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「A」  作者: みんと*
44/64

第44章



息を。止めて。・・・・



心臓は、もぅさっきから。



異常なくらい。大きく、早くばっくんばっくん鳴り続けて・・・いる。・・・・





このままじゃ。



死ぬな、ほんとにさこのままじゃ・・・生きるか、死ぬか・・・・・



「たけし・・・・」



「なぎ。」



もぅ何も頭じゃ考えられない・・・・



おれもただ、そう返事を返して。



おまえの。名前を呼んで。



おれが好きな。・・・大好きな、おまえのその名前。



なぎさ。・・・



懐かしい。優しい、あの海みたいな。



「・・・。」



心臓のとこに。



またぎゅぅっとおまえを、抱き寄せる。



・・・わかる。?・・・・おれ。・・・・



おまえが。



こんなに、こんなに好きで。大好きで、大好きで。



仕方、ないよ。・・・・





はぁ。・・・・・ひとつ。大きく息をついて。思い切って。



おまえの顔を、覗き見た。



おまえが・・・どんな顔してるのか・・・・



見たくて、・・・・





「・・・・。」



その。とろんと美味しそうな、はちみつみたいに、潤んだ瞳は、反則技だ。



我慢できなくて。また。顔に、顔を近づける。



目をそっと、・・・優しく閉じる。・・・なぎの、



まぶたに唇を、押しあてた。



「・・・たけし、」



「ぁ、ごめんおれ、調子乗りすぎだな。」



・・・ううん、となぎが首を、横に、振る。



ふたり、見つめ合って。それは。一瞬のようでも。長い、時間のようでも。あって・・・・





「・・・。」





「・・・なぎ・・・・・」





「・・・おれもう、だめだ・・・・・」



「・・・何が?」



「・・・。」



「・・・なにが・・・?たけし。・・?」





おまえが、おれの腕の中でおれを・・・



じっと見つめて、見上げる。



・・・あぁ、・・・・・・





「・・・ごめん。」



「・・・。」







「たけし、」



「帰ろ、」





・・・もうおれ、ほんとだめだ。・・・・





腰が抜けそうで、





って言うか多分もう、抜けてて。



すぐには、立てない。・・・色々と。





だめだ・・・・・





情けねぇな。・・・そぅ小さく言って、おまえを見て、笑ったら、



ちゅっ。





・・・。なぎが。



急に、おれのほっぺにキスをした。





・・・何だよ。





ちゅ。





おれも、おまえの頬に、キスをし返して。





ぁはは、また、・・・・





おまえが、声を出して、笑いながら、





・・・ちゅっ、



「・・・・・。」



おれの頬に、なぎが、可愛くキスをする。



それでもって次には優しく、



「たけし。・・・」



微笑みながら天使のようにおれを呼ぶ。おまえはどうして。



そんなに、そんなに。・・・・・



おれはまた、その柔らかい、身体に腕を伸ばして、勝手にきつく抱き寄せた。



「おまえこのあとおれに唇にキスされたくなかったら、」



「ふふふ、」



「もう今すぐキスすんのやめて。」



ふざけて、逃げようとするなぎを、後ろから捕まえて、ぎゅぅぎゅぅ抱き締めながら、なぎの耳んとこで、そう言った。



自分でももぅ何言ってんのか、



全く意味が分からない。



「あははは、」



「・・・・。」くすぐったそうに首をすくめて。声をあげて、大きな口を開けて笑う。そんな、おまえ。・・・初めて、見た。



「・・・もぅ。帰りたい、おれ。」・・・もぅ。無理。




無理・・・・・



渚の顔が、近付く。



すぐに。顔を引いて、



「よせよ、おれまじでキスしちゃうよ?」





今度は、きっと、



唇に。



絶対。





「いいよ・・・?」



「おれが。ダメなんだよ。」





なに。言ってんだよおまえ・・・・



「もう、帰ろなぎ、」



「・・・・。」



「帰ろ。」



「じゃぁ、これから。・・・僕の。うちに来ませんか。・・・・?」



「・・・・・。」



・・・は・・・?





「じゃぁっておまえ、おれの話聞いてる?」






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