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携帯電話 ⑫

 呼び鈴が鳴ったので私が扉を開けると、そこには見知らぬ男が立っていた。

「誰だ?」

「私は未来からやってきた、人型携帯電話デリバリーヘルスタイプです」

「帰れ」

「いや、ちょっと話しを聞いてください。以前から不評だった所は全て直したんですよ。新たな快感センサーを搭載しましたし、お客様のプライバシーのために守秘義務は徹底していますし、お家を訪ねるときも人目から隠れます。これらを命を掛けて守ってるんです!」

「帰れ」

「待ってください! 何より、以前からご要望がありましたマナーモードも搭載いしたんですよ! これにより、会話が第三者に漏れる事もありません。私の存在とプライドに掛けて守ります! 信じてください! もちろん、サービス内容だって手を抜きませんですし」

「帰れ」

「ひ、酷い。貴方には人の心がないんですか。私は、誠心誠意を持って話しているというのに。どうして、貴方は帰れなんて言うんですか!」

「テメーの性別が男だからだよ!」

 と言って私はドアを閉じたのだった。


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