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46.油断


両国間での契約が結ばれた後、王太子同士で話をということになり御一行共々応接室へと移動することになった。

「私は、この国の王太子であるローライドと申します」

謁見の間では立っているだけだったので、まあ知ってると思うが一応挨拶しておく。


「存じ上げております。この度は王女、いえ愚妹が、大変申し訳ございませんでした」

「まあ、未遂でしたしね。此度の和平に繋がったと思うと溜飲が下がりますよ」

「馬鹿だ馬鹿だと思っておりましたが、ここまで馬鹿だとは思いませんでした。私の管理不行き届きです。重ね重ね申し訳ございません」

謝るばかりの王太子。


「とりあえず場所を移しましょう」

と移動を始めるべく、進行方向を向いた時だった。


背中に痛みを感じたのは。


「・・・っぐ」

痛い。苦しい。


「殿下!!!!」

とフレッツが駆け寄る。




だけど

「・・・全員捕らえろ!誰一人逃がすな・・・」

ルナールの王太子は呆然としている。

背中にナイフを突きつけてきたのは、王太子の側近だろう。

謁見の間にいる時からずっと不服そうな顔をしているやつだった。


護衛の騎士たちに命令をしたあたりで意識が遠くなっていった。


ああ。

油断した・・・。



たぶん最後の仕事のはずだった。


王子の身代わり、影武者としての・・・。





◇◇◇


ルナールの王太子がディスィーヴへとやってくる日。

もちろんローライドの役目を負うのはローレライである。

だから、この誰ローライドは誰にも見つからないように護衛を付けてローレライの私室で籠っていた。

護衛をしているのはフリッツとシオンだ。


「うまくいってるかな?向こうの王太子がどう事を運ぶかにもよるけどね」

「そうですね」


などと話をしながら、動向を気にしていた。

そして謁見の間に入ってから暫く経った後、もたらされたのは朗報だった。


「やったね。ルナールの王太子だからもっと何か考えてるのではないかと思ったけど、まさか簒奪を目論んでるとはねえ。うちじゃなく自国へその性格の悪さを出したか」

「殿下、性格が悪いかどうかなど。会っていないのに」

「わかるの。王太子たるもの清廉潔白な訳ないんだから」

「それは殿下にも言えることでは?」

「私は性格悪くないでしょう。レイの殿下の方が性格悪いよ」

「好戦的ではありますね」

「さすがシオン。わかってるね」

とシオンを揶揄う。


「まあ。これでたぶん私とレイの入れ替わりも終わりだろう。今までずっと頑張り続けた私の可愛い従妹を甘やかしてあげてよ」

「言われなくとも」


と楽し気に会話をしていた時、アリッサが飛び込んできた。

「殿下、シュバリエ卿!!!レイ様が!!!!」


「「レイがどうした!!!」」


「レイ様が・・・レイ様がルナールの者に刺されました」


「「何だって?」」

とシオンは飛び出して行きそうになった。

だがローライドが止める。


「それでレイは?!無事?」


「それはまだわかりません・・・。変装用のベストを着用していたため傷口は浅く済んだようなのですが目を覚まさないのです」



小説の冒頭へと戻りました!

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