表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白銀妖精のプリエール  作者: 葵 嵐雪
第一章 フレイムゴースト
10/82

第九話

「思っていた以上に広い」

 洞窟に足を踏み入れたエランがそんな感想を口に出しながら歩みを進めていく。洞窟の奥からは響くような喧騒が聞こえてくるのはエランがあれだけ派手にやってのけたからだろう。けれども盗賊団としては突然の侵入者に対して今の所は慌てながらも迎撃の準備をしていると言ったところだろう。そのためにエラン達は邪魔される事がないままに歩みを進められているのでエランの言葉にストブルが返答する。

「焼却の盗賊団は荷馬車ごと根城にしている,この洞窟に運び込みますから大きな荷馬車が簡単に通れるだけの道は確保しているみたいです」

「……ん~」

「どうしたの,イブレ」

 イブレは言葉をはっきりと出してはいないがエランには微かに聞こえたイブレが発した考え込むような唸り声が気になったのでイブレに問い掛けると敵である盗賊団が出てくる前にイブレが口を開いてくる。

「ストブル君の話だとこの広い道は一本道で奥にある広場にまで繋がっている,だから洞窟の奥に広場なんて作ったんだろうと考えていたんだけど,この道を見ていたらなんとなくだけどその答えが出て来たんだよね」

「そうなのですか?」

 イブレの言葉を聞いてすぐにストブルが質問をするとイブレは頷いてから再び口を開いた。

「この奥に広場が有るからこそ荷馬車ごと強奪した後に広場で荷物を降ろすのと同時に荷馬車を壊して自分達の資材に出来るからね。それだけでも,ここの首領はこの手の行為には慣れていて頭がしっかりと使えているようだね」

「けどですよ。強盗行為に慣れているからと言って戦闘でも強いとは限らないですよ。だからこんな事は考えるだけ無駄ですよ」

 はっきりとイブレの意見を一蹴するハトリにイブレは軽く笑うと今度はハトリに向かって言葉を放つ。

「僕達だけの問題ならこんな事は僕も考えないんだけどね。今回は後から来るハツミ軍の事を考えた上でいろいろと見てから発言をしたんだけどね」

「ならですよ,さっさと結論を言ったら良いですよ」

 今度は冷たいような発言をするハトリだがイブレはそんなハトリの言葉を聞いても軽く笑うだけで会話を続けてきた。

「結論と言うよりも意見というべきかな,エランが首領のカイナスを倒した後に突入してくるハツミ軍と一緒に荷馬車も入れてしまって良いと思うんだよね。広場で荷物の積み卸しをやっているのならこちらも同じ手を使う方が良いと思うんだけど,どうかなストブル君?」

 突如として話題を振られたストブルは慌ててしまった。それもしかたないだろう,なにしろ今居る所は散々ハツミ軍に痛手を与えた焼却の盗賊団が集まってる根城だ。そこに踏み込んだのだからストブルとしては緊張どころか警戒で精一杯と言った状態に緊張感の欠片すら無い声でイブレからの質問が来たのだからストブルが慌てるのも当たり前の事だろう。けどストブルも一度は偵察兵として足を踏み入れた根城だけにイブレ達の会話はしっかりと聞いていたので,警戒心で腰にあるつるぎをいつでも抜けるようにしておきながらストブルはイブレに向かって返事をする。

「確かにイブレ殿の言う通りかもしれません。事が上手くいったら荷馬車ごと洞窟内に入ってくるように伝令に出ます」

「うん,頼むよ」

 緊張,というより警戒心が強すぎてすっかり堅くなっているストブルの言葉を聞いてイブレは短く言葉を返すだけだった。まあ,イブレとしてはストブルの考えも聞いてみたかったのだが,肝心のストブルが堅くなっているので下手に刺激をするのを止めただけとも言える。それに,これからこの四人で何人居るのかも分からない程の盗賊が出て来ても不思議ではない状態だからこそストブルは警戒心を強く持っているのだが,逆に言えば周りが見えていないとも言える。

 ストブルとは対照的にエランとハトリ,そしてイブレは警戒どころか緊張すらしていないだろう。まあ,この中でイブレだけは何もしていないだけでエランとハトリ,そしてイクスも周囲の気配を探りながら進んでいっているのだから敵が来たのならエラン達の誰かが声を上げるのは間違いないのでイブレだけが特に気にする事も無く気楽に歩みを進めていた。そして待っていた訳ではないがイクスが声を上げる。

「おい,来やがったぜ」

 イクスの声を聞いてストブルの身体が驚き跳ねるとハトリが口を開いてきた。

「後ろは随分と少ないですよ,その代わりに前からかなり来てるですよ」

 ここまで来ても声に緊張感が出ていないハトリの言葉を聞いてストブルはかなり警戒を強めたのだろう。剣を抜けるように両手を掛けながらも前と後ろを交互に見るが,未だに盗賊達の姿は瞳に映らないので更にストブルは緊張と警戒心から身体の動きが硬くなった。

 ストブルの動きが硬くなったという事は歩く速度も落ちてしまったのでハトリは溜息を付くと歩調をストブルに合わせてストブルの隣を歩く事にした。まあ,ここまで来ると緊張やら不安やらでハツミの騎士団に所属してると言っても動きがかなり鈍くなってしまうのだろう。それにハツミの手練れが焼却の盗賊団に八回もやられた経験を知っているからこそ尚更に緊張するのだろう。だからこそハトリが隣に付いて歩みを進めていくと前方から多くの足音が聞こえて来たのでイクスがエランに向かって声を発する。

「おっ,前からぞろぞろと出て来そうだな。どうするよ,エラン」

「そのまま向かってくるのなら,こっちも一気に行くけど。何か様子が変」

「何でだ?」

「エランがそう言うのなら最初は様子見に成りそうだね」

 イクスの問い掛けにイブレが代わりに答えていると薄暗い洞窟を照らしている明かりが軽く揺れ出す。どうやらこちらに駆けてくる足が振動となって明かりを揺らしているのだろうが,ストブルは剣に手を掛けながらも迷っていた。なにしろ前から大勢の敵が向かってきているのは分かっているのだからエランが戦闘態勢に入っても良いのだが,エランはイクスを構える事をしないで右手に持ったまま腰の辺りでエランの歩みに合わせて揺れている。

 未だに歩き続けるエラン達にストブルは逆に警戒心を強める事に成った。敵が向かってくる事はストブルでも分かっているのに戦闘準備すらしないで何事も無いように歩き続けているのだから,エランが警戒をしないのなら自分がするしかないと思い込んでしまったようだ。そんなエラン達が歩き続けると徐々に盗賊達の姿が見えてきたのでエランが歩みを緩めるとイブレとハトリも同じようにしたのでストブルも自然とエランと同じように歩みを緩めた。

 徐々にエラン達と向かってくる盗賊達との距離が詰まってくる。盗賊達からもエラン達の姿が見えたのだろう,先頭の一人が止まるような仕草を手でやると盗賊達は走っていた足を徐々に緩めていった。それと同時にエランも歩みを緩めていくのでエラン達と盗賊達はある程度の距離を取った場所で止まったのでエランも足を止めた。そして盗賊達がエラン達に向かって大声で言葉を発する。

「たった三人でここにやってくるなんて大した度胸だなっ!」

「四人ですよっ!」

 明らかに自分が人数に入れられていない事が分かったハトリが即座に大声で修正する言葉を発したが盗賊達は当然ながらハトリの言葉を無視して勝手に話し出す。

「こっちは既に一人やられてるんだっ! きっちりと落とし前を付けさせてもらおうかっ! お前達の命でなっ!」

 盗賊達としては脅しているつもりなのだろうが,今までもまったく緊張感が無かった程のエラン達なのだから,この程度は脅しにもならない事は盗賊達には分からないどころか同行していたストブルも分からない程だ。だからという訳ではないがエランが口を開いてきた。

「私達の命が欲しいのならさっさと向かってくれば良い,話すだけ時間の無駄」

「なんだとっ!」

 エランの言葉に盗賊の一人が声を上げる。まあ,ここまで来れば盗賊達がすぐにエラン達を攻撃してこなかった理由も見えてくる。それは値踏み,簡単に言ってしまえばエラン達が持っている金品が狙いで早い者勝ちという訳だ。だから味方の敵討ちよりも侵入してきた敵がどれだけの金品を持っているかを探る為に足を止めて盗賊としては最大限の脅しを掛けてきた訳だが,その脅しもストブルにしか効いてはおらずにエランに言い返されたからには盗賊達も黙ってはいられない。

「出すもんを素直に出せば少しは命が助かったかもしれないのになぁ,そこまで言われたらテメーらの命を奪った後に持ってる物をもらってやるぜっ!」

 威勢だけは良い盗賊達にハトリは溜息を付くと挑発する訳ではないがエランが言った通りに時間の無駄を省く為に口を開いた。

「はいはいですよ,無駄口は要らないからさっさと掛かって来いですよ」

「言いやがったなっ!」

 ハトリの挑発に乗った訳では無いがハトリの言葉を切っ掛けに前方に居る盗賊達がそれぞれに武器を手にするとエラン達に向かって駆け出した。それに対してエランはイクスに声を掛ける。

「イクス,行くよ」

「おうよっ!」

 こちらもこちらでイクスが威勢の良い声を発するとエランが両手でイクスを右下に向かって持つのと同時に盗賊達に向かって一気に駆け出した。距離が詰まった事で盗賊達は攻撃態勢に入るが既に遅い,イクスは普通の長剣を遥かに凌ぐ程の長さを持った剣だからこそ盗賊達が攻撃をしようとした時にはエランの一撃で六人程の胴が斬り裂かれていた。それと同時にストブルはエランの姿を見失っていた。

 ハツミ騎士団との模擬戦で見せた通りにエランが使う剣術はデスティブとも死落舞とも呼ばれている独特な剣術だ。見慣れていない者にエランの姿を追う事なんて出来る訳が無い。そしてそのエランはというと。

 最初の一撃で右下から左上に切り上げたのでエランも左上に向かって跳んでいたが先の模擬戦と今の戦いでは大きな違いがある,それは洞窟内という事だ。模擬戦のように何も無い広い場所ならそのまま回転して次の攻撃を繰り出せるのだが洞窟内という事は壁も有れば天井も有る限定空間だ。その為に模擬戦で見せたような戦い方は出来ない,がエランが使っているデスティブはそこまで底は浅くは無い。

 左上に跳び上がるのと同時にエランは既に身体をひねっていた。跳び上がる時に身体をひねる事で左上に飛び去るかのように回転をしながら飛んでいくイクスよりも速く身体の方が回転してイクスに追い付く頃にはエランの両足が洞窟の壁に付いて膝が曲がっていた。それからイクスが自ら回転が掛かっている刀身を止めてくれたのでエランは軽い力でイクスを右側に構える事が出来た。そうした準備が終わっている頃にはエランは次の標的が決まっていたのでエランは壁から跳ぶように今度は地面に向かって行った。

 壁から跳び出したエランが地面に着地すると右側に構えていたイクスを思いっきり振るうのと同時にエラン自身も左回転してイクスがエランの左側に居た盗賊の数人を斬り伏せた。エランはそのまま回転するのと同時に振り抜いたイクスを下げるとすぐに身体をひねって先程とは反対側の壁に身体を向けると壁に向かってイクスを振り抜いた。

 着地して一回転をしてから再び跳び出した形になりながらもしっかりと盗賊を斬り伏せているので盗賊達は何が起こっているのかも分からなくなり混乱状態になっていた。そんな盗賊達にエランは再び壁を足場にして跳び出すと今度はイクスをほぼ真下に向かって振った。跳び出してきた勢いを使ってイクスを真下に振ってもエランの身体自信が前方に向かって飛び出しているのだから剣閃も自然と斜めになる。そんなイクスの剣閃の後に三人の盗賊が血飛沫を上げながら倒れていくがエランの動きは,そんな倒れていく盗賊よりも速い。

 イクスを真下に振った事によって振り抜いていないのでエランの両足が地面に付いた時にはイクスは真横にあり,イクスの切っ先は地面に付きそうなぐらい近かった。すぐさまイクスの刃が反対側を向くとエランは斜め前に向かってイクスを振り抜くのと同時に今度も身体をひねりながら跳び出したのでしっかりと壁に足を付ける事が出来た。

 限定空間で自由に回転運動を使ってイクスを振るえなくてもイクスの長さと切れ味,エランの身体能力によってなし得るデスティブの速さと消えて見えるエランに盗賊達は戸惑い,混乱しながらも次々と斬り伏せられて行った。そして戸惑っているのはストブルも同じだった。

 ストブルも前回は偵察兵としての責務を重視したとはいえハツミ騎士団の一員でそれなりに腕に自信があったからこそ盗賊達が出てくる前から自らの剣に手を掛けていたのだが,今ではエランの姿は地面に付いた時の残像しか映らない程の速さでエランが動いている程度しか分からないのですっかりストブルはエランの戦いに見入っていた。そんな時だった,突如としてストブルの後ろから声が上がったのでストブルが振り返ると目の前にマジックシールドが展開されていた。ストブルがエランの戦いに見入っている間に後ろからこっそりと近づいてきた盗賊達がストブルに攻撃をしたようだが,その全ての攻撃がハトリのマジックシールドによって防がれていた。

 突如として現れたマジックシールドに自分達の攻撃が防がれた盗賊達は驚き,戸惑って未だにマジックシールドに剣を振り下ろす姿になっていた。だから気付かなかった,いつの間にかハトリの髪がゆらゆらと浮き上がっているのが。そして次の瞬間にはハトリのツインデールが攻撃をしてきた盗賊と同じ数に別れると一気にマジックシールドを突き抜けて,そのまま盗賊の心臓を貫いていた。

 エランの戦いに見入っていたとしても警戒だけはしていたつもりのストブルだったがマジックシールドから一歩だけ退くとハトリの髪が盗賊から抜けて盗賊達が次々と倒れていった。それからハトリの髪はマジックシールドから抜けると元の柔らかくて艶が出ている髪の毛に戻りマジックシールドも消えた。それからハトリが前を見ながらストブルに話し掛ける。

「油断してると危ないですよ」

 ストブルとしては油断をしたつもりはなかったが,いつの間にか後方にも十人ぐらいの盗賊が起こった事に理解する事が出来なかったみたいで未だに抜き身の剣や槍を手にして戸惑っていると再びハトリの後ろにマジックシールドが二つ展開されるといつの間にか動き出していたハトリの髪が再びマジックシールドを貫くと次々と盗賊達を串刺しにして行く。最後の四人を一気にハトリの髪が貫くと盗賊は何も理解が出来ないままに髪が身体から抜けると地面へと倒れて血溜まりを作り出す。これで後ろから来た敵は全てハトリが倒してしまったのでハトリの髪はいつも通りに戻りマジックシールドも消えたのでストブルはハトリに向かって口を開く。

「あ,ありがとう,ございました」

 ストブルとしてはエランの戦いも凄いがハトリもこんな事が出来るだけの力を持っていた事が思いっきり想定外でなんとか礼の言葉を口に出すだけで精一杯になっていた。そんなストブルにハトリは顔を向ける事なく,エランの戦いを見ながら口を開く。

「敵は前後から来ると言ったのはあなたですよ,ならですよ,しっかりして欲しいですよ」

「はい,すいません」

 もっと言うべき事があるとストブルは思っていても口からはこれだけの言葉を出すのがやっとで,とてもではないが自分の腕ではエランの戦い方もそうだがハトリの戦い方にも自分がどう動けば良いのかまったく分からなくなってしまった。まあ,最初からエランのデスティブと共に戦うだけの実力は持ち合わせていないし,ハトリもこのような力を持っているとは思ってもいなかったのでストブルはどうやって役に立とうかと考えたが前方からは次々と敵が来ているので,今度はそちらに気を取られたので考える時間すらないように思えるストブルはただ立ちすくむしかなかった。そんなストブルを脇目にイブレが杖から雷魔法でエランが討ち漏らした敵を倒していた。

 後方から時折少数の敵が襲ってくるがその全てをハトリが倒し,前方から次々とやってくる敵はエランが倒し,数が多い上に限定空間でどうしても討ち漏らしてしまう盗賊はイブレの魔法によって倒されていた。このようにいつの間にか完璧とも言える布陣で盗賊達を次々と倒していくエラン達の強さに盗賊達は自然と恐れを抱くようになって少しずつだが後退りをしてくる者まで出てくる程にエラン達の強さは盗賊達を圧倒していた。だがらと言って諦めて逃げる者はいない,というよりはこんな時だからこそ強さを過信している者が出てくる。それを証明するかのように腰が引けて後退りしながらエランと戦わないようにしていた盗賊達を掻き分けるように大声を出してきた。

「テメーらっ,どきやがれっ! そいつは俺が倒してやるよっ!」

 突如として洞窟内に響き渡った大声にエラン達だけではなく盗賊達の動きが止まるのと同時に大声を出した人物が進み出てきたので自然と盗賊達は出来てきた人物に対して道を空ける。そんな盗賊達に対してエラン達はというと盗賊達がエランから距離を取ったのと同時に騒ぎ始めたのでエランも戦う事を一時的に中断すると通路の真ん中に立ってこちらに進み出て来る者を待っていた。その間にも盗賊達は次々に進みで来た名前を呼び続ける。

「サシェだ,サシェが来たぞっ!」

「怪力のサシェだっ! 自慢の鉄棍で潰してやれっ!」

「サシェが出て来たなら頭が出てくるまでもねえっ! サシェ,ここで奴らを倒してやれっ!」

「サシェ,サシェ,サシェ」

 洞窟の通路をエランに向かって進んでくるサシェを他の盗賊達が名前を呼び続けてサシェを鼓舞するのと同時に期待を込めていた。そんな盗賊達とは正反対でエランは静かに通路の真ん中に立って戦う時を待っており,ハトリとイブレはエランと距離を取ってエランが戦い易いように空間を空けており,イブレに促されてストブルもエラン一人を残して大きく後ろに退がったのだが,未だにエランの実力を理解していないストブルは勢い付く盗賊達に対してエランを一人にして良いのかと心配になっていたが先程の戦闘でも何も出来なかった自分が出ても力には慣れない事はストブルにも理解が出来ていたからこそイブレに促された時には素直に従った。だが盗賊達がこれだけ騒いでいるのだから相手も盗賊団の中では相当の実力者なのは盗賊達の雰囲気から充分に分かるがハトリとイブレはそんな盗賊達の騒ぎが聞こえないように無視し続けていたがストブルはさすがに心配になってきたようだ。ストブルがそんな事を考えているうちにサシェは盗賊達が開いた道を抜けるとエランと対峙した。

 エランは無表情のまま静かな瞳で自分の前に進み出たサシェを見上げる。エランも女性としては身長は低い方だが見た目の年齢からして見れば適切な身長とも言える。そんなエランが見上げなければ顔が見えない程なのだからサシェの身長はエランよりもかなり高い二メートル以上と言っても良いだろう。そんなサシェの大柄な体格は当然のように目を引くが,それ以上に目を引かれるのがサシェが右肩にかついでいる物だ。

 盗賊達も言っていたがサシェは右肩に鉄棍をかついでいるのだが大きさが鉄棍という言葉より逸脱している武器と言っても良い程に大きい。鉄棍と言えば鉄で出来た棒の武器を指すのだがサシェが右肩にかついでいる鉄棍は異様な程に大きいのはサシェの体格に合わせた事も有るのだろう。明らかに大きすぎる鉄棍をサシェは右手だけで持っており,持ち手の部分だけでもかなりの太さが有り滑り止めとして布が巻かれている。そして持ち手の部分から徐々に太さが増して行き,途中で成人男性の頭ぐらいの太さにまで達するとそこからトゲのような出ており凶悪さを増してる武器に見えるので自然とストブルの視線がサシェの体格と持っている鉄棍に注がれるがハトリとイブレはエランとサシェを含めた戦場の全てを見ていた。そしてエランと対峙したサシェだがエランの後ろに続いている地面に倒れた死体の数々を見てからエランに目を向けて口を開く。

「おい,こら,お前らの後ろに倒れてる奴らをやったのはお前か?」

 サシェがそんな質問をしたのでエランは振り返って後ろを見ると今まで倒してきた盗賊達の死体が数え切れないぐらい転がっている。そんな光景を目にしたエランはいつもの無表情で再びサシェに目を向けると質問に答える。

「九割ぐらいは私達でやったかな」

 エランの言葉を聞いたサシェがすぐに鉄棍を両手で強く握ると口を開きながら鉄棍を振り上げる。

「なら今ここで死んであいつらに詫びてきなっ!」

 言葉を言い終えるのと同時に鉄棍が振り下ろされて地面をえぐるのと同時に轟音と砂埃を上げる。あのような鉄棍が突然に振り下ろされると避ける事は困難なのだが,音が静まるとエランの声がサシェの耳に届いた。

「それは無理,こんな場所で死ぬ気は無いから」

 サシェが繰り出した攻撃は奇襲と言っても良いだろう。体格に恵まれていると言ってもあれほど大きな鉄棍を両手で握るのと一瞬とも言える時間で振り上げて,喋りながら振り下ろしたのだから口が動いている分だけ威力は軽減されているが速さはかなり出ていた筈だ。そんな攻撃をエランは一瞬で鉄棍の軌道を見切ってから左に軽く跳んだので今では振り下ろされた鉄棍がイクスを握っている右手よりもほんの少し右側にずれた場所に沈んでいる。この時点で驚くべき事はエランの反応が良い事では無くて反応による対処が的確という点だ。

 対峙していた時点でどちらからも攻撃を仕掛けてきても不思議ではないので両者とも話しながらもしっかりと警戒はしていた。だからエランが攻撃を避けても不思議ではないのだが,移動距離が僅かという点は見事としか言い様が無いだろう。エランは振り下ろされた鉄棍がどこに落ちてくるかを瞬時に見極め地面に叩き付けられた時の事も考えて鉄棍と鉄棍が地面を叩いた時の衝撃をかろうじて受けない地点を見極めて最短距離で避けた。簡単に言ってしまえば鉄棍が地面に叩き付けられた衝撃すらも攻撃と成って当たれば身体に痛みが走る事が分かっていたエランは鉄棍と鉄棍が作り出した衝撃がかろうじて届かない距離しか動いていない,つまり最小限の動きで奇襲とも言える攻撃を避けてみせたのだから,見る者が見ればそれだけでエランの実力が分かるというものだろう。だがサシェはエランの実力を見極める事すらしないで自分の攻撃が避けられた事に憤慨する。

「大人しく死ねやっ!」

 そんな自分勝手な言葉を放った後にサシェは鉄棍をエランに向かって振り上げるがエランはすんなりと鉄棍の軌道上から身体を左側にずらして振り上げられた鉄棍が巻き起こした風を感じながらイクスを左側に構えるが既に怒り心頭になっているサシェは普通ならば重すぎて振り回せない鉄棍を振り回してきた。それにサシェとしてはエランの頭を潰さないと気が済まないぐらいに怒りが達しているのだろう。エランに向かって鉄棍を上から二度三度と振り下ろしおり,エランも振り下ろされた鉄棍を右や左に避けながらもイクスを左後ろに構えながら準備をしっかりとしていた。

 五回目に鉄棍を振り下ろしたがこれもエランは簡単に避けてしまったので,やっと少し頭を使う事にして気が付いた,エランは先程から左右にしか避けていないという事にだ。だからサシェは振り下ろした鉄棍を振り上げると今度はエランの頭めがけて右横からの攻撃に切り替えた。今まで上下の攻撃しかやっていないからこそいきなり横からの攻撃に切り替えれば対処が出来ないだろうという単純すぎる発想であり貧素な頭だと言う事が分かる。なにしろエランはこの瞬間を狙っていたのだから。

 エランから見ると左側から自分の頭に向かってくる鉄棍に気付いたエランはイクスを左横に構えながら一気に前に向かって屈むように踏み込む。お互いに長い武器を使っているからこそ踏み込んでもそんなに距離は近づかないけど充分なのでエランは右に跳びながらイクスを強く握らずに振り出す。そしてエランが着地したのと同時にサシェの棍棒がエランの上を通過して行った。

 形としてはエランはサシェの左前に居る状態だ。そんなエランが次の行動に出る為に勢いを殺さないままにイクスではなくエランの身体が先に右に回転していた。そして次の瞬間にはサシェの両膝から血が噴き出すのと同時に足に力が入らなくなったサシェが倒れるように膝を付いた。だが大柄なサシェは両膝を大きくやられると身体を支えられないのは必然,サシェの身体が大きく前に向かって倒れていく。既に身体を回転させていたエランの瞳には倒れていくサシェの姿がはっきりと映ったので狙いを定めると未だに回転している身体をひねって更に回転を速くさせるとイクスを振り出した。先程の攻撃で得た回転はまだ止まってはいないので更なる速さを得たイクスが振り出された。

 振り出されたイクスの刃は地面スレスレを通ると今度はサシェに向かって行くと,下から上に向かってサシェの首と腕を通り過ぎる。エランは回転を緩めながら立ち上がり,振り抜いたイクスの勢いを落とすようにエランは一回転するとエランは静かにゆっくりと動きを止めた。そして次の瞬間,サシェが前のめりに倒れると首と腕が飛び跳ねて転がった。

 少しの間だけ静寂が支配する。この時点で何が起こったのかを理解をしているのはサシェを斬り伏せたエランとイクス,そしてハトリとイブレだけだ。イブレの隣で見ていたストブルでさえ未だにエランがサシェを斬り伏せた事を理解が出来ていないのだから静寂が突然に訪れるのは必然だろう,そして静寂が突然に去るのも必然だ。転がった首は盗賊の方へと向かって行ったので先程までは胴体と繋がっていたサシェの首にある目が合ったのが理由で盗賊が悲鳴を上げた。そして盗賊の中にも冷静なのか仲間に冷たいのかは分からないがこの状況をはっきりと理解している者が声を上げた。

「サシェがやられたっ!」

 そんな声が響くと盗賊達が混乱を表すかのように次々と声を上げる。

「あのサシェがやられたんだぞ,どうすんだよっ!」

「俺が知るかっ!」

「サシェがあっさりとやられた奴を俺達だけで倒せってかよっ!」

「そんな事が出来るかよっ! 俺達がやられるだけだぞっ!」

「ならどうすんだよっ!」

 サシェが焼却の盗賊団内ではそれなりの実力があったからこそ,この場にいた盗賊達はエランがサシェに倒されて終わりだと思い込んでいたが現実は真逆になったからこそ盗賊達は驚きながらもサシェを倒したエランの相手を誰がするのかで揉め始めた。そんな盗賊達にエランはイクスを向けるとイクスに向かって短く言葉を放つ。

「イクス,お願い」

 盗賊達が五月蠅い程に騒いでいるからエランの声が盗賊達に届く事は無かったがイクスにはしっかりと聞こえていたのでイクスからまず返答の声が発せられた。

「あぁ,分かったよ」

 イクスは少し面倒臭そうな声で答えた。それからエランはイクスの声がしっかりと盗賊達に聞こえるように腕を真っ直ぐに伸ばしたままイクスを真横にするとイクスから大声が発せられる。

「オメーらっ! いつまでも騒いで俺達を待たせるんじゃねえっ! さっさと次に死にたい奴はかかってきやがれっ! それが嫌ならさっき言ってたお前らの頭に泣き付くんだなっ! さあ,どうするか選びやがれっ!」

 イクスが大声で啖呵を切った事で盗賊達は静まり返るがすぐに盗賊の一人がエランに背を向けると走りながら口を開いた。

「俺はこんな所で死にたくねえ,こんな奴らは頭に任せるしかねえよな」

 誰かに同意を求めた訳ではないが最後に残っていた微かな自尊心がそんな言葉を出させたのだろう。そして集団というモノはたった一つの駒が逃げ出しただけで後に続いてしまうモノだ。それは焼却の盗賊団とて例外ではない。

「そうだ,こんな奴らは頭しかたおせねぇって」

「こんなバケモノは頭に任せるのが一番だ」

「頭ならこんなバケモノでも燃やし尽くすはずだって」

 次々に言い訳のような事を言いながら奥へと逃げ出していく盗賊達。エランはそんな盗賊達を追う事をしないで今まで前に突き出していたイクスを戻すように腕を折り曲げるとイクスの切っ先を上に向けて右肩に立て掛けるようにイクスを持つ頃にはハトリ達がエランの元に来たが,ハトリは真っ先にエランの前に立って向かい合うと心配そうな顔をエランに向けて口を開いた。

「エラン……その……気にしない」

 ハトリの言葉を斬るようにエランは瞳の奥で微笑みながらハトリの頭を優しく撫でる。ハトリも頭から伝わってくる感触からエランの心が分かったかのように少し泣きそうになっていた顔を両手で何回か拭うといつもの表情に戻ったのでエランはハトリの頭から手を離すと今度は洞窟の奥へと目を向けながら口を開いてきた。

「食いついてくるかな?」

 相変わらず要領を得るのが難しいエランが発した言葉にストブルは黙り込むだけだが代わりという訳では無いが勝手にイブレとイクスが話を進める。

「あの様子だと充分に食いついてくるだろうね。それにエランが最後に倒したサシェは盗賊達の話を聞いている限りでは焼却の盗賊団内部ではかなりの実力者として期待されていたみたいだからね。その実力者が倒されたとなれば自ら出てくるしか無いだろうね」

「はんっ! あの程度でかなりの実力者とは笑わせやがるぜ。最初は盗賊達が騒いでいたから俺様達も様子見から入ったけど,あの程度なら最初から一気に攻めれば良かったぜ。まったく,時間の無駄遣いも良いところだな」

「けどですよ,その時間の無駄遣いのおかげで道がすっきりしたですよ」

 すっかり元気を取り戻したハトリが最後にそんな言葉を発すとストブルはやっと道の前後を確かめると道の後ろには死体となって倒れれている盗賊達が続いており,前には誰も居ないどころか気配すら感じない。先程まで戦いの中に居たのだからストブルでも感覚が鋭くなっており,周囲に誰も居ないし隠れも居ない事がはっきりと分かる程に洞窟内の道は静かになっていた。もちろん,そんな事はエラン達は既に察していたからこそすっかり気を抜いている事にストブルはやっと気付くとエランはストブルの方へ振り向くと口を開いた。

「この先に広場が有るの?」

 いきなりの質問にストブルは内心で少し驚きながらも周囲に敵が居ない事が分かっているからこそ冷静になって返答をする。

「はい,まだ距離はありますけど,このまま進めば広場に出ます。首領のカイナスが待っているとしたらそこしかないでしょう」

 ストブルがそのような返答をするとイブレが声を掛けてきた。

「やっとストブル君もエラン達の独特な雰囲気に慣れてきたようね」

「ちょっと待つですよ,イブレも充分な程に異様な雰囲気を出してるですよ」

「はははっ,ハトリ,それは大きな大きく勘が迷っているよ」

「いやですよ,意味が分からないですよ」

 イブレの言葉を聞いて思わずそんな言葉を返してしまったハトリが呆れた顔をイブレに向けるがイブレは笑って流す。またしてもエラン達から緊張感というモノが消え失せたがストブルも自然と身体から力が抜けるのを感じると両手が思いっきり汗を掻いている事に気が付いた。そんな両手を見てストブルはもう一つ気が付いた,エラン達に緊張感が無い訳ではなくて相手にしている焼却の盗賊団に属している盗賊達が取るに足りない相手だという事に最初から分かっていたからだ。つまりエランはその辺の盗賊が束になってかかってきても簡単に全滅させる事が出来るだけの実力を持っているからこそ警戒はしていたものの緊張する程ではない,という事にやっと気付く事が出来たストブルだった。

 ストブルがそんな考え事をして結論を出した頃にエランが口を開いてきた。

「行くよ,釣れたのなら私達を出迎える準備をしているはずだから」

 言葉を発した後にすぐに洞窟の奥に向かって歩き出すエラン。そんなエランの後にハトリとイブレが続いて出遅れたストブルが最後尾を歩いた。けれどもストブルとしては気になるのだろう,歩きながら言葉を発して来た。

「もう敵は襲ってこないんでしょうか」

 ストブルがそんな言葉を発するとイクスが真っ先に声を発して来た。

「ぎゃははっ,もしかしてここまで来てビビってるのか,ストブルちゃんよ」

「なっ,いえ」

 言葉が悪いイクスの声を聞いてストブルはすぐに反論しようとするが言葉が出てこないのでイブレが説明するかのように口を開いてきた。

「イクス,ストブル君をからかいすぎだよ。そしてストブル君は心配しすぎだよ。エランが洞窟に入ってから百二十人ぐらいは斬り倒しているからね,そこに,ここの首領には敵わないモノの二番手みたいに扱われている敵もエランが斬り伏せたんだから,エラン一人にここまでやられてエランを倒して手柄を立てようなんて思う者なんて居ないからご自慢の首領任せに出るのが一番だと考えてるはずだよ」

「それに俺様が思いっきりビビらせてやったからな。今頃はここの盗賊は全員,頭に泣き付いている筈だぜ」

「この駄剣は敵が口にした頭って言葉を気に入ったみたいですよ」

「なにいきなり横やりを入れてんだよ,このクソガキが」

「まあ,そんな訳だから。僕達が首領が居る広場に着くまでは盗賊達も出てこないだろうね。それにあのサシェという者をエランが一騎打ちで倒したからには首領のカイナスも面目を保つ為にエランとの一騎打ちを望むだろうね。まあ,僕達としてもその方が無駄な戦いをしなくて良いし,計画通りとも言えるからね」

「そういえば,そうでしたね」

 途中で横槍を入れてきたイクスとハトリを無視してイブレが話を続けたからストブルも自然とハトリとイクスを無視してしまった上に会話が終わってしまったので仕方なく黙り込むイクス。ハトリはそんなイクスに満面の笑みを向けるのだった。まあ,ハトリとしてはイクスの妨害さえ出来れば満足だったようだ。そしてイブレが話した通りにエラン達が歩き続けるが盗賊は全く出てこないどころかこちらを窺う気配すら感じなかったのでエランは歩みを早める。

 盗賊達が襲ってこなくなってから少し歩くと洞窟の入口と同じ縦長のアーチが見えてくるとアーチの奥からかなりの光がこちらの道に漏れている事からアーチの先にはかなりの明かりが灯されているのと同時に騒がしい音まで聞こえてきたのでエランはゆっくりと歩みを止めると振り返る事なくストブルに尋ねる。

「あの先が広場?」

「はい,その通りです」

 エランがやっている突然の質問に慣れたのか,見覚えがある場所まで来たからかは分からないがエランの質問にすぐに答えたストブル。剣に手を掛けているが身体からは余計な力が抜けているところを見るからには両者とも当たっているのだろう,ストブルは緊張はしていても今では不安も迷いも無かった。そんなストブルとは正反対とも言えるエランとイクスは言葉を交わす。

「ならイクス,思いっきり行くよ」

「おうよっ! 全力全開でやってやろうぜ」

「最初は様子見」

「様子見かよっ!」

 エランの言葉を聞いて思わず大声を上げるイクスだが周囲からは何も感じられない。それどころか前方からは熱気のような,殺気と興奮が入り交じった雰囲気がエランの所にまで届いていた。これが何を意味しているモノかは分からないが,スレデラーズを前にしてエランに後退をする,という言葉は無い。なのでエランは再び歩き始める広場に向かって,そんなエランに続くハトリ達はエランを先頭にして広場へと入っていくと両端に高い壁があり,先に進むにつれて少しずつ低くなって行った。そしてある程度の高さの所で壁が消えて目の前には所々に地面を大きく擦った後が残っている広場へと出たのでイブレがストブルに進まないように手で制止するとハトリも広場には足を踏み入れてはいなかった。

 エランとイクスだけが広場に足を踏み入れて周囲を見回さなくてもかなり広い事が分かる程に広い空間だという事が分かった。そして周囲には観客席とでも言えば良いのか段差となっている部分を椅子としてエランに罵声を浴びせているのだろうが広場が広すぎてエランの耳には雑音にしか聞こえなかった。そしてそんなエランの目の前には垂直の壁が観客席の半分程の高さで立っており,その上には一人の男が豪勢な椅子に座っていた。




 謹賀新年,今年もよろしくお願いします。などと半月ぐらいも経っているのに新年の挨拶をしたのも仕方ないよね~。と,勝手に自己解決している今日この頃です。

 さてさて,新年の挨拶も終えた所でお送りしました第九話ですが楽しんで頂けたのなら幸いです。まあ,私的には途中でプロットには無かった戦闘シーンを入れて丁度良く区切れたので良かったのかな~,とか思ってますがプロットなんて誰にも公開しないから,その話をここでしても仕方ないよね~。という事に気付いているけど気が向いたので書いてみました~。

 まあ,プロットどころか設定資料でも作っていなかった人物までも即興で作って書いた方が分かり易いだろうな~,とか思って書いたのがエランの一騎打ちをするシーンです。ちなみにエランの相手をしていた奴は第九話を書きながら区切りを良くする為だけに出て来た人物です(笑) まあ,何にしてもこれで話がスムーズに進んだかな~,とか思っております。まあ途中でこの戦闘シーンを詳しく説明するような場面も書こうかなと思ったんですけど……すっかり忘れてました(笑) まあ,仕方ないですよね,テヘッ ペロ。

 さてはて,前回から大分間が開いたのですが,それも第二章の設定資料を作ってましたからね~。ちなみに,この後は第二章のプロットも同時進行でやって行くのでまたしても更新が遅れるかもしれませんが,まあ,私の小説で更新が早いなんて滅多にどころかまったく全然無いと言った方が適切ですので,これからも気長なお付き合いをお願いしますね~。

 さてさて,それなりに後書きで遊んだ事ですし,そろそろ締めますね。

 ではでは,ここまで読んでくださり,ありがとうございました。そしてこれからも気長によろしくお願いします。

 以上,新年早々におみくじで大吉を二連チャンで引き当てたので今年は私の年に成ると勝手に思い込んでる葵嵐雪でした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ