Karte3 拡張型心筋症および肝硬変に対する生体肝移植とオーバーラッピング術
無事肝移植のドナーが見つかり、リーフィアの手術に向けた段取りを始めていた時だった。
「先生、今回のリーフィア様の手術って難しいんですか?」
リーファが手術着に着替えてる俺に心配そうな表情で聞いてきたのだ。
先述した通り、この世界には外科治療の概念がない。リーファ自身も修哉の腕前は知っているが、心臓の手術はかなりの技術を必要とし、ましてや生体肝移植も同時に行うというのだから猶更だ。
「ん~、難しいな。そもそも、外科手術に簡単な技法なんてないし」
俺はそう言うと続けて
そもそも、リーファに施した術式も腕が悪い医師なら失敗する可能性も否定できないことも続けて話した。
「今回の手術は、リーファに施した手術の何十倍、何百倍も難しい手術だ。」
心臓の手術は、手術の中でも高難易度の部類に入る。ましてや今回は生体肝移植と同時進行で行うため、難易度は跳ね上がる。術中死が起きる可能性も否定できない。
そのことをリーファに包み隠さずに話すと、不安な顔を浮かべたリーファは
「助かるんでしょうか…」
とつぶやいた
「助かるんじゃねえよ。助けるんだよ。俺だけじゃない。ここにいるメンバーみんなでリーフィアを助けるんだ。俺達が不安な顔しちゃ医者として失格だ。それとも、俺たちチームが信じられないか?」
俺がそう言うと、リーファははっとした顔で
「そんなことないです!修哉先生に助けてもらったのですから信じないわけがありません!」
と力強く言った。
「なら安心しな。俺だけじゃなく、ナイチンゲールの面々が揃ったんだ。目の前の救える命を見殺しにするほど鬼畜じゃねえよ。リーファもそのメンバーの手技、きっちり盗めよ。」
「はい!」
「いい返事だ!・・・ところでリーファ」
「はい?」
「何で俺の横で着替えてんの?更衣室あったでしょ!?」
「へ?だって手術着なんて着たことないですし修哉先生に着方を教えてもらおうと・・・」
「アスクレピオスに聞きなさいよ・・・。てか、恥ずかしくないの?」
「いえ、全然。」
「マジかよ・・・」
思わず聞いたエルフの性事情に唖然としながらも手早く着替えた俺たちは、メンバーの待つ手術室へと入っていったのであった。




