘を曲げ、屈んで前を向く。一瞬で勇者ケントの目の前まで到達し、腹に拳をめり込ませる。ケントは苦い顔をして吹っ飛ぶ。うしろから魔法もちょくちょく飛んでくる。ハルだ。ガープは力技で魔法を跳ね返し、ハルの杖を弾き飛ばした。「さて、あとはトドメだ!」ガープがケントに向かって紫いモヤを帯びた拳を振り上げ、下ろす。「グラビティ、デスナックル!」拳がケントに直撃する。と、その時。ケントの体が眩い淡い黄色の光に包まれる。ガープはそれに目がくらみ、一歩下がる。「な、なんだっていうんだ?!」光が収まると、そこにケントとハルはいなかった。「クソ・・・逃したか。これで脅威が〝また一つ〟増えおった・・・」そう言ってガープは玉座に座り直した。目の前は血溜まりになっていた。これだけの量の出血をして行きているとは思えないが、あの光がどうも気になる。あの光のせいで助かったりしたら、必ずまたここに来る。そうなったら必ずこちらが仕留めてやる。

第5章「希望」

ケントは花の生えた草原の上で起き上がった。「俺は・・・」するとうしろから背中に手をおかれた。「ケントくん!」後ろを振り向くとハルが居た。俺の背中に顔を埋めている。服が湿る。泣いているようだ。「起きないかと思った・・・」弱々しい声で言う。「大丈夫だよ。それに今は起きてる。」ハルはなくのをやめない。涙が俺の皮膚に当たる。体が縮む。これ、涙でもなるの?俺はため息をついた。ハルは小さくなった俺をさらに抱きしめてそこから3時間ぐらい離してくれなかった。ハルが泣き止み、俺を離す。俺の方はハルの涙でびしょびしょだ。「服、ぶかぶかすぎて動きづらい・・・」戦闘後なので魔法を使える余裕も残っていない。魔力量は底を尽きている。ハルが無言でケントをおんぶする。「え?あ、ありがと」ケントの笑顔にハルはやっぱりかわいすぎると思った。これこそ私の希望だと。・・・〔自分の都合で俺を勝手に希望にしないでもらえます?〕

第6章「交渉」

俺は魔物の村へ向かった。奴らと手を組むしか無い。俺の心のなかではもう決まっていた。魔物が悪いだなんて人間が決めつけた勝手なのであると。俺達2人は魔物の村へとついた。またあのモンスターが出てくる。「なんの用だ?」威圧感が半端ない。「ここに居る魔王と交渉したい。」そう言うと、「お前はこの前攻めてきたもの。ただでは通さん。」そう言って門の前に立ちふさがる。結局・・・「さあ、要件を言え!」俺は素直に答える。「人間の街で魔物を殲滅させるなどと言っている者が今悪事を働いている。」それを聞いて亜人はまゆをぴくっと動かす。「そこでこの村の者達と協力して今の国王、ガープを倒してほしい。」亜人は少しだまり、顔を上げる。その顔に威圧感などなかった。「では、中に入れ。」そう言って俺達の入街を許可した。俺達は街の中を見て感動した。しっかりと設備された水道やガス。市場では新鮮な野菜や魚が出回っている。まさか、門sターがここまでやるとは・・・そして、「あ、ティル様。」そのティルと呼ばれたちっこい亜人が振り向く。ハルを見るなり戦闘態勢に入る。「待ってくださいティル様。この者たちは以前とはちがく、協力を求めてきたのです。」魔王であろうちっこい亜人がぽかんとする。「あ?協力?」俺とハルは無言で頷いた。「・・・悪いがお前たちには一度攻められたこともあるし、信用できない。帰ってくれ。」魔王は向こうを向いて歩き始めた。「待っ・・・」ハルが言いかけたが、角の生えた鬼人に止められる。「あまり深堀りするな。ああみえてティル様は最近大変なことや咲良と刹那の相手でかなりのストレスを抱えている。タイミングが悪かったな。また来てくれ。」その〝また〟という言葉にどれだけ救われたか。この亜人にはもう信頼されているのだ。「なあ、こんなにすんなり俺達って入ってよかったのか?」そう聞くと、「何を言うんだ。俺の善悪サーチは嘘をつかない。」そういう魔法か・・・「それに、用件を言うときの君の目は本気だった。それだけは確かだ。」この人は本当に優しい。だからこそすぐにやられる。なぜか俺は、この短時間でモンスターに好意を抱いた。不思議なことである。それに、この国にいたくなったこれほど空気が済んでいて住心地の良さそうな町、どこにもないからだ。「国王・・・俺、モンスターと共存してみるよ。」俺は町を出る時、小声で言った。その時、なんだか微笑んでいる国王の顔が見えた気がした。

第7章「賽銭」

私はこの寺の巫女。いつも賽銭が入れられるのを待っている。まあこんな森の奥に来るはずもなく、もうかれこれ1億年は待っている。いま私のからだに宿っている精霊との契約でそうなってしまっていた。まあ精霊というよりかは妖怪のほうが近い。「ねぇねぇ妖弧さん、これいつになったら来るの?」そう言うと、からだの中から白い狐が出てくる。「ここまで来ないとは想定外だな。まあ契約は契約。稼ぐまでこのからだで働いてもらうよ。」そう。私のからだは本来このからだではないのだ。今はもう私というのに慣れて、何不自由なく個々で暮らしている。この寺の最深部には私の本当のからだが窒素に囲まれて劣化せずに保管されている。戻る方法はこの妖狐しか知らない。それに、一番手こずったのは、私がこのからだ、女性の体になったことだった。〈過去パート〉この森の奥にある神社に、一人の少年が迷い込んだ。妖狐は人を待っていた。ここの巫女が寿命で死んでから、ここを掃除する人がいなくなったせいで自分の存在が消えかけていたのだ。妖狐は即座に少年の目の前に姿を表した。サーチした所、少年はだいたい15〜16歳。どちらかと言うと青年である。「汝に聞く。お前はここで働く気はないか?」そう言うと、「え?いや、そのつもりはない・・・けど・・・なんで?」やはり怯えている。「そう怯えるでない。まあ結局お前に選択肢などはないのだ。」そう言って妖狐は指を動かす。青年が倒れる。「一旦眠ってもらおう。」そう言ってその青年を寺の最深部まで運んだ。その最深部の祭壇に置き、古代語でじゅもんを唱える。万が一自分以外に解かれることのないようにだ。青年のからだから白い光が出てくる。「さて、これをあの元の巫女のからだに移すだけだ。」妖狐は光を横で永遠に眠っている巫女へと移す。光は巫女へと吸い込まれていった。そして巫女が目覚める。飛び起き、あたりを見回す。そして妖狐を見るなり警戒に入る。そしてからだの違和感に気づく。「え、なに・・・これ・・・」自分の腕などを見下ろし絶望する。「僕のからだを返せ!」そう怒鳴る。「落ち着け。これは契約だ。この寺で稼いでくれたらこのからだは返す。しかし稼げるまでその体だ。それとこの寺の掃除を頼む。そうしてくれないと私が消えてしまうのだ。」青年だった巫女は、少し説明すると仕方なく承諾した。しかしこいつも結局は私の使い捨ての駒だ。契約が終わった暁には元の体に戻すが、きっとそれは数百、数億年先。つまりいくらからだが保管されていても少しずつ劣化していくのだ。この青年には申し訳ないが、それが生きるすべなのだ。〈現在パート〉「ほんとに何も来ないし・・・」巫女がそう言って更に声を張り上げて言う。「つまんなーい!」利用するはずだったが、今は逆に何でもできる私が利用されている気がする。どうもいい気分はしない。現在、青年のからだはもう助からないほどに劣化している。そして当の本人が青年だったことを忘れかけている。(まだ忘れてないけどね)

第8章「交渉成立」

ある日、その事件は起きた。町が燃えている。「どう・・・して・・・」ティルは絶望に明け暮れていた。燃えている町は、魔物を受け入れてくれていた町だった。町のいたるところから火が吹き出し、場所によってはもう跡形もない。「・・・まるで火の海だ。」その光景だけを見ると、現実世界の争いを連想させた。燃える町の中で人影が見えた。その人影は動かない。棒立ちしている。ケントだ。「オイ!そこは危険だぞ!早く逃げろ!」叫んでもそいつは動かなかった。俺が承諾しなかったのが原因か?でもそうだとしたら、待た来るはずだ。どれだけ諦めが悪いか、一度戦った俺には分かる。あの戦法は諦めの悪い良い戦士の戦い方だ。「死にたいのか!」総特大の大声で叫ぶ。するとケントはハッとして我に返る。あたりを見回す。だが一向に踏み出さない。「何してるんだ!バカ!」全く動かないのである。〈ケントパート〉あぁ、ハルを町の外においてきて正解だった。俺は・・・俺はここで死ぬんだ。もう火に囲まれた。それに放射線も浴びた。それに、今まで魔物を何匹も何人も倒していた。これがその報いか・・・「嗚呼。この世はなんて美しいんだ。天罰でさえ赤々と燃える美しい火だ。」大声が聞こえるが、無視する。死にたい?そんなことは一切思っていない。しかしこれが今までしてきたことの報いならば受けるつもりだ。炎が迫る。その時「馬鹿野郎!」と声が聞こえ、俺は宙に浮いた。何が起こったかまだ把握できていない。「ふう・・・間一髪・・・」俺を掴んでいたのは魔王だった。嗚呼、この世は本当に理解不能で素晴らしい。どんな展開にもなるこの世界・・・「脳内見たけどなんか哲学考えてんな。なんだ?深夜テンションか?やめといたほうが良いぜ、そういうの。なんか硬得る仕組みえる。」そう言われる。たしかに。急に哲学を考えすぎたようだ。俺はそういうキャラじゃないのに・・・制作者、どうなってんだ?とりあえず助かった。〈ティルパート〉俺はケントを重いと思いながら抱え、空を飛ぶ。「なあ・・・お前、俺と手を組みたいんだって?良いよ。それ受けてやる。」ケントは不思議そうに尋ねる。「なんで急に・・・無理に承諾しなくて良い・・・」「無理にじゃない。この光景を見て確信した。」そう言って火だるまと化した街を見下ろす。「じゃあ、交渉成立だ。ともに今の国王をぶっ飛ばそう!」そう言って一応ハルも見つけて町へと直行した。ハルとケントの家もこのあと用意するつもりだ。

ここまで読んでくれてありがとうございます。次回作が最終となりますので、楽しみに待っていてくれたらうれしいです。

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