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訓練な一日5

「ほら、ヴァイオレット、りゅーくんも」

 クーシャは分けた報酬を私とりゅーくんに投げる。


「ありがとうございますクーシャ」

「これは?」

「りゅーくんの分よ、もしかしてお金も触った事が無い箱入りなの?」

「う……」

 いやいや、りゅーくん私と珈琲飲んだから…………まさかあの時無一文じゃなかったよね?


「数はわかる」

「リュシオネル様、後で使ってみましょう」

「あ、ああ」

「あははははは、りゅーくん可愛いわあ」

「おなか、すいた」

 レキのお腹からグーと音が鳴り私はら食事に向かった。




「今日はどちらにしましょう?」

「おなか、すいた」

「我慢なさい、りゅーくんは何食べるの?庶民のご飯は汚いからいらないの?」

「何でもかまわん」

「ホントにぃ?」

 クーシャがニヤニヤするから先に釘を刺す。


「クーシャ、私の時のように芋虫の串焼はいけませんよ」

「なっ」

「何よ、ヴァイオレットは食べたじゃない」

 …………いや、まあ、不味くは無かったけどさあ、白くてブチャっとした食感で全身に鳥肌が立ったんだけど。


「リュシオネル様、何でもと言えばクーシャは調子に乗りますよ」「あ、ああ、ヴァイオレットが無難と考える食事にしてくれ」

「おなか、すいた」

 仕方無いから前に行った揚げ物の店にしてもらった。


「さあ、りゅーくん反省会よ」

「あ、ああ」

 仕事の後は反省会、クーシャのダメ出しがメインなんだけど。


「りゅーくん今日は頑張ったわね」

 あれ?私と対応違うんだけど。

「そうなのか?」

「ええ、次はもっと頑張れるわよね」

「あ、ああ」

 いや、違うか、ドSな事考えてるや。


「お待たせしやしたー」

 ビクッとする大声で料理が出てきた、あ、りゅーくんもビクッってしてる。


「クーシャいただきませんか?レキも我慢していましたし」

「そおねえ」

「リュシオネル様もどうそ」

 私らは揚げ物を食べた。


 レキはハフハフと、りゅーくんは恐る恐る、クーシャは熱いから冷ましてた。




 食事も終わり私はお土産に鳥の揚げ物を人数分とお家用に買う…………嫌な予感がするから料理人のロベルト用にもう一つ。


「ヴァイオレット、太るわよ」

「お土産です、ほら、レキ、クーシャ」

「お嬢、ありがと」

「ふうん」

 二人は受け取ってくれた。


「リュシオネル様もどうぞ」

「ああ……馳走になった」

 りゅーくんも受け取ってくれたね。


「それじゃ、今日は解散ねヴァイオレット、りゅーくん安宿は壁が薄いからね」

「いきなり何を言うんですかクーシャは」

「あら、お泊まりでしょう?」

「しません」

 てかりゅーくん連れてったら私指名手配されるからね。


「あらそお、残念ねりゅーくん」

 りゅーくん?ん?何かガッカリしてる?気のせいだよね?




 そんなこんなで二人と別れ私は何故か自宅へりゅーくんに送ってもらう…………ミネアが門番してたね。


「お帰りなさいませヴァイオレットお嬢様、さあ、早くお風呂にいたしましょう」

 りゅーくんは完全無視だね。


「リュシオネル様ありがとうございました」

「いや、押し掛けてすまなかった」

「いえいえまたいつでもいらして下さい」

「お嬢様、お早く」

 ミネアがりゅーくんを睨む……明日も無事でいられますように。


「それではリュシオネル様ごきげんよう」

「ああ」

 別れの挨拶もほどほどに私はミネアに引かれ屋敷に連れ込まれた。


「お嬢様よくご無事で」

「ミネアが心配するような事はありませんよ、あとお土産です」

 ミネアに口を開けさせ鳥の揚げ物をねじ込む、りゅーくんに冷たく当たるから私も遠慮しないよ。


 ……クミッツが影から見てた、ほらあげるからこっちに。


「んんん、美味しいです」

「美味しゅうございました」

 ミネアの復活が早いね。


「あ…………」

 声をあげたクミッツの視線を追うと、あ、お姉様だ、鳥の揚げ物見てるよ。


「アルルシア様、ご用命でしょうか?」

 ミネアはブレ無いね。


「いえ、ヴァイオレット」

「はい、お姉様」

「それは先日の物ね、あとその格好は何ですか、淑女が恥ずかしい」

 お姉様、食べ物優先になってるよ。


「変装ですよお姉様、男性の格好なら無用な危険も減りますし」

「それでも、一人で出歩くなんて」

「いえ、門番のタギを…………あ」

 タギー、連れてかれたままだったよ、忘れてた。


「そうですヴァイオレットお嬢様、タギはどうしました?」

「た、タギは…………すぐに戻りますよ」

 どうしよう、戻ってくる根拠も無いんだけど、とりあえず誤魔化したい。


「護衛もできないのですか」

 お姉様のお怒りがタギーに向かうよ、でもなぁ、私にはどうしようも……。


「お嬢様、もしかして護衛を放棄して女性の尻を追い掛けているのかもしれません」

 ミネアが若干近い、放棄は私がさせたんだけど。


「ヴァイオレットの顔からして近いみたいですね」

 お姉様、私の表情で読まないで。


「帰りましたら問い詰めておきます」

「ええ、ムチまでは許可します」

 タギー…………ナムナム。


 とりあえず酷くならないうちにお姉様の気を反らそうと鳥の揚げ物をクミッツに食べさせた。


 その後鳥の揚げ物はお姉様に強奪され無くなった。パパにも分けたげたらいいのに。




 ちなみにその隙を付いて私はロベルトに鳥の揚げ物を渡し、研究しておくように頼んでおいた。


 調理場を出ると何処からかパァンという音が響いてきて私はビクッとしたのだった。



 タギさんは門番のまま変わらず、ロベルトさんは料理人。


 こっちのりゅーくんは健全仕様だからいろいろ奥手、私は天然仕様だから考えと行動が一致してなかったりする。



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