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「A」  作者: みんと*
11/64

第11章



「そんでさ。」


「うんうん。」


「セックスの話してたらさ。・・・おれ、・・気絶しちゃったの。」


「わははははは、」


「おまえ、笑い過ぎだろ。」毅に向かって、そう言う。



まぁ実際。笑っちゃうような。


話によると笑えないような。・・・話、らしぃんだけど、さ。



「いっちゃったんだ。」ちゅぅちゅぅ。


パックのヨーグルトを、吸いながら。毅が言う。


「そぅ、いっちゃった。」


「ぶ、っはははははは、」



おれは。苦笑いして。


「ひとりで先にイッちゃったよ。」毅が。ひぃひぃ言いながら、腹を抱えて笑う。


「おめぇ、すげぇ元気じゃん!!」


「あ~~・・・死にそう。・・・・・」


「シャレになんねーーー!!」


おれ達は。ベッドの上に座って。そんな下らない事言いあって、笑い合った。


すげぇ、腹の底から笑って。


笑う事って、凄ぇな。なんか、長生きできそぅな、気がするよな。


そんな事言って。また、笑った。







「・・・。」


「ナギ?どうした?」


「・・・・。」

 

ナギが幸田武士君の。病室の入口に立って。


その、入口に寄りかかって。笑う、二人を見ている。



「あのふたり。」


「・・・。」


「意気投合、し過ぎだよね。」


ナギの肩に手を置いて、そう言うと。



「僕は。」


「・・・。?」


「・・・ほんとに、どうしようもないな。」


そんな事言って。くるっとナギが踵を返した。



廊下を歩く人たちの間を縫って、ふたりで進む。



「どうしようもないって、」


「・・・。」


「何が?」


「今の、状況は喜ぶべき、はずのところなのに。」


「・・・。そう思えない?」翼が言う。


「・・・。」



「ブレブレに。ブレまくってる。」


「ふふふ。いいんじゃない?そーゆーのも。」


「そう?」


「そう。いいよ、人間らしくて。」翼がそんな事言ったから。


「あはは。」僕は声に出して、笑った。


 ・・・。人間らしい、か。・・・・・



「人間って、面倒だよね。」


「ほんとだね。感情が、あるからね。でも。」


「・・・。」


「忘れちゃ、いけないよ。人間らしい感情も大事だけど。僕たちの。存在意義を。」


「・・・わかってる。」


「なら、」


「・・・。」


「いいけど。」


「うん。」



「・・・最近ナギ、家、帰ってる?」


「ううん、全然。」


「だからだよ。話、聞いてもらいなよ。」


「うん・・・」


・・・うん。・・・でも。何と、なくさ。



「悪いような、気がしちゃって。」


「幸田くんに?」


「・・・そう。・・・・」・・・だって。・・・・



「武士君に、さ。」


「うんうん。」


「死ぬより辛い事って、ある?って。聞いたの。」


「・・・。そしたら?」


「生きること。」


「・・・・。」


「・・・だって、・・・さ。」







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