第十一話 ギャグ作品にあるまじきシリアス回
日没後の空がまだ薄明るさを残す、ほんのわずかな特別な時間。
昼と夜の境界が地平線に滲み、世界そのものが金色の薄膜に包まれているようだった。一日のうちで最も美しいとされる、しかし同時に最も“正体の曖昧な”時間帯の事をこう呼ぶ。
黄昏時と――。
「誰そ彼……」
そこにいるのは誰ですか。
そんな古い言葉が、思わず口をついて出た。
夕暮れの暗さは、人の顔どころか輪郭すら曖昧にする。
背後に気配を感じ、反射的に振り向いて声をかけたものの、そこには人影すらなかった。
風が草を揺らしただけなのか、それとも――。
家屋の軒先で洗濯物を取り込んでいた村の女性が、こちらを一瞬だけ見た。
その目は、驚きでも怒りでもなく、もっと別の……“確かめるような”色をしていた。
だが次の瞬間には怯えたように視線を逸らし、洗濯籠に衣類を押し込むと、足早に家の中へ消えていった。
(あっぶね……完全に見つかったと思った)
発見される寸前の所で、私は身を隠した。
物干し竿の影に身を寄せ、木の幹に背を預けながら息を潜める。
森を抜けて村に侵入してから、まだ数分しか経っていない。
だが、すでに胸の鼓動は耳の奥で暴れ、汗が背中を伝っていた。
――子供たちが消えたのはなぜだ。
村の手前で、まるで霧に溶けるように。
あの少年と少女。
小川で出会い、道案内をしてくれた二人。
彼らの足跡は確かにあった。声も、息遣いも、笑い声も。
だが村の門が見えた瞬間に、ふっと消えた。
まるで最初から存在しなかったかのように。
(彼等はいた。絶対にいた。でなければな私はここまで来れてない)
だが村に入ってから、子供の姿を一度も見ていない。
洗濯物、焚き火の匂い、鍋の音。
生活の気配はあるのに、子供の気配だけが欠けている。
それが、妙に気味が悪かった。
村の中央を走る道は、夕暮れの光を受けて細く光っている。
その道を歩く村人たちは、どこか落ち着かない足取りで、互いに目を合わせようとしない。
まるで“何かを避けている”ように。
(子供たちは……どこに行った?)
私は木陰からそっと顔を出し、周囲の気配を探った。
村人の姿はない。
だが、風の流れが変わったような気がした。
空気が、さっきよりも重い。
境界が揺らぐような、そんな感覚。
(今のうちに動くしかない)
息を整え、物陰から抜け出した。
村の奥へと続く細い路地へ、音を立てないように足を運ぶ。
黄金色の逆行を背に受けながら、流れるように走った。
消えた子供たちを探すために。
薄明の空は、しだいに輝きを失い、闇に飲まれていく。
森の木々は影を長く伸ばし、まるで村を包囲するように沈黙を深めていた。
村の中を行き交っていた人々も、いつの間にか数を減らし、家々の中へ吸い込まれるように姿を消す。
家屋の中では夕食の準備が始まっているのだろうか。
パンの焼ける香ばしい匂い、煮込んだスープの湯気、釜戸から立ち上る煙。
それらが小さな窓から漏れ出し、村全体をほのかに温めていた。
もっとも、“窓”といっても、私たちの知るガラス窓とは違う。
壁に空いた穴を木の板で塞ぎ、棒で押さえているだけの簡素な造りだ。
ガラスなどと言った文明的な物もない窓穴。
中には、動物の皮らしきものを、風よけ代わりに垂らしただけの家もある。
川で見つけたペットボトルとは違う文明圏だと言うのが、一目でわかる。
蛍光灯などもあるはずもなく、暖炉の火や油ランプが室内を赤く照らし、影を揺らしていた。
(……匂いだけで腹が鳴るな)
木陰に身を潜めながら、腰にぶら下げた手のひら大の果実にかぶりつく。
川辺で拾った残り一つの食料だ。
甘くも酸っぱくもない、ただ“食える”だけの果実。
家から香る料理の匂いをおかずに、もそもそと果実を食した。
漫画等で、まつたけや美少女の香りをおかずに飯を食う奴の気持ちが、少しだけわかったような気がした。
マズくはないが……あたたかい物が食いたい。
料理を出せとまでは言わない……だが無性にカップ麺が恋しくなった。
ワビシイ気持ちが、故郷の味を懐かしんでいるのかもしれない。
人間が生きるには衣食住が必要だ。
衣は小屋で拾った服でなんとかなる。
住は……まあ、木の上でも地面でも寝られる。
だが、食だけはどうにもならない。
成人男性は一日に約2600kcalが必要だ。
子供でも2000kcalは――。
(……あれ?)
活動カロリーの計算をしている最中、ふと違和感が頭をかすめた。
私は村へ案内してくれた少年と少女を探している。
彼らの失踪理由を知るために、村の中を見回っていたのだが――。
(……子供がいない?)
追っていた二人だけではない。
村の中、全体で子供の姿を見かけなかった。
目視した家屋の数、村人の人数から推測して、この集落には200〜300人は住んでいるはずだ。
当然、子供がいてもおかしくない。
若い男女も見かけた。
老人ばかりの限界集落というわけでもない。
なのに、子供だけが欠落している。
(これは……どういうことだ?)
私は木陰からそっと顔を出し、村の通りを観察した。
前よりも念入りに、注意深く村の様子を伺った。
辺りはすでに夕暮れの光は完全に消え、ランプの灯りだけが頼りの世界になっていた。その薄明かりの中で、村人たちは妙に落ち着かない様子で歩いている。
誰もが周囲を気にし、影を避けるように足早に家へ戻り、静かに中へ姿を消す。
まるで“夜になる前に何かから逃げている”ようだった。
(……嫌な空気だな)
私は違和感の正体を確かめる為、村人が帰った家とは別の窓に近づき、中を覗いた。
老夫婦が食卓を囲んでいる。
その隣には空の椅子が二つ。
子供用の小さな椅子もある。
だが、そこに座るべき子供はいない。
他の家でも同じだった。
食器は三つ、四つ並んでいるのに、座っているのは大人だけ。
子供の声も、笑い声も、泣き声すら聞こえない。
(……おかしい。絶対におかしい)
私は村の奥へと足を進めた。
通りの端に、古びた掲示板のようなものが立っている。
近づいてみると、そこには紙が何枚も貼られていた。
だが、どれもが色褪せていて、文字はほとんど読めないかった。
その中に一枚だけ、比較的新しい紙があった。
そこには、かろうじて読める文字でこう書かれていた。
――“夜の外出を禁ずる。特に子供は決して外へ出すな。”
(……子供を外に出すな?)
私は背筋に冷たいものが走るのを感じた。
その時、遠くで扉が閉まる音がした。
村人が最後の一人なのか、慌てたように家へ駆け込んでいく。
村全体が、夜を恐れている。
(子供たちは……どこへ行った?)
私は息を潜め、さらに村の奥へと進んだ。
その先に、崩れかけた小屋が見える。
壁板は剥がれ、屋根は半分落ちている。
人が住んでいる気配はない。
だが――。
(あの子たちの痕跡があるとしたら……こういう場所だ)
私は慎重に、崩れかけた扉へ手を伸ばした。
軋む音が、ただ闇に吸い込まれていく。
扉を押し開けた瞬間、湿った埃の匂いが鼻をついた。
崩れかけた小屋の中は薄暗く、外の夕闇よりもさらに深い影が沈んでいる。
壁板は剥がれ、床には古い木箱や壊れた農具が無造作に積まれていた。
(うわ……絶対に誰も住んでないやつだな)
足元の板がぎしりと鳴る。
その音がやけに大きく響き、思わず息を止めた。
村のどこかで犬が吠え、遠くの家の扉が閉まる音がした。
――夜が近い。
私は慎重に小屋の奥へ進んだ。
埃をかぶった木箱の隙間に、何か布のようなものが見える。
手を伸ばして引き寄せると、それは小さな上着だった。
色褪せ、袖は擦り切れ、ところどころ穴が空いている。
だが、明らかに“子供用”だ。
(……やっぱり、子供はいたんだ)
胸の奥がざわつく。
村のどこにも姿がないのに、ここには確かに痕跡がある。
さらに周囲を探ると、木箱の下から小さな靴が転がり出てきた。
片方だけの、泥のついた靴。
靴底には、何かに引きずられたような跡が残っている。
(……嫌な予感しかしない)
私は靴を手に取り、光の差す方へ向けて角度を変えた。
泥の中に、細い線が混じっている。
まるで縄で縛られたような痕跡。
その瞬間、背筋に冷たいものが走った。
(まさか……攫われたのか?)
村の掲示板に貼られていた紙の文字が脳裏に浮かぶ。
――“夜の外出を禁ずる。特に子供は決して外へ出すな。”
あれは単なる注意書きではない。
“警告”だ。
私は小屋の奥へさらに踏み込んだ。
そこには、壁に立てかけられた木の板が一枚。
何気なく手をかけて動かすと、板の裏側に小さな空間が現れた。
隠し棚のようなその場所には、いくつかの木札が並んでいた。
どれも子供の名前らしき文字が刻まれている。
「……名簿?」
手に取った木札には、短い文字が彫られていた。
――“ミナ 行方不明”
その隣には、
――“ロウ 行方不明”
さらに、
――“サラ 保護”
(保護……?)
私は眉をひそめた。
“保護”と“行方不明”が混在している。
これは村人が子供の所在を記録しているのだ。
だが、半数以上の札には“行方不明”と刻まれていた。
(……攫われてる。間違いない。)
その時、小屋の外で足音がした。
私は反射的に身を低くし、木箱の影に隠れた。
足音は二つ。
大人の男のものだ。
「……今日も一人、いなくなったらしい」
「またか。もう半分以上だぞ。どうするんだよ」
「どうするもこうするも……逆らえば村ごと焼かれる。あいつらは本気だ」
人攫いの……いや。違う。
盗賊の話だ。
「子供を隠しても無駄だ。あいつら、匂いで嗅ぎつけるって噂だぞ」
「だからって……うちの子まで……」
声が震えていた。
私は息を殺し、耳を澄ませた。
「明日の夜、また来るらしい。今度は“まとめて”だとよ」
「……終わりだな」
二人の足音はやがて遠ざかっていった。
私はゆっくりと立ち上がり、木札を握りしめた。
手のひらに汗が滲む。
(子供たちは……盗賊に攫われている。あの少年少女も……)
だが、あの二人は突然消えた。
攫われたのではない。
自分の意思で、境界を越えたように欠き消えた。
(……あの子たちは、まだどこかにいる。絶対に)
なぜだか妙に確信が持てた。
私は小屋を出て、夜の気配が濃くなる村の奥へと歩き出した。
子供たちの痕跡を追うために。
小屋を出ると、村の空気はさらに冷たく沈んでいた。
夜の帳が落ちる前の、あの独特の静けさ。
風が止まり、村全体が息を潜めているように感じる。
どこか、世界そのものが薄く震えているような――そんな感覚。
(……なんか、やばい雰囲気だな)
私は小屋の影に身を寄せ、村の中央へと続く細い路地を覗いた。
人影はほとんどない。
だが、家々の窓から漏れる灯りは、どれも不自然なほど弱々しい。
どれもが弱々しく揺れていた。
まるで炎が“何か”を恐れているように、細く、細く。
不穏な空気に飲まれかけたその時、風が止んだ。
音が消えた。
世界が一瞬だけ、呼吸を忘れたように静まり返る。
そして、二つの影が路地の奥から現れた。
男たちだ。
声を潜め、周囲を警戒しながら歩いている。
(……やっぱり、なんかおかしい)
私は反射的に壁に張り付いた。
身を隠す時間は無かった、心臓が跳ねる。
男たちは私のすぐ横を通り過ぎた。
一瞬、肩が触れそうなほど近かったが、彼らはまったく気づかない。
(……おいおい、俺、透明人間か?)
冗談のつもりだったが、胸の奥がざわついた。
影が薄いとか、そういうレベルじゃない。
まるで――存在そのものが、世界から滑り落ちているような感覚。
だが、そんな事を考えている場合ではなかった。
男たちの会話が耳に飛び込んできたのだ。
近場の木陰に飛び込み聞き耳を立てる。
「……今日も一人、連れていかれたらしい」
「もう無理だ。うちの子まで……」
「逆らえば村ごと焼かれる。あいつらは本気だ」
私は息を呑んだ。
(盗賊に……)
男の声は震えていた。
その震えは、怒りでも悲しみでもなく、もっと深い“恐怖”だった。
理屈では説明できない種類の恐怖。
二人は肩を落とし、絶望交じりの会話を続けながら暗闇へと消えていった。
私はしばらく動けなかった。
胸の奥がざわつき、冷たいものが背中を這い上がる。
(攫われた子供の親が……盗賊に協力させられてるのか?)
村の内部にスパイがいる。
それも、悪意ではなく“脅されて”だ。
私は路地を抜け、村の奥へと足を進めた。
すると、家々の隙間から、かすかな声が聞こえてきた。
「……ごめんね……ごめんね……」
すすり泣く声。
母親だろうか。
扉の向こうで、誰かを抱きしめている気配がする。
(子供を……隠してる……)
私は胸が締めつけられるのを感じた。
村人たちは、必死に子供を守ろうとしている。
だが、それでも半数は攫われた。
そして――。
(あの少年少女は……どこに?)
唐突に少年少女の事を思い浮かべた。
あの二人の姿は、村に入った瞬間に消えた。
攫われたわけではない。
むしろ、村人は彼らの存在に気づいてすらいなかった。
その時、背後で小さな声がした。
「……おじさん」
振り返ると、そこに少年と少女が立っていた。
夕闇の中でも、彼らの輪郭はどこか淡く、光をまとっているように見える。
光というより――星の残光のような、冷たく澄んだ輝き。
「どこ行ってたんだよ……心配したぞ」
声を潜ませたまま声を荒げると、二人はびくりと肩を震わせた。
まるで叱られた子供のように。
「ご、ごめんなさい……」
「でも……でも、私たち……」
少女は言葉を詰まらせ、少年の袖をぎゅっと掴んだ。
「案内するだけのつもりだったんだ……」
「こんなことになるなんて……思わなかったの……」
二人の声は震えていた。
その震えは、村人の恐怖とは違う。
もっと純粋で、幼いものだった。
(……この子たち……何者なんだ?)
問いかけようとした瞬間、空気が変わった。
村の外から、低い太鼓の音が響いた。
ドン……ドン……ドン……
夜の闇を震わせるような、重い音。
だがその響きの奥に、もうひとつ別の音が混じっていた。
言葉ではない。
音でもない。
ただ、胸の奥に直接触れてくるような――“呼び声”。
少年少女が顔を青ざめさせた。
「……来た」
「今夜……村が襲われる」
その声は、まるで自分たちが太鼓の音の意味を“知っている”かのようだった。
これから訪れる未来を“見通している”ようだった。
私は息を呑んだ。
(子供たちが……村が危ない)
太鼓の音が近づいてくる。
音が近づくにつれ、空気までが震え始めた。
村の灯りが一斉に消える。
闇が落ちた瞬間、少年少女の輪郭が一瞬だけ強く光った。
星のように。
宇宙の残響のように。
とても強く光った。
そして……闇が村を飲み込んだ。
太鼓の音が村を震わせるたび、空気が薄くなる。
まるで世界そのものが、何か巨大なものの“息継ぎ”に合わせて揺れているようだった。
ドン……ドン……ドン……
少年少女は私の前で立ち尽くし、怯えたように空を見上げていた。
その瞳の奥に、星の光が揺れている。
いや――星ではない。
もっと遠く、もっと古い、宇宙の残響のような光。
(……なんだ、この感じ)
私は思わず目をこすった。
だが、光は消えない。
むしろ強くなっていく。
「おじさん……」
少女の声は震えていた。
「見ちゃ……だめ……」
「見ちゃだめって……いや、もう見えてるんだけど……」
冗談めかして返したつもりだったが、声がうまく出なかった。
喉が乾いている。
胸の奥がざわつく。
何かが、私の中で“剥がれ落ちていく”。
少年が私の腕を掴んだ。
その手は小さくて、温かいはずなのに――。
(……触れてない?)
少年の手が、私の腕をすり抜けていた。
「……え?」
私は自分の腕を見た。
薄い。
透けている。
向こう側の景色が、ゆらゆらと揺れながら透けて見える。
(おいおい……マジかよ……)
太鼓の音がさらに強く響いた。
ドン……ドン……ドン……!
その瞬間、世界が揺らめき“二重”になった。
村の景色の奥に、もうひとつ別の層が重なって見える。
暗い森。
光のない空。
巨大な影が蠢く世界。
(……なんだこれ……別の……世界?)
私は思わず後ずさった。
だが足が地面に触れた感覚がない。
まるで空気の上に立っているような、不安定な感覚。
少女が叫んだ。
「だめ! おじさん、それ以上見たら――!」
その声が途切れた瞬間、二人の姿が変わった。
輪郭がほどけ、光が溢れ、
少年少女の身体が――星の粒子のように揺らぎ始めた。
「……っ!」
私は息を呑んだ。
目の前にいるのは、もう“子供”ではなかった。
宇宙の残光。
星の欠片。
神の使い。
そんな言葉が頭に浮かぶ。
だが、理解が追いつかない。
「おじさん……ごめん……」
少年の声は震えていた。
「ほんとは……案内するだけのつもりだったんだ……」
「こんなことになるなんて……思わなかったの……」
少女も泣きそうな顔で続ける。
「あなたが……こんなに壊れかけてるなんて……知らなかった……」
(壊れ……? 俺が?)
私は自分の手を見た。
透けている。
揺れている。
まるで煙のように形を保てない。
(……俺……どうなって……)
その時だった。
村の門が破られる音が響いた。
ガンッ!!
ガラガラガラッ!!
悲鳴。
怒号。
火のつく音。
盗賊が村に雪崩れ込んだ。
「おい! 子供を探せ!」
「家を燃やせ! 隠し場所を洗え!」
村人の叫びが夜空に散る。
私は反射的に走り出した。
子供たちを守らなきゃ。
あの泣いていた母親を。
あの木札に名前が刻まれていた子供たちを。
(俺が……止める……!)
盗賊の前に飛び出した。
「やめろ!!」
今まで出した事がないほど、大きく叫んだ。
だが――。
盗賊は私を見ない。
まるでそこに何もないかのように、私の身体をすり抜けて走り抜けた。
(……見えて……ない?)
次の瞬間、村人の一人が斬られた。
血が飛び散る。
悲鳴が上がる。
家屋に火がつき、炎が夜空を照らす。
私は叫んだ。
手を伸ばした。
だが、誰にも届かない。
(なんでだよ……なんで……!)
背後で、少年少女が震える声で言った。
「……おじさん……もう……時間がない……」
太鼓の音が、世界の奥から響き続けていた。
ドン……ドン……ドン……
その音が、私の胸の奥の“何か”を揺らす。
怒り。
悲しみ。
絶望。
そして――闇。
(……俺……)
視界が揺れた。
世界が歪む。
身体が黒い霧のようにほどけていく。
(……俺は……何なんだ……?)
少年少女が泣きそうな声で叫んだ。
「だめ! 落ちないで! まだ……まだ間に合うから……!」
だが、声は遠くなる。
炎の中で、村人の悲鳴が響く。
村が血の海に沈む。
……なんだこれ……なんなんだこれ……
ギャグ&ロマンスはどこ行った?
ハート&チップスぐらいな展開が俺にはお似合いなんだよ!
ってか、今はハート&チップルになってんのな。
いつからだ?昔からか?俺の記憶違いか。。。
検索して 驚れぇたわ!!
なんで……なんで……
なにやってんだよ……
シリアスなんて求めてねぇんだよぉぉーーー!!!
俺の心の叫びを嘲笑うように……
俺は……
私は――漆黒の闇に引きずられていった。
ここまで読んでくれてありがとう!
相変わらずのお久しぶりw
ども。
天音樹です。
年末なのも災いして、だいぶご無沙汰になっちゃいました。
ごめんね、随分と寒くなってきたけどみんな元気?
物語はいよいよ大詰めで〆に近づいて来ちゃったから今回は少し長いです。
書くのに飽きちゃったとかではなく、次の物語構想を考え始めてて、あーーー並列進行は無理だよなぁ、じゃ、こっち終わらせて次書くかぁってキブンになっちゃったのです。
なので、この物語は次でたぶんラスト。正月明けぐらいには書きたいなぁ。
次の物語は、前作のようにある程度書き終えてから順次流す予定です。
ある程度書き溜めるので何か月かかるかわかりませんけど・・・w
それでは・・・
この作品は不定期進行です。
次は何時になるか、予定は未定ですが近日中にw
私の作品はシリーズ化してはいませんが、実は連結している物語なので他作品も含め、少しでも気になっていただけたら幸いです。
それでは・・・今年も残りわずか、来年もどうぞよろしく、
アディオ―――ス、アミーゴ!




