表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/50

第13話「披露」

 意外に走るのが速いよ。わたしが遅いだけなの? なんとか相手の背中を見失わないようにするのが精一杯。このままだと逃げきられちゃう。


「よーし。えい!」


 わたしは、全ての属性を使うことができる。まだまだ充分に使えるわけじゃないけど。わたし自身、分かっていないことの方が多い。とにかく、今は逃がさないこと。


「なっ……!?」


「……そこまでですよ……食い逃げさん……!」


 疲れたよ。息が苦しくて参っちゃう。はあはあ。


「何しやがった! 身体が急に重くなった」


「わたしの魔法だよ。重力を操ったまで」


「重力……ちっ! 面倒なのに追われたわけか」


「大人しく一緒に来てください。戻ってお金を払ってくれれば――」


「――バーカ。払う気があるなら、最初から払ってるってーの! じゃあな」


 しまった! 一瞬でわたしの財布を……! 許さない……それはお姉ちゃんからプレゼントしてもらった大切な財布なの! お金じゃ買えない大切な……大切な……。


「食い逃げにスリ。もう謝っても許してあげないよ――」


「――え!?」


 どうしてくれようか。


「な、何だってんだ。いきなり目の前に!?」


 驚いた驚いた。


「お、俺だって魔法使いだ!」


 液状化したよ。だから何って感じだけどね。痺れちゃえ。


「ぐはあああ――っ!!」


 いい気味。


「土属性じゃなけりゃ重力は操作できない。それなのに今のは雷属性の魔法じゃないかよ。魔法属性は1人1つのはず……な、何もんだ!?」


「返してよ。わたしの大切な財布を」


「やなこった」


「あなたの意思は訊いてないの!」


「なぬ……!? 財布が引っ張られやがった」


「財布の中の硬貨を磁力で引っ張っただけ。お店に戻るよ」


「誰が戻るか。ここで溺死させてやる!」


 わたしを水の中に……!?。


「子どもだからって容赦しねえ!」


 食い逃げにスリに殺人行為。もう目も当てられない人。越えちゃいけない線を越えちゃった以上、容赦しないよ。


「な、なんだ?」


 こんな水――こうしちゃう。


「こ、凍らせた……だと……!」


「まだ続けるの? わたしからは逃げられないよ」


「お前、いくつの属性を……!?」


「全部、だよ」


 氷を熱で急速に解かしていく。こうでもしないと信じてくれなさそうだからね。魔法使うと疲れるのに。


「熱を発して……火属性じゃなけりゃ説明がつかない!」


「言ったよね。全部だよって。これが現実で事実なの。お願いだから降参してよ。わたし、疲れちゃった」


「ふざけんな! そんなデタラメ信じてやるもんか!」


 今度は投げナイフなのね。付き合ってられないよ。


「早くしたらどう?」


「どうなって……いやがる……? ナイフが空中で止まって……!」


「ナイフの時間を止めたの。ほら、全然動いてないでしょう?」


「じ、時間を止めた……!?」


「この魔法の属性が何なのかは分からないけど、無属性ということで納得してね」


「な、納得できるわけないだろう! 時間を止める魔法なんざ聞いたことない」


「そうですか。なんにせよ戻ってよ。わたしにしたことは黙っていてあげる」


「――っ!」


「逆らうのであれば、あなたに待っているのは地獄だよ」


「ちっ!」


 ようやく大人しくなってくれたよ。もうクタクタ~。戻ったら、お姉ちゃんに抱きついちゃおう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ