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守護像が崩れ落ちた場所の奥で、重い石扉がゆっくりと開ききった。
神殿のさらに奥へ続く通路。
そこから流れてくる空気は、今までとは明らかに違っていた。
重い。
冷たい。
まるで地下深くから吹き上がる風のような、濃い魔力の流れが通路いっぱいに満ちている。
六人は自然と足を止めた。
黒瀬が鼻を鳴らす。
「……なんか」
レオンが笑う。
「ボス部屋の匂いだな」
神谷が通路を観察する。
「魔力密度が高い」
アシュベルが静かに言う。
「ここが本命だろう」
リーメイも頷いた。
「封印中心」
黒瀬が悠真を見る。
「お前」
指をさす。
「ここはお前案件だろ」
悠真は少し考えた。
「まだ分からない」
黒瀬が苦笑する。
「いや分かるだろ」
レオンが肩を回す。
「まあ行くか」
六人はゆっくり歩き出す。
通路は長くない。
数十メートル進むと、すぐに巨大な空間へ出た。
そこは――
神殿の最深部だった。
天井は高く、崩れた柱が何本も立っている。中央には、巨大な円形の祭壇があり、その上に黒い結晶が浮いていた。
巨大な魔石。
だが普通の魔石ではない。
内部で黒い光が脈動している。
まるで心臓のように。
ドクン。
ドクン。
広間に響く低い音。
リーメイが小さく息を呑む。
「……封印核」
神谷が低く言う。
「神殿の中心だ」
アシュベルが剣の柄に手を置く。
「つまり」
黒瀬が腕を組む。
「これ壊したら終わり?」
レオンが笑う。
「そんな簡単か?」
悠真は祭壇を見ていた。
そして。
少し目を細める。
「違う」
全員が悠真を見る。
その瞬間。
黒い結晶が強く脈動した。
ドクン――!
魔力が広間に広がる。
空気が震える。
そして。
祭壇の前に、黒い影が現れた。
ゆっくり。
人の形。長いマント黒い鎧。
そして。
長剣。
影が完全に姿を現す。
それは――
先ほどの守護騎士と似ている。
だが、圧が違う。
レオンが笑う。
「……おい」
黒瀬が顔を引きつらせる。
「また騎士かよ」
神谷が言う。
「違う」
アシュベルが低く言った。
「格が違う」
リーメイが呟く。
「……王級」
黒い騎士がゆっくり剣を抜いた。
その声は静かだった。
「よくここまで来た」
剣の切っ先が六人へ向く。
「侵入者」
黒瀬が小さく言う。
「……出た」
レオンが炎を灯す。
「ラスボスか?」
黒い騎士は首を横に振る。
「違う」
剣を構える。
「私は番人」
その瞬間。
背後の巨大な黒い結晶が、さらに強く脈動した。
ドクン――!
騎士の体から、膨大な魔力が噴き上がる。
「この封印を守る者」
悠真が静かに拳を握る。
ゼロシンクがゆっくり沈み始める。
黒瀬が小さく笑う。
「……よし」
拳を鳴らす。
「今度こそ」
レオンが炎を大きくする。
アシュベルが剣を抜く。
神谷が盾を構える。
リーメイが魔法陣を展開する。
黒瀬が言う。
「全員で行くぞ」
黒い騎士が一歩踏み出した。
次の瞬間。
広間の魔力が、爆発するように膨れ上がった。




