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魔王の復活!

一気に魔王との対決を書き上げようと思いましたが、少し長くなり過ぎ二話に分けます。

次話は、早めにあげる予定です。

火の山の側には、魔人が3名空中からラル達を見下ろしていた。

まだ、魔王の姿はない。

ギリギリまで待機していた魔人対抗隊のメンバーには彼らこそ魔王の様に映っただろう。

火の山の煙を浴びて彼等の力が漲り、そのせいで落雷が何発も降り注ぐ。

まさに地獄絵だ。

だが、火の山は更にドロドロとした溶岩を吹き上げながら煙を大量に撒き散らす。

煙の濃度は上がり、落雷も激しさを増す。

もし彼等が逃げ遅れていたら間違いなく1秒たりとてもたなかっただろう。


しかしその場にラル達は現れた。

地下道から噴き上がった先は、何と東の砂漠の真上。

どうやら転移したようだ。

その上、空中で静止するや否や火の山が突如現れ噴煙で視界は1mもない。

ラル以外のメンバーはすでに臨戦体制が完成していたので問題はなかったが、ラルだけ現状把握が遅れた。


その隙をまさにつかれた!

魔人の攻撃は、ラルひとりを狙って降り注ぐ。

防御態勢を取っていないラルは格好の餌食かと思われた。

降り注ぐ火魔法がラルを焼け焦がそうとした。

が、その瞬間!

『防御用魔石』がラルの懐から幾つも勝手に飛び出ると四方八方に散る。

石は砕けながら周辺に煙幕を張る。

これはラルが普段から仕掛けていた防御方式の一つ。

攻撃に対して自動的に防御態勢を取るというものだ。

しかもこの煙幕には、魔力を無力化する力がある。魔人の火魔法はあっけなく煙幕に散る。


ラルの『防御用魔石』は当然、各人が当然持っており、空中はさながら煙幕と噴煙の入り混じる視界の効かない状態となる。


「ラル。焦るなよ!打ち合わせ通りやるぞ!」

エドからの声でまずはリーヴァイが動く。


『風魔法リーフェル!最大レベルで展開。』

幻獣から能力の種を渡されたリーヴァイの風魔法は既に最大値を遥かに凌駕。

街ならひとつを完全破壊出来る力で噴煙を吹き飛ばす。だが、煙幕はこの風魔法には全く影響を受けない。

それもそのはず。風魔法耐性で作られたから。

そして味方の魔法には影響しない。


バイロンとドルンもそれぞれ魔法を展開。

『火魔法フェールゴ』『土魔法テーレン』

共に最大魔法レベルで展開。

魔人達は予想もしなかった方向からの攻撃に防戦一方となる。

電撃でそれぞれ打ち砕くも後退を余儀なくされジリジリと後ずさる。


エドはその間に防御態勢の強化を図る。

打ち上げた魔石は2種類。

『吸収石』『変換魔石』但し数が異常に多い。

空間魔法で作った小さな小箱からは地上を埋め尽くすほどの数が転がる。


魔人の顔に苦悩の表情が浮かぶ。

辺りを清浄な空気が立ち込めそれは彼等を苦しめる。

そこへ三人の放つ最大魔法が次々と降り注ぐ。

防戦一方になる魔人達。


これで勝敗が決まるかと思われたその時!


『ハハハ。この世界にようやく返り咲く日が来たか。長かったぞ。ユナとやらのせいで封印をされだがそれも今日まで』


くぐもった声は火の山から聞こえた。

グラグラグラと地上が大きく揺れるのと同時に火の山から山端を壊しながら巨大な溶岩の塊が空中に浮かび上がる。

ドロドロと溶岩を纏ったその姿は、火の卵。

そして次の瞬間!


ピキッ!!



溶岩の卵から魔王が遂に姿を現わす!

溶岩を纏った姿も、一瞬で人型に変形。

一見すると普通の人間ようにも見えるその姿からはあり得ない量の毒素が染み出していた。


魔王の現れたその時、地上にあった無数の『吸収石』『変換魔石』は一瞬で破壊。

粉々になる。

更に魔王の身体から滲み出る噴煙の毒で地上が焼け焦げ始めた。

まるで地面自体が毒沼に変わるかのように。


『魔王陛下。復活お喜び申し上げます。』


魔人が集まり魔王へ挨拶を繰り返す。先程までの劣勢は嘘のように明るい表情だ。

振り返る魔王は全くの無表情。


『いらん。』


あっけない一言だった。

それ以上にあっけなく魔人達は、消滅した。

魔王の翳した掌に吸い込まれるように、一瞬で煙となり消え失せた。



さすがに、ラル達も予想外の展開となり戸惑いを隠せない。味方の魔人を一瞬で消滅とは…

魔王の復活も阻止出来ず、今また苦労して攻め込んでいた魔人も消滅。

一気に形成逆転となる。


魔王の興味は、一点に集中した。


その見つめる先はただ一つ。



ラルだ!!



防御用魔石を幾つ展開しても、追いつかないほどの毒素の風が吹き荒れ、

リーヴァイの肩にいるゼルの姿は半分くらいに縮んだ。

エド達もこの空間にいるだけでも、魔法も魔石も限界まで酷使の状態となる。



魔力を高めながらも真っ直ぐ魔王からの視線を外さない。

しかし睨みつけてはいても、ラルの心臓の音は既に限界まで早打ちをしていた。

それでも、ラルの足は空中で踏ん張ったまま。

一歩も退かない覚悟を決める。


負けられない。

ただひたすらにそれだけを想い続けて。



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