第44章
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息を。止めて。・・・・
心臓は、もぅさっきから。
異常なくらい。大きく、早くばっくんばっくん鳴り続けて・・・いる。・・・・
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このままじゃ。
死ぬな、ほんとにさこのままじゃ・・・生きるか、死ぬか・・・・・
「たけし・・・・」
「なぎ。」
もぅ何も頭じゃ考えられない・・・・
おれもただ、そう返事を返して。
おまえの。名前を呼んで。
おれが好きな。・・・大好きな、おまえのその名前。
なぎさ。・・・
懐かしい。優しい、あの海みたいな。
「・・・。」
心臓のとこに。
またぎゅぅっとおまえを、抱き寄せる。
・・・わかる。?・・・・おれ。・・・・
おまえが。
こんなに、こんなに好きで。大好きで、大好きで。
仕方、ないよ。・・・・
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はぁ。・・・・・ひとつ。大きく息をついて。思い切って。
おまえの顔を、覗き見た。
おまえが・・・どんな顔してるのか・・・・
見たくて、・・・・
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「・・・・。」
その。とろんと美味しそうな、はちみつみたいに、潤んだ瞳は、反則技だ。
我慢できなくて。また。顔に、顔を近づける。
目をそっと、・・・優しく閉じる。・・・なぎの、
まぶたに唇を、押しあてた。
「・・・たけし、」
「ぁ、ごめんおれ、調子乗りすぎだな。」
・・・ううん、となぎが首を、横に、振る。
ふたり、見つめ合って。それは。一瞬のようでも。長い、時間のようでも。あって・・・・
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「・・・。」
・
「・・・なぎ・・・・・」
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「・・・おれもう、だめだ・・・・・」
「・・・何が?」
「・・・。」
「・・・なにが・・・?たけし。・・?」
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おまえが、おれの腕の中でおれを・・・
じっと見つめて、見上げる。
・・・あぁ、・・・・・・
・
「・・・ごめん。」
「・・・。」
・
・
「たけし、」
「帰ろ、」
・
・・・もうおれ、ほんとだめだ。・・・・
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腰が抜けそうで、
・
って言うか多分もう、抜けてて。
すぐには、立てない。・・・色々と。
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だめだ・・・・・
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情けねぇな。・・・そぅ小さく言って、おまえを見て、笑ったら、
ちゅっ。
・
・・・。なぎが。
急に、おれのほっぺにキスをした。
・
・・・何だよ。
・
ちゅ。
・
おれも、おまえの頬に、キスをし返して。
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ぁはは、また、・・・・
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おまえが、声を出して、笑いながら、
・
・・・ちゅっ、
「・・・・・。」
おれの頬に、なぎが、可愛くキスをする。
それでもって次には優しく、
「たけし。・・・」
微笑みながら天使のようにおれを呼ぶ。おまえはどうして。
そんなに、そんなに。・・・・・
おれはまた、その柔らかい、身体に腕を伸ばして、勝手にきつく抱き寄せた。
「おまえこのあとおれに唇にキスされたくなかったら、」
「ふふふ、」
「もう今すぐキスすんのやめて。」
ふざけて、逃げようとするなぎを、後ろから捕まえて、ぎゅぅぎゅぅ抱き締めながら、なぎの耳んとこで、そう言った。
自分でももぅ何言ってんのか、
全く意味が分からない。
「あははは、」
「・・・・。」くすぐったそうに首をすくめて。声をあげて、大きな口を開けて笑う。そんな、おまえ。・・・初めて、見た。
「・・・もぅ。帰りたい、おれ。」・・・もぅ。無理。
無理・・・・・
渚の顔が、近付く。
すぐに。顔を引いて、
「よせよ、おれまじでキスしちゃうよ?」
・
今度は、きっと、
唇に。
絶対。
・
「いいよ・・・?」
「おれが。ダメなんだよ。」
・
なに。言ってんだよおまえ・・・・
「もう、帰ろなぎ、」
「・・・・。」
「帰ろ。」
「じゃぁ、これから。・・・僕の。うちに来ませんか。・・・・?」
「・・・・・。」
・・・は・・・?
・
「じゃぁっておまえ、おれの話聞いてる?」
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