第42章
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・・・び・・・・、っくりした。・・・・・・
「座ろ?」
可愛く。なぎにそぅ言われて。
「・・・・・。」
そのまま砂浜に、腰を降ろした。
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・・・遠くまで、目線を投げて、眺める。・・・
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波の・・・色は白だ。
空と、海の境界線だけは・・・同じくらい、青くて・・・・
ざぁ・・・・、・・・ざぁ、・・・・・・
引いては、寄せる、少しだけ・・・思うより、不規則な、間隔をあけた、まるで。子守歌みたいな。
・・・。
心地いい、波の・・・・揺らぎの、音がする。
あれは、風波。
風が・・・作る波だ、
おれ達は、風の強さを数字で言う。
今は、その強さは単位で言ったら1.5か、・・・2くらいは、あるか。
それと、波浪が重なって。ぶつかり合った途端、白い、波が砕け、泡になって。すぐに、
砂浜に、さぁっと広がって、消えて、ゆく。・・・・沖の方はきっと、ほとんど、
波はないだろう。
穏やかな、・・・・
優しくって、控えめな、波。・・・まるで誰かさんみたいな・・・・な、ふふ。
こんな・・・波もいいな、いつまででも。
いつまでも、いつまでも・・・・聞いて、いたくなるな、
いつまでも・・・・この・・・音。・・・・・
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目を閉じて。
腕に頭を乗せて、おまえの・・・方を向いたら。
おまえが。・・・
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・・・。
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おまえの。おれを見る、気配で目をあける。
・・・おまえが。思ったより、近くで。おれの顔を、
じっと、見つめていた。
身体をぴったりと、くっつけて。
・・・。
もう。全てそのままにして、・・・言う。
「・・・。なに?」
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・・・。ふと、おまえが目じりを下げて微笑む。
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「・・・・。」
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「たけし、」
「ん・・・?」
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おまえって、ほんとに。
綺麗な顔してんな・・・・・・・
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「・・・たけし、って・・・絵・・描くの上手いんだよね。」
「・・・?」問いかけなのか、
何なのか、分かんないような言い方で、
そう、おれに言う。
「・・・上手くねぇよ。」
おまえを見たまま。答える。
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ずっとこのまま、見て、いたくて。・・・・
「うそ。」なぎが言う。
「・・・でも、」そう言って、ゆっくりと、頭を上げて、
やっと、視線を外す。
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「・・・。」
「でもずっと習ってた。」
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「習いに行ってた、」
今思えば。・・・
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「別に、何の役にも立たないのにさ、」
「・・・。」
「隣町まで。習いに行ってたな、すげぇ楽しかったな、」
急に。思い出して・・・・
「ふふ。」
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「・・・。行かせて、もらってた。」
そんな事も。
してもらってたな・・・・
おれ、ずっと・・・・
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そう言って。砂浜に。
指の先で、〇を書いた。
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「・・・。」
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〇の中に・・・また、小さい〇を書いて。
それを、・・・二つ書いて。
・・・没頭できる事が、何より、楽しかった。
また・・・小さい〇と、その下に、棒と三日月も書いた。
なぎが言う。
「絵も・・・上手いし、走るのも凄く・・・早いし、運転も、とっても上手なんだよね。」
「・・・・・。」
「車も、船も。」
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・
「・・・ぇ?」
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僕の。・・・・たけし。・・・・
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