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宿屋で腰をおろす。やっとたどり着いた。
聞いていたとおり検問があるわけでもなく、だれにでも開かれた街だ。これが北部になれば厳しく入退場を管理されるようになるらしい。そもそも入ることすらできないとか。
私は、いや僕は十三歳の少年ということで通すことにした。冒険者のガイド役兼索敵役として冒険者に雇用してもらうつもりだ。
昨日今日と街の酒場や屋台などを回り情報収集してみたが僕の手配書などは全く出ておらず、師匠の安否についても不明だ。ただ一つだけ魔女が出たとの話をしている一行がいた。おそらく外国からの冒険者だ。あまりいけ好かない顔をした男がリーダーで女が二人の三人パーティのようだった。あの装備だと森にも浅層にしか潜らないだろう。明日ギルドで声をかけてみようと考えている。
「師匠・・・・・・」
ベッドに横になる。
きっと師匠なら街に行けるなんていーなーだとか言い出すんだろうな。土産にベーコンとチーズ、そして酒でも買って帰ったらきっと飛び上がって喜ぶはずだ。
まぶしく感じたので手で目を覆う。
まだ教わっていないことばかりだ。これから夏に向けて薬草採集をして、干して、薬を作って、それから山で呑気に水浴びをして、昨年と同じように鮮やかな日常を送れると思っていた。何故だ。何故魔女だとバレた。どこから?
師匠なら逃げおおせてるはずだ。もしもの場合のことは何度も話し合った。私は一度出国しなければならない。外国の身分証を手に入れて、そして、生き延びる。そのための荷物だ。
師匠なら大丈夫のはずだ。マケルスもいる。
この世で一番うまいとされる酒を手に入れて手土産にしよう。
僕の方向性は決まった。再確認した。涙は流さない。
師匠に再会できるまで、僕は冒険者になる。




