第43章
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「・・・ネコ?」
「え?」
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「それネコ?・・タヌキ?」
・・・。なぎが。
おれの、砂の上に描いた、絵を見て言う。
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「ドラえもんじゃん。」
「・・・。?」
「ぇ?おまえドラえもん知らねーの?」
・・・そんなヤツ。・・・いんの・・・・?
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なぎが。
不思議そうな顔でそれを見る。
・
・・・かなり。
忠実に描いたつもりだけど。・・・
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とんと。
!!
・
おまえがおれの肩に、頭を乗せる。
「可愛い、ネコだね。・・・・」
「・・・・。」
・
「だから。」
「ネコじゃねぇって・・・・」
・・・ドラえもんだって・・・・・
・・・。ぁれ・・・ぁぃつネコ、・・・だったっけか・・・・
条件反射みたいに。
そっと、なぎの肩を、抱き寄せた。
・
不思議と。
波の音はもう聞こえない、それ以上に。
耳に響くのは。
自分の心臓の・・・音だけ。・・・・
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ぁぁ、
おれいま、
生きてんだなって、
自然とそう・・・思った。
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・
・
そのままおまえが。
上を向くから。
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・・・・。
・
・
もぅ・・・・・
唇が。おまえの・・・・
唇が、おれの。
唇のすぐ。
近くで。
・
・
そっと。
顔を・・・近付けて、また、唇の横に、キスをした。
・
だってさ、
それが自然だったから。
そう、それを言い訳にして。また・・・そうやって自然と・・・もう一度、頬にキスした。
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・
ちゅっ。
今度は、音が出る・・・くらいに。
・・・。
・
またおれは・・・このままだと。どうにも止まんなく、なりそうで。
足元にはドラえもん。
・
・
こんな時ナゼか、
そぅでも・・・思ってねぇと、だってさ、・・・そうでもしてないと。・・・・
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・
「たけし、・・・・」
・
・・・。!!
・
・
おまえが、今まで。聞いた事もないような。
優しい、
可愛い、甘ったるい声でそう・・・・
おれを呼ぶ。
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・
呼ぶって言うか、・・・はぁ、
それだけで。
思わず息と、心拍数が急に上がる。
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・
まるで・・・その先を・・・お願いって、誘いを、かけられて、いるようで、
おまえの。
身体をぐっと引き寄せて。
また。顔を傾けて、キスをした。
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髪を撫でて。まずおでこに。・・・
・・・ちゅっ、
・
・
また頬に。
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音を立てて。
「ん、」
・
・・・。
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「ん。・・・たけし。・・・」
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・
だって、キスするたびに、
おまえだって、目を閉じて、おまえだって・・・そぅ・・・応えて、声を出すから。
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おれはすぐに。
夢中になっちゃって、
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もう、向き直って、おまえの顔を両手で挟んで。
・
わかる。
・・・。
自分が。今どんな顔してるか。
わかる。・・・・・
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ちゅ、・・・・ちゅっ。
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そんな、マジな顔したら、ダメだろ、
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何度も。なぎのその頬に、
愛し気に、頬をすり寄せて・・・何度も。何度もキスをした。
・
・・・だめだろ。
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そんなの・・・。
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もぅ・・・よせって。
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「・・・はぁ、」
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そんな、風に必死に自分自身を、たしなめる、自分と、
色っぽいなぎの・・・吐息と、闘いながら。
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・
・・・もぅ、だめだ。
おれは、これ以上は。・・・・・
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今にも、唇に、唇が触れそうになるのを、
触れたくて、たまんないのを、必死で我慢して、それだけは。・・・
阻止して。自然と、
息を止めていて。おれ、・・・・
死んじゃうよこのままじゃ、これ以上したら。
唇に、・・・なんてキスしたら。
言い訳、できなくなる。
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もう誰の。
誰に対する、何の言い訳かも。
全く、わからなかったけれど・・・・
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そう思うのと同時に。
なぎが、
おれの胸の中に、
飛び込むみたいにぎゅっと、
身を寄せた。
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思わずその身体を受け止めて。
思い切り。
ぎゅっと、・・・・ぎゅぅっと、腕の中で、なぎの身体を、抱きしめる。
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