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小さな妖精の恋の詩  作者: まるねこ


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30/43

30妖精仲間

「レノン、いってらっしゃい」


 私はいつものようにレノンを窓から見送った。


 最近、レノンは学院が楽しいみたい。だんだんと帰ってくる時間が遅くなってきていて私はとっても寂しいの。でも泣くのは我慢している。


 だってレノンが困っちゃうからね。


 私はレノンのお母さんのお部屋に移動して一日の大半をここで過ごすことになったの。


 レノンのお母さんも元気になって部屋を出てレノンのお父さんの仕事を手伝ったりしているみたい。


 部屋の窓や扉は私が出入りできるように小さく開けられているの。


 今日は天気もいいし、中庭の花を眺めていようかな。そう思ってふわりと窓から中庭へと向かった。


 お日様の光が心地いい。


 私は羽根をぱたぱたと揺らして花壇の縁に座った。すると土の中から声が聞こえてくる。


 きっと土の妖精が近くにいるのかもしれない。土の妖精はなかなか地上へ出てくることがないの。


「土の中にいるのー?」

「ワシはここじゃ」


 そう声がしたと思ったら、土の妖精はモグラの姿でひょっこりと花壇の端から頭を出した。


「あなたのお名前は? 私はマノノ!」

「ワシはズーズじゃ。マノノ、お前は聖樹の妖精じゃろ? こんなところに長くいて大丈夫なのか? 契約か……?」

「うん。だから大丈夫だと思う」


「そうか。契約者はこの家の人間じゃろ? 今どこに?」

「学院ってところにいるの。夕方まで帰ってこないの」

「そんなに離れて大丈夫か?」


「うーん。聖樹の朝露があるから当分は大丈夫だよ」

「早めに聖樹に戻った方がいいぞ。戻り方は分かっておるのじゃろ?」

「ちゃんとわかってるの!」


「そうかそうか。ここの家はマノノのおかげで妖精が住みやすくなっておる。マノノのおかげじゃな」

「最近、ここの家の人たちが元気になって、笑顔が増えて、お家にも庭にも元気が溢れてきたの。きっとそのせいじゃないかな」


 私はズーズに褒められて羽根を振るわせる。


 やっぱり褒められると嬉しいよね。


「今度、花の妖精がここを訪れようかと話していたぞ」

「妖精が住めるほどこの家は元気になったんだね! えへへ」

「ワシらにはありがたいが、マノノ、お前は無理して消えることがないようにするんじゃぞ?」

「うん! 無理はしないよ!」

「……だといいんじゃが。ワシはそろそろ戻る。今、地中でミミズが増えるのを手伝っている最中なんじゃ」

「ズーズ、またね!」


 ズーズはそう言ってまた土の中に戻っていった。


 私もそろそろ部屋に戻らないといけないよね!


 私はふわりと飛び上がり、部屋に戻った。



「マノノ様、どこへ行っていたのかと心配していましたわ」


 どうやら私が中庭に出ていた時にレノンのお母さんが戻ってきていたみたい。心配して探していたらしい。


「天気が良かったから中庭で遊んでたのー」

「そうでしたか。また攫われてしまったのかと心配しておりました」

「ごめんね。ところで何かあったの?」


 テーブルにいくつもの手紙が置かれていた。


「これはお茶会の招待状なんです。病気も治ったし、久々にお茶会を開こうと思っていて。極近しい友人だけを呼ぶつもりなんです」

「そっかぁ」

「マノノ様もぜひお茶会に参加してもらいたいのです。マノノ様のドレスはどうしようかしら。今からもう楽しみだわ」


 レノンのお母さんはそう言って上機嫌のまま侍女さんと話をしている。


 私は果実水を飲みながらその様子を眺めていた。


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