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第6話 ジャスミン

新生徒会では、さっそく体育祭の準備が始まっている。




今年は毎年恒例の競技も残しつつ、


新しい競技も検討していく方針となった。




いくつは案を考えてきたが、


白熱した議論に流されるまま、


今年は意見を発信することはなかった。




頼まれた仕事だけをこなす。




先輩達が手伝いに来てくれる日だけは、


少し早めに教室を出た。




―――――




体育祭1日目も終盤。


残り種目は、借り人競争と部活対抗リレー。




「次の競技は借り人競争です、


出場生徒は準備の位置まで移動お願いします。」




アナウンスがかかる。




うちの借り人競争はありがちなお題から、


結構攻めているお題も並ぶことが多い。


それを知っている2,3年生は、


クラスの人気者とか、


いわゆる陽キャが参加することが多い。


それゆえに、スタートの合図がかかる前から歓声が上がる。


実は、1日目の名物イベントだ。




私は一通り借り人競争の準備をしたあと、


本部に戻って前の競技の得点計算、


これからのスケジュールに変更点はないかなどを、


役員たちとチェックする。




正直、借り人競争には興味があるが、


最終レースだけでもみれればラッキーだろう。




スタートの合図、声援、笑い声などが耳に入るが、


得点計算に、会議に集中していた私にその内容は届かない。




3人で計算した得点に間違いがないことを確認し、


記録に書き込もうとしたときだった。




「ちょっと借りるね。」




後ろから声が聞こえた。


その言葉を言い終わると同時に右手を取られる。




私に言ったわけではなく、周りの役員に言ったのであろう、


それは複数に向けられた言い方だった。




手を引かれるがまま足が動き出す。




私は、


この人の声も、


手の感触も、


この歩幅も知っている。




ただ、


目が合った時に、


浮かない顔をしていたのは、


私の気のせいだろうか。








結果的には、12人中10着だった。




その結果に対して、


もっと近くにいてくれたら~とか、


足が遅いよ~とか、


小言は言われたけど、


その笑顔はいつもの、先輩だった。




アナウンスがかかる。




1着から順番に紙に書かれた内容が読み上げられる。


【前回のテストで数学が90点以上の人】


【野球部】


【私服がダサい人】


【目がでかい人】


など、


こんなお題に負けたのか、というものも何個かあった。




みお先輩のお題だ。


私は、


【生徒会の人】とか、【後輩】とかだと、


考えていたけど予想は外れていた。




「10着、秋月さんの借り人は【気になる人】でしたー!」




そのアナウンスが言い終わる前に、どっと会場が沸いた。




「えっ、」




ギリギリそれだけが言葉になった。




そこから先の数十分は、 ほとんど覚えていない。

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