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65.女子会


陛下の生誕祭が行われた数日後、私はチアとマージを侯爵家へ招待し手入れの行き届いたガーデンでお茶会という名の女子会を開いている。


チアともマージとも手紙のやり取りはしているが、チアに会うのは久しぶりだ。


「ごきげんよう」

「「ごきげんよう」」


「マージはこの間ぶりだけど、チアはお久しぶりね」

「ええ!ほんとうに!私聞きたいことだらけなんだから!!」

とチアが前のめりに答える。

「わたくしだって、聞きたいことが山ほどでしてよ」

マージまでが前のめりだ。


「まずは、婚約おめでとう!もう!私びっくりしたんだから!この間デビュタントで、すぐに婚約でしょう?しかも次期騎士団長様!馴れ初めは?」

「そこはわたくしも知りたいところですわ」

恋バナは女子会に無くてはならないスパイスである。婚約したことは前に言っていたけどゆっくり話す時間はなかったからね。


「ありがとう!馴れ初めねえ。そもそもシオンとは知り合いだったの」


「「ええ!?」」

「病弱で社交界に顔を出さないで有名なローラが?」


「ああ。そこから説明しなきゃね」

私とライの秘密から説明しなければなるまい。私たちの秘密はもう影武者をしないで良くなった事から信頼のおける相手には言っても良いと言われている。

巻き込んだマージには特に話しておかなければならないことだ。


「まず、私は病弱じゃないの。なぜ病弱だという噂が流れていたかと言うと、そもそも社交場へ出られる状況じゃなかったと言うのが大きいの。

なぜ出られる状況じゃなかったかというと、私たちガオナー伯爵家の役割は王太子や王子の影武者をすること」


「待って!!ということは、ローラも?」


「そう。私はローライド王太子殿下の影武者をしてたの。ちなみに父は陛下の影武者をしてたのよ?」


「どうりで。わたくしと会ったローラが殿下だったから違和感があったということよね?」


「そういう事。殿下が私になることはほとんど無かったのだけれど、あの時だけね。隣国との仲が良くないことは周知の事実だったでしょう?だから王子達は狙われることが多いの。そのためのガオナー伯爵家なの」


「それってローラは辛くなかったの?だって女の子なのに男の子の恰好をさせられて、王太子教育だって受けてたんでしょう?」


「うーん。それが、そんなに辛くも無かったの。もちろん大変なことばかりだったけど、絶対他の誰もが経験できないことを私は体験できたのよ?両親も厳しかったけれど、愛されていたもの」


「ローラがそう思うのなら周りがとやかく言うことでは無いわね。確かにわたくし達じゃ一生経験できないことですものね」


「そうね。私も剣術は嗜むけれど、令嬢らしくしなさいと育てられたしね。ローラはもちろん剣術もできると言う事よね?」

ライが剣を扱え、それなりに強いことは周知されていることである。


「ええ。剣から暗器までね」


「この見た目で暗器まで扱えるの?!詐欺よぉぉ!!!」

「確かにローラは深窓の令嬢にしか見えませんものね!」


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