表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/12

第十一話 ギャグ作品にあるまじきシリアス回

日没後の空がまだ薄明るさを残す、ほんのわずかな特別な時間。

昼と夜の境界が地平線に滲み、世界そのものが金色の薄膜に包まれているようだった。一日のうちで最も美しいとされる、しかし同時に最も“正体の曖昧な”時間帯の事をこう呼ぶ。

黄昏時と――。


「誰そ彼……」


そこにいるのは誰ですか。

そんな古い言葉が、思わず口をついて出た。


夕暮れの暗さは、人の顔どころか輪郭すら曖昧にする。

背後に気配を感じ、反射的に振り向いて声をかけたものの、そこには人影すらなかった。

風が草を揺らしただけなのか、それとも――。


家屋の軒先で洗濯物を取り込んでいた村の女性が、こちらを一瞬だけ見た。

その目は、驚きでも怒りでもなく、もっと別の……“確かめるような”色をしていた。

だが次の瞬間には怯えたように視線を逸らし、洗濯籠に衣類を押し込むと、足早に家の中へ消えていった。


(あっぶね……完全に見つかったと思った)


発見される寸前の所で、私は身を隠した。

物干し竿の影に身を寄せ、木の幹に背を預けながら息を潜める。

森を抜けて村に侵入してから、まだ数分しか経っていない。

だが、すでに胸の鼓動は耳の奥で暴れ、汗が背中を伝っていた。


――子供たちが消えたのはなぜだ。

村の手前で、まるで霧に溶けるように。


あの少年と少女。

小川で出会い、道案内をしてくれた二人。

彼らの足跡は確かにあった。声も、息遣いも、笑い声も。

だが村の門が見えた瞬間に、ふっと消えた。

まるで最初から存在しなかったかのように。


(彼等はいた。絶対にいた。でなければな私はここまで来れてない)


だが村に入ってから、子供の姿を一度も見ていない。

洗濯物、焚き火の匂い、鍋の音。

生活の気配はあるのに、子供の気配だけが欠けている。


それが、妙に気味が悪かった。


村の中央を走る道は、夕暮れの光を受けて細く光っている。

その道を歩く村人たちは、どこか落ち着かない足取りで、互いに目を合わせようとしない。

まるで“何かを避けている”ように。


(子供たちは……どこに行った?)


私は木陰からそっと顔を出し、周囲の気配を探った。

村人の姿はない。

だが、風の流れが変わったような気がした。

空気が、さっきよりも重い。


境界が揺らぐような、そんな感覚。


(今のうちに動くしかない)


息を整え、物陰から抜け出した。

村の奥へと続く細い路地へ、音を立てないように足を運ぶ。

黄金色の逆行を背に受けながら、流れるように走った。


消えた子供たちを探すために。


薄明の空は、しだいに輝きを失い、闇に飲まれていく。

森の木々は影を長く伸ばし、まるで村を包囲するように沈黙を深めていた。

村の中を行き交っていた人々も、いつの間にか数を減らし、家々の中へ吸い込まれるように姿を消す。


家屋の中では夕食の準備が始まっているのだろうか。

パンの焼ける香ばしい匂い、煮込んだスープの湯気、釜戸から立ち上る煙。

それらが小さな窓から漏れ出し、村全体をほのかに温めていた。


もっとも、“窓”といっても、私たちの知るガラス窓とは違う。

壁に空いた穴を木の板で塞ぎ、棒で押さえているだけの簡素な造りだ。

ガラスなどと言った文明的な物もない窓穴。

中には、動物の皮らしきものを、風よけ代わりに垂らしただけの家もある。

川で見つけたペットボトルとは違う文明圏だと言うのが、一目でわかる。

蛍光灯などもあるはずもなく、暖炉の火や油ランプが室内を赤く照らし、影を揺らしていた。


(……匂いだけで腹が鳴るな)


木陰に身を潜めながら、腰にぶら下げた手のひら大の果実にかぶりつく。

川辺で拾った残り一つの食料だ。

甘くも酸っぱくもない、ただ“食える”だけの果実。

家から香る料理の匂いをおかずに、もそもそと果実をしょくした。

漫画等で、まつたけや美少女のかほりをおかずに飯を食う奴の気持ちが、少しだけわかったような気がした。


マズくはないが……あたたかい物がいたい。

料理を出せとまでは言わない……だが無性にカップ麺が恋しくなった。

ワビシイ気持ちが、故郷の味を懐かしんでいるのかもしれない。


人間が生きるには衣食住が必要だ。

衣は小屋で拾った服でなんとかなる。

住は……まあ、木の上でも地面でも寝られる。

だが、食だけはどうにもならない。

成人男性は一日に約2600kcalが必要だ。

子供でも2000kcalは――。


(……あれ?)


活動カロリーの計算をしている最中、ふと違和感が頭をかすめた。


私は村へ案内してくれた少年と少女を探している。

彼らの失踪理由を知るために、村の中を見回っていたのだが――。


(……子供がいない?)


追っていた二人だけではない。

村の中、全体で子供の姿を見かけなかった。


目視した家屋の数、村人の人数から推測して、この集落には200〜300人は住んでいるはずだ。

当然、子供がいてもおかしくない。

若い男女も見かけた。

老人ばかりの限界集落というわけでもない。


なのに、子供だけが欠落している。


(これは……どういうことだ?)


私は木陰からそっと顔を出し、村の通りを観察した。

前よりも念入りに、注意深く村の様子を伺った。

辺りはすでに夕暮れの光は完全に消え、ランプの灯りだけが頼りの世界になっていた。その薄明かりの中で、村人たちは妙に落ち着かない様子で歩いている。

誰もが周囲を気にし、影を避けるように足早に家へ戻り、静かに中へ姿を消す。


まるで“夜になる前に何かから逃げている”ようだった。


(……嫌な空気だな)


私は違和感の正体を確かめる為、村人が帰った家とは別の窓に近づき、中を覗いた。

老夫婦が食卓を囲んでいる。

その隣には空の椅子が二つ。

子供用の小さな椅子もある。


だが、そこに座るべき子供はいない。


他の家でも同じだった。

食器は三つ、四つ並んでいるのに、座っているのは大人だけ。

子供の声も、笑い声も、泣き声すら聞こえない。


(……おかしい。絶対におかしい)


私は村の奥へと足を進めた。

通りの端に、古びた掲示板のようなものが立っている。

近づいてみると、そこには紙が何枚も貼られていた。

だが、どれもが色褪せていて、文字はほとんど読めないかった。


その中に一枚だけ、比較的新しい紙があった。

そこには、かろうじて読める文字でこう書かれていた。


――“夜の外出を禁ずる。特に子供は決して外へ出すな。”


(……子供を外に出すな?)


私は背筋に冷たいものが走るのを感じた。


その時、遠くで扉が閉まる音がした。

村人が最後の一人なのか、慌てたように家へ駆け込んでいく。

村全体が、夜を恐れている。


(子供たちは……どこへ行った?)


私は息を潜め、さらに村の奥へと進んだ。

その先に、崩れかけた小屋が見える。

壁板は剥がれ、屋根は半分落ちている。

人が住んでいる気配はない。


だが――。


(あの子たちの痕跡があるとしたら……こういう場所だ)


私は慎重に、崩れかけた扉へ手を伸ばした。


軋む音が、ただ闇に吸い込まれていく。


扉を押し開けた瞬間、湿った埃の匂いが鼻をついた。

崩れかけた小屋の中は薄暗く、外の夕闇よりもさらに深い影が沈んでいる。

壁板は剥がれ、床には古い木箱や壊れた農具が無造作に積まれていた。


(うわ……絶対に誰も住んでないやつだな)


足元の板がぎしりと鳴る。

その音がやけに大きく響き、思わず息を止めた。

村のどこかで犬が吠え、遠くの家の扉が閉まる音がした。


――夜が近い。


私は慎重に小屋の奥へ進んだ。

埃をかぶった木箱の隙間に、何か布のようなものが見える。

手を伸ばして引き寄せると、それは小さな上着だった。


色褪せ、袖は擦り切れ、ところどころ穴が空いている。

だが、明らかに“子供用”だ。


(……やっぱり、子供はいたんだ)


胸の奥がざわつく。

村のどこにも姿がないのに、ここには確かに痕跡がある。


さらに周囲を探ると、木箱の下から小さな靴が転がり出てきた。

片方だけの、泥のついた靴。

靴底には、何かに引きずられたような跡が残っている。


(……嫌な予感しかしない)


私は靴を手に取り、光の差す方へ向けて角度を変えた。

泥の中に、細い線が混じっている。

まるで縄で縛られたような痕跡。


その瞬間、背筋に冷たいものが走った。


(まさか……攫われたのか?)


村の掲示板に貼られていた紙の文字が脳裏に浮かぶ。


――“夜の外出を禁ずる。特に子供は決して外へ出すな。”


あれは単なる注意書きではない。

“警告”だ。


私は小屋の奥へさらに踏み込んだ。

そこには、壁に立てかけられた木の板が一枚。

何気なく手をかけて動かすと、板の裏側に小さな空間が現れた。


隠し棚のようなその場所には、いくつかの木札が並んでいた。

どれも子供の名前らしき文字が刻まれている。


「……名簿?」


手に取った木札には、短い文字が彫られていた。


――“ミナ 行方不明”


その隣には、


――“ロウ 行方不明”


さらに、


――“サラ 保護”


(保護……?)


私は眉をひそめた。

“保護”と“行方不明”が混在している。

これは村人が子供の所在を記録しているのだ。


だが、半数以上の札には“行方不明”と刻まれていた。


(……攫われてる。間違いない。)


その時、小屋の外で足音がした。

私は反射的に身を低くし、木箱の影に隠れた。


足音は二つ。

大人の男のものだ。


「……今日も一人、いなくなったらしい」

「またか。もう半分以上だぞ。どうするんだよ」

「どうするもこうするも……逆らえば村ごと焼かれる。あいつらは本気だ」


人攫いの……いや。違う。

盗賊の話だ。


「子供を隠しても無駄だ。あいつら、匂いで嗅ぎつけるって噂だぞ」

「だからって……うちの子まで……」


声が震えていた。


私は息を殺し、耳を澄ませた。


「明日の夜、また来るらしい。今度は“まとめて”だとよ」

「……終わりだな」


二人の足音はやがて遠ざかっていった。


私はゆっくりと立ち上がり、木札を握りしめた。

手のひらに汗が滲む。


(子供たちは……盗賊に攫われている。あの少年少女も……)


だが、あの二人は突然消えた。

攫われたのではない。

自分の意思で、境界を越えたように欠き消えた。


(……あの子たちは、まだどこかにいる。絶対に)


なぜだか妙に確信が持てた。

私は小屋を出て、夜の気配が濃くなる村の奥へと歩き出した。

子供たちの痕跡を追うために。


小屋を出ると、村の空気はさらに冷たく沈んでいた。

夜の帳が落ちる前の、あの独特の静けさ。

風が止まり、村全体が息を潜めているように感じる。

どこか、世界そのものが薄く震えているような――そんな感覚。


(……なんか、やばい雰囲気だな)


私は小屋の影に身を寄せ、村の中央へと続く細い路地を覗いた。

人影はほとんどない。

だが、家々の窓から漏れる灯りは、どれも不自然なほど弱々しい。

どれもが弱々しく揺れていた。

まるで炎が“何か”を恐れているように、細く、細く。


不穏な空気に飲まれかけたその時、風が止んだ。

音が消えた。

世界が一瞬だけ、呼吸を忘れたように静まり返る。


そして、二つの影が路地の奥から現れた。

男たちだ。

声を潜め、周囲を警戒しながら歩いている。


(……やっぱり、なんかおかしい)


私は反射的に壁に張り付いた。

身を隠す時間は無かった、心臓が跳ねる。


男たちは私のすぐ横を通り過ぎた。

一瞬、肩が触れそうなほど近かったが、彼らはまったく気づかない。


(……おいおい、俺、透明人間か?)


冗談のつもりだったが、胸の奥がざわついた。

影が薄いとか、そういうレベルじゃない。

まるで――存在そのものが、世界から滑り落ちているような感覚。


だが、そんな事を考えている場合ではなかった。

男たちの会話が耳に飛び込んできたのだ。

近場の木陰に飛び込み聞き耳を立てる。


「……今日も一人、連れていかれたらしい」

「もう無理だ。うちの子まで……」

「逆らえば村ごと焼かれる。あいつらは本気だ」


私は息を呑んだ。


(盗賊に……)


男の声は震えていた。

その震えは、怒りでも悲しみでもなく、もっと深い“恐怖”だった。

理屈では説明できない種類の恐怖。


二人は肩を落とし、絶望交じりの会話を続けながら暗闇へと消えていった。


私はしばらく動けなかった。

胸の奥がざわつき、冷たいものが背中を這い上がる。


(攫われた子供の親が……盗賊に協力させられてるのか?)


村の内部にスパイがいる。

それも、悪意ではなく“脅されて”だ。


私は路地を抜け、村の奥へと足を進めた。

すると、家々の隙間から、かすかな声が聞こえてきた。


「……ごめんね……ごめんね……」


すすり泣く声。

母親だろうか。

扉の向こうで、誰かを抱きしめている気配がする。


(子供を……隠してる……)


私は胸が締めつけられるのを感じた。

村人たちは、必死に子供を守ろうとしている。

だが、それでも半数は攫われた。


そして――。


(あの少年少女は……どこに?)


唐突に少年少女の事を思い浮かべた。


あの二人の姿は、村に入った瞬間に消えた。

攫われたわけではない。

むしろ、村人は彼らの存在に気づいてすらいなかった。


その時、背後で小さな声がした。


「……おじさん」


振り返ると、そこに少年と少女が立っていた。

夕闇の中でも、彼らの輪郭はどこか淡く、光をまとっているように見える。

光というより――星の残光のような、冷たく澄んだ輝き。


「どこ行ってたんだよ……心配したぞ」


声を潜ませたまま声を荒げると、二人はびくりと肩を震わせた。

まるで叱られた子供のように。


「ご、ごめんなさい……」

「でも……でも、私たち……」


少女は言葉を詰まらせ、少年の袖をぎゅっと掴んだ。


「案内するだけのつもりだったんだ……」

「こんなことになるなんて……思わなかったの……」


二人の声は震えていた。

その震えは、村人の恐怖とは違う。

もっと純粋で、幼いものだった。


(……この子たち……何者なんだ?)


問いかけようとした瞬間、空気が変わった。

村の外から、低い太鼓の音が響いた。


ドン……ドン……ドン……


夜の闇を震わせるような、重い音。

だがその響きの奥に、もうひとつ別の音が混じっていた。


言葉ではない。

音でもない。

ただ、胸の奥に直接触れてくるような――“呼び声”。


少年少女が顔を青ざめさせた。


「……来た」

「今夜……村が襲われる」


その声は、まるで自分たちが太鼓の音の意味を“知っている”かのようだった。

これから訪れる未来を“見通している”ようだった。


私は息を呑んだ。


(子供たちが……村が危ない)


太鼓の音が近づいてくる。

音が近づくにつれ、空気までが震え始めた。

村の灯りが一斉に消える。


闇が落ちた瞬間、少年少女の輪郭が一瞬だけ強く光った。

星のように。

宇宙の残響のように。

とても強く光った。


そして……闇が村を飲み込んだ。


太鼓の音が村を震わせるたび、空気が薄くなる。

まるで世界そのものが、何か巨大なものの“息継ぎ”に合わせて揺れているようだった。


ドン……ドン……ドン……


少年少女は私の前で立ち尽くし、怯えたように空を見上げていた。

その瞳の奥に、星の光が揺れている。

いや――星ではない。

もっと遠く、もっと古い、宇宙の残響のような光。


(……なんだ、この感じ)


私は思わず目をこすった。

だが、光は消えない。

むしろ強くなっていく。


「おじさん……」

少女の声は震えていた。

「見ちゃ……だめ……」


「見ちゃだめって……いや、もう見えてるんだけど……」


冗談めかして返したつもりだったが、声がうまく出なかった。

喉が乾いている。

胸の奥がざわつく。

何かが、私の中で“剥がれ落ちていく”。


少年が私の腕を掴んだ。

その手は小さくて、温かいはずなのに――。


(……触れてない?)


少年の手が、私の腕をすり抜けていた。


「……え?」


私は自分の腕を見た。

薄い。

透けている。

向こう側の景色が、ゆらゆらと揺れながら透けて見える。


(おいおい……マジかよ……)


太鼓の音がさらに強く響いた。


ドン……ドン……ドン……!


その瞬間、世界が揺らめき“二重”になった。


村の景色の奥に、もうひとつ別の層が重なって見える。

暗い森。

光のない空。

巨大な影が蠢く世界。


(……なんだこれ……別の……世界?)


私は思わず後ずさった。

だが足が地面に触れた感覚がない。

まるで空気の上に立っているような、不安定な感覚。


少女が叫んだ。


「だめ! おじさん、それ以上見たら――!」


その声が途切れた瞬間、二人の姿が変わった。


輪郭がほどけ、光が溢れ、

少年少女の身体が――星の粒子のように揺らぎ始めた。


「……っ!」


私は息を呑んだ。

目の前にいるのは、もう“子供”ではなかった。


宇宙の残光。

星の欠片。

神の使い。


そんな言葉が頭に浮かぶ。


だが、理解が追いつかない。


「おじさん……ごめん……」

少年の声は震えていた。

「ほんとは……案内するだけのつもりだったんだ……」

「こんなことになるなんて……思わなかったの……」


少女も泣きそうな顔で続ける。

「あなたが……こんなに壊れかけてるなんて……知らなかった……」


(壊れ……? 俺が?)


私は自分の手を見た。

透けている。

揺れている。

まるで煙のように形を保てない。


(……俺……どうなって……)


その時だった。


村の門が破られる音が響いた。


ガンッ!!

ガラガラガラッ!!


悲鳴。

怒号。

火のつく音。


盗賊が村に雪崩れ込んだ。


「おい! 子供を探せ!」

「家を燃やせ! 隠し場所を洗え!」


村人の叫びが夜空に散る。


私は反射的に走り出した。

子供たちを守らなきゃ。

あの泣いていた母親を。

あの木札に名前が刻まれていた子供たちを。


(俺が……止める……!)


盗賊の前に飛び出した。


「やめろ!!」


今まで出した事がないほど、大きく叫んだ。

だが――。


盗賊は私を見ない。

まるでそこに何もないかのように、私の身体をすり抜けて走り抜けた。


(……見えて……ない?)


次の瞬間、村人の一人が斬られた。

血が飛び散る。

悲鳴が上がる。


家屋に火がつき、炎が夜空を照らす。


私は叫んだ。

手を伸ばした。

だが、誰にも届かない。


(なんでだよ……なんで……!)


背後で、少年少女が震える声で言った。


「……おじさん……もう……時間がない……」


太鼓の音が、世界の奥から響き続けていた。


ドン……ドン……ドン……


その音が、私の胸の奥の“何か”を揺らす。


怒り。

悲しみ。

絶望。

そして――闇。


(……俺……)


視界が揺れた。

世界が歪む。

身体が黒い霧のようにほどけていく。


(……俺は……何なんだ……?)


少年少女が泣きそうな声で叫んだ。


「だめ! 落ちないで! まだ……まだ間に合うから……!」


だが、声は遠くなる。

炎の中で、村人の悲鳴が響く。

村が血の海に沈む。


……なんだこれ……なんなんだこれ……

ギャグ&ロマンスはどこ行った?

ハート&チップスぐらいな展開が俺にはお似合いなんだよ!

ってか、今はハート&チップルになってんのな。

いつからだ?昔からか?俺の記憶違いか。。。

検索して おどれぇたわ!!


なんで……なんで……

なにやってんだよ……

シリアスなんて求めてねぇんだよぉぉーーー!!!


俺の心の叫びを嘲笑うように……

俺は……

私は――漆黒の闇に引きずられていった。


ここまで読んでくれてありがとう!

相変わらずのお久しぶりw

ども。

天音樹です。


年末なのも災いして、だいぶご無沙汰になっちゃいました。

ごめんね、随分と寒くなってきたけどみんな元気?


物語はいよいよ大詰めで〆に近づいて来ちゃったから今回は少し長いです。

書くのに飽きちゃったとかではなく、次の物語構想を考え始めてて、あーーー並列進行は無理だよなぁ、じゃ、こっち終わらせて次書くかぁってキブンになっちゃったのです。


なので、この物語は次でたぶんラスト。正月明けぐらいには書きたいなぁ。

次の物語は、前作のようにある程度書き終えてから順次流す予定です。

ある程度書き溜めるので何か月かかるかわかりませんけど・・・w


それでは・・・

この作品は不定期進行です。

次は何時になるか、予定は未定ですが近日中にw


私の作品はシリーズ化してはいませんが、実は連結している物語なので他作品も含め、少しでも気になっていただけたら幸いです。


それでは・・・今年も残りわずか、来年もどうぞよろしく、

アディオ―――ス、アミーゴ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ