第三十六話「悪役令嬢ですわ、おほほほほ」
ナールハヤ軍を捕虜として労働させる。
難民の住むために復興のための街づくりをさせる。
したがっていれば食に困らないということを理解したナールハヤ兵たちは黙々と働いた。
無傷だったこんにゃくタウンは、避難民全員を受け入れ可能な大都市に変貌した。
上下水道は完備。
下水処理場で回収される汚物を発酵させて肥料にする特殊な魔道工場『こえだめ』も設置され、その付近ではその肥料を使って育てる大規模なあずき農場が作られた。
戻ってきた避難民の雇用対策と、アジャイリア国内で成立してしまったようかんの安定供給という暗黙の選挙公約達成のための施策でもあった。
ついでに、近くの高台に風車が設置され、夜を照らす灯火の魔道具があちこちに設置された。
それから半年後。
「ナールハヤ軍にはお帰りいただきましたわ、おほほほほ」
「「「「は?」」」」
「もちろん武装解除して、当然大量の3分麺とようかんを持たせましたの、おほほほほ」
「「「「…んあ?」」」」
「スグニ・ナールハヤ帝から『朕は最も優れた皇帝ではなかった。こんな甘味は初めてだ。これを朝貢するなら和平に応じる』と書状がきましたわ、おほほほほ」
「「「「はぁぁ?????」」」」
「まったく、ハルカ嬢、あなたって人は…。
『悪役令嬢』ですわね。
…頭痛いですわ」
とアカリ。
「本当に悪いお方ですな…胃が痛い」
とガスター。
「ですが、それでこそ我が盟友」
とヤム。
「本当に、情報量の多い人ですね」
とマリア。
「俺と考え方が似ているようでいて、俺以上に性格が悪い。
あ、これ褒め言葉な」
とパルス。
「…そんなハルカ嬢に劣等感があったが、余は同時に尊敬もしていたんだ。
…今からでも婚約破棄キャンセルできないか?」
「クーリングオフ期間過ぎていましてよ、おほほほほ」




