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第11話 近すぎる湯上がりの距離

 白鳳館に「湯けむり御膳」の試作が落ちた夜、館の空気は目に見えて少しだけ変わっていた。


 大騒ぎが起きたわけじゃない。

 誰かが涙ながらに万歳したわけでもないし、急に予約が倍になったわけでもない。


 でも、働いている人間の背中が少しだけ軽くなっていた。


 厨房では器を下げながら話す声が昨日より明るく、志摩さんは帳場で電話を取りながらも表情が前を向いている。早坂さんでさえ、難しい顔の合間に時々“次はどうするか”を考える料理人の目をしていた。


 それだけで十分だった。


 何かが変わる時って、たいていはそういうものだ。

 派手な事件じゃなく、まずは人の声の温度が変わる。

 そこから少しずつ、空気が動き始める。


 だからたぶん、俺も少しだけ気が緩んでいたのだと思う。


「本日の試作、大変好評でございました」


 夕食後、帳場脇で志摩さんにそう言われて、俺は曖昧に肩をすくめた。


「まだ試作だろ」

「好評だったならよかったけど」


「ええ。ですが、あそこまで皆の顔が変わるとは思っていませんでした」

 志摩さんはほんの少しだけ目を細める。

「白鳳館にとって、今日の一膳はかなり大きかったと思います」


 そう言われると、嬉しいより先に少しだけ居心地が悪い。


 認められること自体は嫌いじゃない。

 嫌いじゃないからこそ、その先が怖い。


 でも今日は、その怖さより疲れのほうが勝っていた。


「とりあえず、風呂入ってくる」


 俺が言うと、志摩さんが頷く。


「ええ、ぜひ」

「今日は男湯も空いておりますし、露天がいちばん良い時間です」


 白鳳館の風呂は、昼間見た時点ですでにかなり良かった。

 夜に入れば、たぶんもっといい。


 正直、少しだけ楽しみにしていた。

 その“少しだけ”を認めるのがなんとなく悔しいだけで。


     ◇


 夜の露天風呂は、想像していたより静かだった。


 湯気の向こうに黒い山の稜線が見える。

 空は薄く曇っているが、雲の切れ間からところどころ星がのぞいていた。風は冷たいのに、肩まで湯へ沈むと、それがちょうどよくなる。


「……これは反則だろ」


 思わず独り言が漏れる。


 湯は柔らかく、肌を刺さない。匂いも強すぎない。露天の石組みも派手じゃなく、景色を邪魔しない。こういう風呂は長く入れるし、長く入ると余計に出たくなくなる。


 白鳳館の武器は、ちゃんと武器なんだよな。


 なのにそれが今まで少しずつ届かなくなっていたという事実が、改めて惜しい。


 湯の中で息を吐きながら、俺は今日一日の流れを思い返していた。


 市場。

 管理ダンジョン。

 回復茸。

 氷晶魚。

 湯けむり御膳。


 ここまでやるつもりじゃなかった。

 最初はただ見るだけのつもりだった。


 でも気づけば、レシピを組み、市場を見て、食材を拾い、宿の芯まで考えている。


 そこまで来ると、もう誤魔化しは効きにくい。


「ずるいよなあ……」


 誰に対して言ったのか、自分でもよくわからない。


 白鳳館に対してか。

 朱麗に対してか。

 それとも、こういう場所を見ると放っておけなくなる自分自身か。


 湯から上がると、火照った体へ夜気が気持ちよかった。

 浴場の出入り口近くに置かれた冷水を飲み、廊下へ出る。白鳳館の廊下は夜になると照明が少し落ち、昼よりも木の色が深く見えた。


 畳敷きの休憩処へ向かう途中、ふと、向こう側の廊下から人の気配が近づいてきた。


 足音は軽い。

 でも慌ただしくない。

 その時点で、なんとなくわかってしまう。


 案の定、角を曲がって現れたのは白雪凛音だった。


 そして、俺は一瞬、言葉を失う。


 湯上がりらしく、髪が少しだけ湿っていた。

 館内着として貸し出された薄い色の浴衣をきちんと着ていて、帯も変に崩れていない。なのに、普段の制服姿よりずっと距離が近く見えるのは、たぶん風呂上がり特有の無防備さのせいだ。


「……あ」


 先に声を漏らしたのは凛音のほうだった。


「お前も風呂上がりか」


 なんとかそう言うと、凛音は小さく頷く。


「はい」

「そちらも、ちょうどですか」


「今出たとこ」


 会話が、妙に素っ気ない。


 いつもならもっと普通に言葉を返せるのに、こういう時に限って変に間が空く。

 たぶん俺のせいだけじゃない。

 凛音も少しだけ視線の置き場に困っているように見えた。


「……いい風呂だった」


 結局、そんな無難なことを言ってしまう。


 凛音は少しだけ目を細めた。


「はい。かなり」


「そこでもそれ使うのかよ」


「便利なので」


 その返しに、少しだけいつものテンポが戻る。

 俺はようやく息をつけた。


「休憩処、行くか」


「いいんですか」


「立ち話のほうが落ち着かない」


「……そうですね」


 二人で休憩処へ入る。


 畳敷きの小さな空間で、窓の外には庭が見えた。夜の庭は昼とはまるで違う顔をしている。石灯籠の明かりが低く落ち、木々は影になって、音だけが少し近い。たぶん川の流れだ。


 壁際には冷水と、瓶入りの牛乳が置かれていた。


「飲むか」


 俺が聞くと、凛音が少しだけ考える。


「……牛乳は、少しだけ悩みます」


「何だその悩み方」


「風呂上がりに飲みたい気持ちはあります」

「でも、あまり似合わない気もして」


 思わず笑った。


「誰が決めたんだよ、そういうの」


「わかりません」

 凛音は真顔で言う。

「でも、何となくです」


「じゃあ俺が先に飲むから、それで帳消しにしろ」


 そう言って瓶を二本取ると、凛音はほんの少しだけ困ったように、それから観念したみたいに一本受け取った。


「こういうところ、強引ですよね」


「お前が変な遠慮するからだろ」


「遠慮、ではなくて」

 凛音は瓶の口を見ながら言う。

「……調子が狂うだけです」


「またそれか」


「よく狂います」

 彼女はさらりと続ける。

「最近特に」


 湯上がりのせいか、その言葉はいつもより少しだけ柔らかく聞こえた。


 二人で牛乳を飲む。

 こういうのって、本当はもっと馬鹿みたいに一気に飲むものなんだろうけど、凛音はすごく上品に口をつけていて、それがなんだか妙に彼女らしかった。


「……本当に似合わないとかないじゃん」


 俺が言うと、凛音がこちらを見る。


「何がですか」


「牛乳」

「普通に飲んでるだけだろ」


「普通、ですか」


「うん」

「っていうか、お前最近そういう“似合う・似合わない”気にするよな」


「気にします」

 凛音は少しだけ視線を落とす。

「普段、そこまで考えないんですけど」

「白鳳館だと、少しだけそういうことを考えます」


「どうして」


「……たぶん、いつもより気が緩むからです」

「そうすると、普段なら流せることまで変に意識してしまうので」


 その答えは、少し意外で、でもすごく納得もできた。


 白鳳館はそういう場所だ。

 気を抜かせる。

 肩の力をほどく。

 だからこそ、人はいつもより余計なことまで考えてしまう。


 俺だって、そうだ。


「今日」

 凛音が静かに口を開く。

「楽しかったです」


 その一言は、あまりにも素直だった。


 俺は思わず瓶を置く。


「市場?」


「市場も、ダンジョンも、厨房も」

 凛音は指先で瓶の表面の水滴をなぞりながら言う。

「全部です」

「白鳳館が少しずつ形になっていく感じも、見ていて……」

 一拍だけ間が空く。

「うれしかったです」


「……そうか」


 それしか言えない自分が、少し情けない。


 でも今、下手なことを言うと変に壊れる気がした。


 凛音は構わず続ける。


「あなたは、あまり認めたがりませんけど」

「今日の白鳳館が前に進んだのって、かなりあなたのおかげですよね」


「みんなが動いたからだろ」


「もちろん、それもあります」

「でも、最初に“変わる形”を見せたのは、やっぱりあなたです」


 こういうところだ。


 まっすぐで、曖昧に逃がしてくれない。


 俺は庭の方へ目をやる。


「……あんまり、そういうの言うなよ」


「どうしてですか」


「言われると、調子が狂う」


 今度は、凛音が少しだけ目を見開いた。


「私の台詞みたいですね」


「感染したんだろ」


「困りました」

 凛音はほんの少しだけ笑ったように息を吐く。

「でも、少しうれしいです」


「何が」


「ちゃんと狂うんだなって」

「……私だけじゃないんだと思ったので」


 その言い方が、思ったよりずっと近かった。


 同じ距離の話をしている。

 同じように“お互いのせいで調子が狂う”ことを、暗に認めている。


 そこまで理解した瞬間、急に落ち着かなくなる。


「凛音」


 気づけば、名前で呼んでいた。


 自分で言ってから、しまったと思う。


 だが、凛音も固まっていた。

 瓶を持つ手がほんの少しだけ止まり、そのあと、いつもより低い声で言う。


「……何ですか」


 やばい。

 今のはやばい。


 名字で呼ぶ距離から、ひとつだけ先へ踏み込んだ。

 湯上がりの夜に、それは少し近すぎる。


 だから俺は、とっさに話をずらした。


「いや……その」

「今日、包丁持つ手、昨日よりだいぶ良かったな」


 最低だな、話の逸らし方として。


 凛音は数秒だけ俺を見ていた。

 それから、小さく、小さく息を吐いた。


「……本当に、そういうところです」


「悪い」


「悪いと思ってるなら、少しは逃げないでください」


「無茶言うな」


「無茶じゃありません」

 凛音は静かに言う。

「今日のあなた、ずっと前を向いていました」

「市場でも、ダンジョンでも、厨房でも」

「なのにこういう時だけ、すぐ逃げる」


 図星だ。

 料理や仕事みたいに“何をすればいいか”が見えるものなら前へ出られる。

 でも人との距離だけは、急に足場が見えなくなる。


 だから、怖い。


「……前向くと、ろくなことにならない時もある」


 ぽつりとこぼれた言葉は、自分でも思っていたより暗かった。


 凛音はそこで、何もすぐには言わなかった。

 ただ、目を逸らさなかった。


「それ、前にも言いかけましたよね」

「上手くいった時ほど、足元をすくわれることがあるって」


「……言ったっけ」


「言いました」

 凛音は静かに頷く。

「そういう言い方をする時だけ、あなた少し遠くなります」


 それも見えているのか。


 この子は、本当に。


 俺は肩を落とす。


「お前、観察しすぎだろ」


「見ていたいので」


「またそれか」


「はい」

 凛音は迷いなく言った。

「見ていたいです」

「あなたが、何を怖がって、何を守ろうとして、どうやって前へ出るのか」

「……ちゃんと、見ていたい」


 湯上がりの夜気より、その言葉のほうがよほど心臓に悪い。


 何なんだよ、それ。


 真顔でそんなこと言うな。

 変に飾らないで言うな。

 こっちはそれをうまく受け止められないんだから。


「お前さ」


「はい」


「そういうの、たぶん反則だぞ」


「何がですか」


「言い方全部だよ」


 凛音は少しだけ首を傾げ、それから本当にわからないような顔をした。


「でも、嘘じゃありません」


「そういうところが反則なんだって……」


 そこへ、不意に廊下の向こうから足音が近づいてきた。


 規則正しい。

 ためらいがない。

 そして少しだけ、こちらへ来るのをわかっていて歩いているような足音だ。


 振り向く前から、誰かわかってしまう。


「お二人とも」


 朱麗だった。


 彼女も湯上がりらしく、館内着の浴衣姿だった。白地に淡い藤色の柄。普段の洋装よりもずっと柔らかいはずなのに、立ち方に妙な隙がないせいで、結局“気高い人”の雰囲気が消えていない。


 ただし、髪が少しだけほどけていて、そこだけが妙に生っぽかった。


「……何ですの、その空気」


 第一声がそれか。


 俺は額を押さえたくなる。


「別に何もない」


「何もない、にしてはずいぶん静かすぎますわね」


「お前の第一声もだいぶ雑だぞ」


「雑ではありません」

 朱麗はじっと俺たちを見る。

「ただ、休憩処へ来たら、湯上がりの男女が妙に近い距離で深刻そうな話をしていたものですから」

「少しだけ確認したくなっただけですわ」


 少しだけ、ね。


 凛音が静かに言う。


「九条さんも、牛乳飲みますか」


「話の流れをずいぶん綺麗に切りますわね」


「このままだと、九条さんが余計な方向に話を広げそうだったので」


「余計とは何ですの」

 朱麗は言い返しながらも、結局壁際の冷蔵箱から瓶牛乳を一本取った。

「……いただきますけれど」


 結果として、三人で休憩処に並ぶことになる。


 これはこれで、かなり変な光景だと思う。

 湯上がりの白鳳館。

 庭の見える休憩処。

 瓶牛乳を持った氷の美少女と悪役令嬢。

 そしてその間にいる、静かに生きたいだけだった脇役志望の俺。


 どこからどう見ても平穏じゃない。


「で?」

 朱麗が牛乳の瓶をテーブルへ置く。

「何を話していましたの」


「別に大したことじゃない」


「そうやって軽くしますのね」


 さっき凛音に言われたのとほぼ同じことを、今度は朱麗が言った。


 俺は少しだけ目を細める。


「お前までそれ言うのか」


「言いますわ」

 朱麗はまっすぐ俺を見る。

「今日のあなたは、白鳳館の中でずっと前へ出ていました」

「なのに今ここで、また“何でもない話です”みたいな顔をするのは、少し卑怯ではなくて?」


 これだ。

 この二人、見ている方向は違うのに、刺してくるところが妙に近い。


 凛音が小さく頷く。


「同感です」


「そこで揃うなよ……」


「だって、本当ですもの」

 朱麗は言う。

「今日の白鳳館は、あなたがいたから前へ進みました」

「わたくしもそれを見ていましたし、白雪さんも見ていた」

「なのにご本人だけ“たいしたことじゃない”で終わらせようとする」

「それは、少々面白くありませんわ」


「面白くない、か」


「ええ」

 朱麗は少しだけ視線を逸らした。

「……感謝している時くらい、ちゃんと受け取っていただきたいだけです」


 その言葉に、今度は俺が黙る。


 素直すぎるだろ。

 いや、この人基準ではたぶん相当頑張ってるんだろうけど。


 凛音がその横顔を見て、静かに言った。


「九条さん、今日はかなり素直ですね」


「白雪さん」

 朱麗はじろりと彼女を見る。

「それは褒めているんですの?」


「かなり」

 凛音は平然と答える。


 やめろ。

 そこでそのワード使うな。

 でも少しだけ面白い。


 気づけば、俺は少しだけ笑っていたらしい。

 朱麗がすぐそれに気づく。


「何ですの」


「いや」

 俺は息を吐く。

「お前ら、ほんと面倒だなと思って」


「ひどいですわね!?」


「でも否定しません」


 凛音が言う。

 そこは否定しろよ。


 しばらく三人で、取り留めのない話をした。


 白鳳館の風呂のこと。

 市場で見た団子のこと。

 氷晶魚の身の扱い。

 回復茸の香り。

 明日以降、湯けむり御膳をどう磨くか。


 内容だけ見れば仕事の話だ。

 でも空気は、昼間の打ち合わせとも、厨房の実務とも違っていた。


 近い。


 ただ同じ場所にいて、同じ話をして、湯上がりの夜気を共有している。

 それだけのことが、妙に近い。


 そして俺は、その近さに少しずつ居心地のよさまで覚え始めている自分に気づいてしまう。


 それがいちばんまずい。


「柊木さん」


 朱麗がふいに名を呼ぶ。


「何だ」


「明日、学園へ戻る前に少しだけ時間をいただけます?」

「白鳳館の迎え方について、志摩さんと詰めておきたいんですの」


「いいけど」

 俺は頷く。

「凛音は?」


「私もいます」

 凛音が答える。

「途中まで見ていたいので」


「もう隠す気ないだろ、その言い方」


「最初からあまり隠していません」


「それもそうか……」


 会話が少し途切れる。


 外では風が木を揺らしていた。

 夜の白鳳館は静かで、その静けさがさっきまでよりも、少しだけやさしく感じられる。


 この空気に慣れたらまずい。

 この距離に慣れたらまずい。

 今日みたいに、当たり前みたいに二人と並んで、少しだけ笑って、少しだけ調子が狂って、それを嫌じゃないと思ってしまったら――もっとまずい。


「……そろそろ戻るか」


 俺は立ち上がる。


「逃げますの?」


 朱麗が言う。


「逃げるって言うな」

「明日に響くだろ」


「それはそうですね」


 凛音も立ち上がる。

 浴衣の袖が少し揺れる。


 休憩処を出て、それぞれの部屋へ戻る廊下で、俺は前を歩いた。

 その後ろに、二人分の足音が続く。


 変な感じだ。


 本来なら交わらないはずの二人と、こうして同じ方向へ歩いている。

 それだけで、妙に心が落ち着かなくなる。


 廊下の分かれ道で足を止める。


「じゃあな」


「おやすみなさい」

 凛音が言う。


「ええ。おやすみなさいませ」

 朱麗も続く。


 普通の挨拶だ。

 なのに、その普通さがやけに胸へ残る。


「……おやすみ」


 返してから、俺はすぐには歩き出せなかった。


 振り返りはしない。

 したらたぶん余計なことを考える。


 だからそのまま部屋へ向かう。


 背後では、まだ二人が小さく何か話していた。


「九条さん、牛乳似合ってましたよ」


「何ですの、その評価は」


「事実です」


「ほんとうに便利ですわね、その言葉……」


 思わず、少しだけ口元が緩んだ。


 ああ、駄目だ。


 白鳳館は風呂も景色も反則だけど、いちばん反則なのはたぶんこういう夜なんだろう。

 人の心を少しずつ緩めて、気づかないうちに近づけてしまう。


 そのせいで、俺は今、かなりまずいところに立っている。


 仕事のためだけじゃない。

 白鳳館のためだけでもない。

 この二人といる時間そのものが、少しずつ特別になり始めている。


 それを認めたくなくて、俺は部屋の襖を閉めると同時に深く息を吐いた。


「……ほんと、ろくなことにならないぞ」


 誰に言うでもなく呟く。


 けれど、その言葉にはもう、前みたいな強い拒絶はなかった。


 ただ、困っているだけだ。

 近づきたくないのに、近づいてしまっていることに。

 壊したくないのに、少しずつ大事になっていくものがあることに。


 湯上がりの熱は、もう引いたはずだった。

 なのに胸の奥だけが、妙に落ち着かなかった。

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