第11章
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「そんでさ。」
「うんうん。」
「セックスの話してたらさ。・・・おれ、・・気絶しちゃったの。」
「わははははは、」
「おまえ、笑い過ぎだろ。」毅に向かって、そう言う。
まぁ実際。笑っちゃうような。
話によると笑えないような。・・・話、らしぃんだけど、さ。
「いっちゃったんだ。」ちゅぅちゅぅ。
パックのヨーグルトを、吸いながら。毅が言う。
「そぅ、いっちゃった。」
「ぶ、っはははははは、」
おれは。苦笑いして。
「ひとりで先にイッちゃったよ。」毅が。ひぃひぃ言いながら、腹を抱えて笑う。
「おめぇ、すげぇ元気じゃん!!」
「あ~~・・・死にそう。・・・・・」
「シャレになんねーーー!!」
おれ達は。ベッドの上に座って。そんな下らない事言いあって、笑い合った。
すげぇ、腹の底から笑って。
笑う事って、凄ぇな。なんか、長生きできそぅな、気がするよな。
そんな事言って。また、笑った。
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「・・・。」
「ナギ?どうした?」
「・・・・。」
ナギが幸田武士君の。病室の入口に立って。
その、入口に寄りかかって。笑う、二人を見ている。
「あのふたり。」
「・・・。」
「意気投合、し過ぎだよね。」
ナギの肩に手を置いて、そう言うと。
「僕は。」
「・・・。?」
「・・・ほんとに、どうしようもないな。」
そんな事言って。くるっとナギが踵を返した。
廊下を歩く人たちの間を縫って、ふたりで進む。
「どうしようもないって、」
「・・・。」
「何が?」
「今の、状況は喜ぶべき、はずのところなのに。」
「・・・。そう思えない?」翼が言う。
「・・・。」
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「ブレブレに。ブレまくってる。」
「ふふふ。いいんじゃない?そーゆーのも。」
「そう?」
「そう。いいよ、人間らしくて。」翼がそんな事言ったから。
「あはは。」僕は声に出して、笑った。
・・・。人間らしい、か。・・・・・
「人間って、面倒だよね。」
「ほんとだね。感情が、あるからね。でも。」
「・・・。」
「忘れちゃ、いけないよ。人間らしい感情も大事だけど。僕たちの。存在意義を。」
「・・・わかってる。」
「なら、」
「・・・。」
「いいけど。」
「うん。」
「・・・最近ナギ、家、帰ってる?」
「ううん、全然。」
「だからだよ。話、聞いてもらいなよ。」
「うん・・・」
・・・うん。・・・でも。何と、なくさ。
「悪いような、気がしちゃって。」
「幸田くんに?」
「・・・そう。・・・・」・・・だって。・・・・
「武士君に、さ。」
「うんうん。」
「死ぬより辛い事って、ある?って。聞いたの。」
「・・・。そしたら?」
「生きること。」
「・・・・。」
「・・・だって、・・・さ。」
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