第六章 迂峨過都(第五章までのあらすじ)
宇王朝の首都、華都には、官吏登用試験用の私塾「山麓」があった。
欧陸洋は、そこに通う十六歳の学生である。
華都では、最近、灰色の目をした賊が現れ、店ごと何らかの術で吹き飛ばすという事件が多発している。
仙人のしわざだ、と言われていた。
ちょうどそのころ、灰色の目をした楊淵季が「山麓」に入塾する。
ある日、仙人を名乗る老人が「山麓」に現れた。
老人は、教室の壇上で従者に持たせた仙鏡を取り出す。
そこには、隣室にいる学長・黄徳志が映っていた。
老人が鏡に向かって首を絞める動作をしてみせると、
鏡の中の学長が苦しみ始めた。
欧陸洋と楊淵季は、隣の部屋に駆け込んだ。
学長を救い出そうとしたところ、老人が入ってきた。
老人は、楊淵季に共に来るように言い、さもなくば欧陸洋を殺すという。
楊淵季は応じ、連れ去られた。
欧陸洋の見守る中、学長は息を引き取る。
その間際、見開いた学長の目は、灰色だった。
残された欧陸洋は、役人に殺人容疑をかけられる。
鏡越しに人を殺すなど不可能だ、と考えた役人は、事件直後に学長のいる部屋に入った欧陸洋と楊淵季を疑ったのだ。
欧陸洋は、楊淵季に罪をかぶせたがる役人を拒絶する。
居場所のなくなった欧陸洋は、友人の周仲興や孫伯文と共に華都を脱出する。
その際、「山麓」で働いていた少年、程適を巻き込んで、連れ出してしまった。
欧陸洋らは、逃げた先で、周仲興の知り合いの宿屋に身を寄せた。
その宿屋で、玄都という街の近くに龍鳳山という仙人の国があると知る。
そこに行けば、犯人である仙人を見つけられるかも知れない。
陸洋らは、龍鳳山を目指すことにした。
ところが、宿屋の主が周仲興の父と通じており、陸洋らは仲興の家の者に引き渡されそうになる。
仲興は、陸洋、伯文と共に周家の者を撃退することを決めた。
陸洋は、お守り代わりの帯玉を程適にもたせ、先に逃がす。
三人は船に乗り、周家の追っ手をかわそうとするが、失敗。
仲興と伯文は、陸洋を南方に逃がした。
一人きりになった欧陸洋は、船での漂流を経て、玄都に向かう。
途中、帯玉を返すために追ってきた程適と合流、
とうとう、玄都に到着した。
玄都で二人は、仙人国である迂峨過都と、その支配者で仙鏡で人を殺す「天君」について教えてもらう。
その迂峨過都の「天君」から呼び出され、欧陸洋は仙人国に上ることになった。




