39.釣りは得意です
「ローラ、何してますの?」
小声で聞いてきたのだ。
「何の事かな?」
と、しらばっくれてみるがバレてる。
「先ほどローラと会えましたからお話しておりましたの。でも何だかこの間のローラと違う気がして・・・
で、今やっと違和感に気付きましたわ!」
何という観察眼。
「・・・まあ色々あってね。とりあえず、今日はマージは私の想い人ってことにしてね」
「まあ!わたくしより殿下としては大丈夫ですの?」
「大丈夫だよ。大丈夫じゃなければファーストダンスに誘わないよ。それよりマージの方がこの後困るかも」
「どうして?」
「王女に絡まれるかも」
「なるほど。それでわたくしは隠れ蓑ってことですわね」
「婚約者候補になっちゃうわけだけどローリーのことは嫌いにならないであげてね。私と両陛下の勝手な判断だから」
「大丈夫ですわ。王家も色々ありますでしょう。わたくしにお任せくださいまし!」
と力強い返事をもらった。
尚、この会話は微笑みながら小声で話しているので傍から見るとにこやかに踊って見える事だろう。
終わった途端に王女がやってくる。
「その方が想い人ですの?」
「ここでする話ではないと思いますが」
「あなたどこの家門?」
「リュクス侯爵家、マジェリー=リュクスと申します。王女殿下におかれましてはご機嫌麗しく」
とマージが挨拶している途中で
「まあ!侯爵家ごときが!」
ああー。侯爵家以下を敵に回しましたよー。
「王女殿下、そこまでにしていただきましょうか。うちの国にごときなどと言われるような貴族は存在しておりません。どの貴族も王国のために、民のために尽くしております」
「わたくしには関係なくってよ」
アホである。
「ではルナール国へお帰りください」
にっこり微笑む。
「まっっ!!!」
と顔を真っ赤にして去って行く。
おお!!釣れた釣れた!
マージを帰して、少し休憩。
次は・・・。
と向かっていると、シオンが
「殿下、どちらへ」
「我が従妹殿のところへね」
「あまり暴れないようにお願いします」
と言われたが、暴れているつもりは全くない。
「ごきげんよう。お祖父様!それに我が従妹殿!」
「ごきげんよう。ローリー様」
とカーテシーを披露するライ。
獲物を目の端に捕らえた。
大き目の声で
「婚約が決まったんだって?おめでとう」
と言うと、他の貴族たちからも驚きの声が上がる。
「ありがとう存じます」
とライが返事をしていると、隣にいたチアとマージが
「ええ!おめでとう!本当指輪してる」
「お相手は?」
と聞いている。
「あれ。聞いていなかった?ここにいる騎士団総隊長シオンだよ」
「「ええー!!!」」
と驚く2人と、ざわつく貴族たち。
「シオンの指を見て?」
「まあ!」
「騎士様でいらっしゃるのに指輪を?」
と女子興味深々である。
「私が頼んだの。いつも付けていてって」
とライが恥じらった様子で答える。ちょっと違うがニュアンスは合ってる!
ナイスだ!しかも恥じらった様子が尚良し!!
「「まああああ」」
と2人がとても嬉しそうだ。
そしてシオンが照れている。尚良し!
と談笑していると
「ローレライ嬢!婚約とはどういうことですか!」
獲物がかかったぞー!!
ライ、いい仕事してますね~!




