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携帯電話 ⑨ ※200文字

 

「一緒に写真を撮りましょう」

 と、お見合いで結婚した彼女に頼まれた。

 僕は照れながらも喜んで携帯で撮影した。


 その翌日だ。

 彼女が死んだのは。

 心不全だと医者に説明されるも、突然すぎて僕には理解できなかった。親の会社を辞め、泣き続けた。


 納骨後、火葬し忘れた携帯を手にしていると、僕は心底驚いた。

 死後の彼女が写っていたのだ。

 元気に笑っていた。

 知らない男と裸で抱き合って。

 そんなに僕が嫌いだったのかと、また泣いた。

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