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貧乏辺境貴族令嬢の契約結婚から始まる事件簿  作者: 水海雫
第四章 後継者

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学校の問題

あの日から数日。


私たちは仲良く…………


書類と格闘していた。


「ヴァン、恨みますよ?」

「すまない………」


なぜこんなことになっているのか?

それは、ヴァンの一言で始まった。


「今日から一週間はお休みだ!」


働き詰めだった屋敷の人たちに大型のお休みをあげたいと無理して宣言。


結果、書類仕事が山積みなわけだ。


「はあ、実家の時を思い出します」

「それはいいことではないか?」

「ヴァン?」

「す、すまない」


この人反省が足りてないようだ。


「今日は一緒寝ませんよ?」

「そ、それはやめてくれ!」


あの日から一緒のベッドで寝ている。

かなり気に入っているようだ。


「なら、仕事早く終わらせましょう」

「りょ、了解だ」


そうして軽口を叩きながら進める。

外は天気が良く窓から陽の光が入ってくる。

しかし、少し雲行きが怪しい。


「これは………」

「なんだ?」


私の手元にある書類。

それは王都にある学校関連の書類だ。


学校。

それは異国で初めて実践され最近になって王都で実験的に建設された施設だ。


その目的は身分関係なく公平に学ぶ機会をもたらすと言ったものだ。


「なぜ、その書類がこんなとこに」


ヴァン様も知らないようだ。


「分からないが、何かの間違いだろう。王都のあの王子にでも送ろう」


そう言って書類を端に避ける。

だが私は書類が気になっていた。


「意図的でしょうか?」

「意図的?」

「ええ、あの王子ならやりかねないかと」

「まあ、確かにそうだが………」


ヴァンは書類手元に寄せて中身を見る。


そこには学校内の問題点がまとめてあった。


「ふむ、これは問題の解決案を出すために問題点をまとめた資料のようだ」


ヴァンが私に書類を渡してくる。


問題点。


まず窃盗。

靴、ペン、懐中時計などと言ったものの窃盗。


次にその理由による庶民生徒と貴族生徒の衝突。


これらが問題視されている。


そう書類には記されていた。


「だいぶ溝は深いようですね」

「ああ、まあ仕方ない。これまでは隔離されていたようなものだからな」


そう、これまでは貴族の子供と庶民の子供が交わることはなかった。故の問題だ。


「ですが、不思議です」

「何がだ?」

「窃盗ですよ」


窃盗しても庶民が高価なものを持っていたら質屋は疑い兵に連絡をする。

故に売れない。

だからと言って盗んだものを使う者はいない。

目的がわからない。


「確かに………」

「さらに、気になることがあります」


それは、盗んだ物だ。


「何が問題なのだ?靴もペンも懐中時計も貴族のものなら………そうか」

「そうです」


私は自分の懐中時計を取り出す。

裏には自分の名前が彫られていた。


「盗んでも手に余るわけだ」

「はい、ペンも靴も貴族なら自分のイニシャルが彫られているのがほとんどです」


ーーつまり窃盗は真の目的ではない。


「気になっているな?リア」

「………なんとなくですが、裏を感じます」

「偶然だな俺もだ」

「ヴァン」

「分かっている。王都に行こう」


そうして私たちは王都に出発した。









読んでいただき、ありがとうございます。

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