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第七章 大芙蓉棚(二十)

お読みいただきありがとうございます! PVを見て、いつも励まされています。

昨日はブックマークもいただき、たいへん恐縮です。ありがとうございます‼️


今回と次回は、ほぼ暗視カメラみたいなものの説明です。

めんどくさいなーという方は「前の天君は暗視カメラ使ってたんだね」くらいの感じで読み飛ばしていただけると幸いです。

第72回は14日の午前6時に更新予定です。

「私たちと光を出す物、蝋燭とか、ここの玻璃と金属でできた明かりとか、そういったものは違うだろ」

「その手のことは、昨日話したじゃないか。芙蓉棚で、玻璃の明かりの仕組みを」

 楊淵季が寝台に座った。

「気を通すと、金属が熱くなって光る、というやつか」

「覚えているのなら、わかるだろう。熱と光は密接に関係している。熱を発する物は、光を出しているんだ。俺たちの体だって温かいだろう。だから、光を出している。ただ、輝くには温度が足りなくてな。それで目に見えない光になる」

「では、病気で熱を出している時には、多少は輝くのか」

 思い浮かべてみたが、兄が熱を出した時も特に輝いていたということはなかった。顔は赤くなっていたが。

「それは冗談なのか。それとも、間が抜けているのか。どっちだ」

「冗談で言ったんじゃない……間が抜けているんだ」

「自分で間抜けっていう奴は初めて見た」

 楊淵季が目を丸くした。

「失礼だぞ」

「ああ、すまないな。大臣のご子息。言っただろう。見えない光だと」

「見えないのに、どうして光っているとわかるんだ」

「昔、迂峨過都の道士で太陽の光を調べた人がいる。太陽の光には紫から赤まで、だいたい七色あることがわかった。玻璃を用いて光を分けて調べたそうだ」

「光を分ける、だと?」

「ほら、虹を見たことがあるだろう。雨上がりには細かい水滴が空に満ちているから、その水滴がそれぞれ光を反射して、七色に分けているんだ。その道士は太陽の光を調べているうちに、赤い光の外側の部分が温かいことに気がついた。その部分を調べる道具を作ってみたら、人の体でもなんでも温かいものは目に見えない光を出していた」

「しかし、その光は見えないのではないか」

「いいか。狐を見てみろ。やつらは夜でも活動する。暗い中で獲物を捕ることが出来る。なぜだ」

「鼻がいいからだろう」

「それだけではない。やつらは人には見えないものも見えているのだ」

「どうしてそんなことがわかる」

「調べたからだよ。迂峨過都人の興味は半端ではない。穴を掘ることに興味を抱いたら、俺たちの住む球体の大地を突き抜けるまで堀り続けるだろう」

「それは執念深いな。度が過ぎている」

「ここではそんなものだ。さて、狐など、夜に行動する動物を調べたところ、こんなことがわかった。奴らの目には夜の光が見えているのだ」

「光らないから夜だろう」

「おまえの夜は真っ暗闇だな」

 楊淵季が唇の端を片方だけ吊り上げた。

「おまえは違うのか」

「俺だってそうだ。だが、狐は違う。やつらは青く淡い光でも感知することが出来る。月夜ではなくても、星があれば光が地上に届く。体を光らせる昆虫の光が反射して木が光る」

 夜の森を思い出す。

 星の光はあったが、そばに木があるのかどうかもわからなかった。

「それらの光が何かを照らすとは思えない」

「おまえの目には照らし出されないだろう。しかし、狐には見えるのだよ。わずかな藍色の光がやつらの目には届いている。それを目の中で反射させてより明るく見えるようにしているんだ。だから、獲物が捕れる。それと同じだ」

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