「とんで異世界」
主人公は アラフォーの元社畜。リストラを機に実家に戻り父親が営んでいた小さな町の定食屋を継承する。昨今の物価高と大手飲食店チェーンが近くに出来てから客足が遠のき、平日など店内が閑散とした日も増えてきていたが、地元の古くからの客にカレーライスやカツ丼などの味には昔から定評があった。
ある日、急遽店休日として店を閉めて改装のため道具を探しに店の敷地の奥の倉庫に向かおうとした。
店の奥の厨房の勝手口から外に出たところにある小さなボイラー室の奥に秘密の扉を発見し、開けて入ってみるとそこは現代日本ではない、異世界が広がっていた。
異世界の古びた町外れの川辺にある小屋と繋がっており、 野道を北へ歩いているとすぐに巨大な城壁に囲まれた城下町が見えてきた。
城内に入りたくて、南の城門の前に長い列ができているのを発見した。最後尾に一緒に並び、前の人に聞いてみた。
「これは何の列ですか?」と尋ねるタカオ。
「これは入城するための城門で入城料を払っている列だよ。」と簡単におしえてくれた前のおじさん。
「へ〜。いくらくらいするんですか?」と尋ねるタカオ。
「あんたこの街ははじめてかい?ここは銅貨8枚だよ。」と答えるおじさん。
(銅貨8枚って・・この異世界に来たばかりだからこちらのお金一銭ももっていないよ。)と考え込むタカオ。
普通に最後尾で並んで考え込んでいたタカオの背後から誰かがぶつかってきた。
「おい!兄ちゃんいてぇだろうが!コラァ!」と声が背後から聞こえてきた。
振り返るとガラが悪いゴロツキが3人こちらをニヤニヤと笑いながら立っていた。
「おー、いてぇ。こりゃ、俺の腕、折れたみてだぁ」と叫ぶゴロツキの一人。
「こりゃ、兄ちゃんに治療費を払ってもらわないとなぁ」とたかる3人のゴロツキたち。
後ろから勝手にぶつかって来た一方的な難癖なのは明らかだった。
だが、周囲の並んでいた者たちはあえて誰も関わりたくなかったせいか、“見て見ぬふり”をきめていた。
その時、「何をしているんだ!」と声がどこからか聞こえてきた。
その声の方へ注目する一同。
「なんだ、おめぇよぉ」と睨みつけるゴロツキの一人。
大きく立派な剣と何かの札らしきものをみせる声の主。
それを見た途端、ゴロツキたちは驚き、一目散に町とは反対の方向へ逃げ去った。
「ありがとう。助かった〜」と感謝するタカオ。
「俺はアレックス。一応、この町でD級冒険者をやっている。」
「タカオです。」
と、互いに簡単な自己紹介をした。
<<ぐぅ〜>>
とタカオの腹がなった。
笑うアレックス。
「よし!俺があんたに軽く食べ物をおごってやるよ!」と豪語するアレックス。
なんだかんだあって、アレックスに入城料をおごってもらい、無事初入城を果たしたタック。
南の正門を抜けるとそこには人口の城壁に囲まれ、それまで外からではよく見えなかったが広大な城下町が北の中心に王宮を構えそのふもとに広がっていた。




