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⑥日本経済新聞・夕刊
成瀬龍虎(マンガ家)
宮本先生に一回だけお目にかかりました。今も連載している「バサラ太平記」を描くため、お話をうかがいに行ったんですけど。二年前です。偉い先生って、俺、知らなくて。しかも先生も偉ぶってなくて、アクションマンガの細かいところまで指摘してくれました。
印象的だったのは「さみしい」ってしきりに言ってたこと。普通、老人になったら、その辺り、あきらめるっしょ。でも何て言うか、欲とか希望を失っていないって俺は前向きに感じました。
色紙もいただきました。訳は分からなかったけどね。そうね。何か凄みを感じた。
友人の塚本邦雄さんの辞世の歌なんだって。
「玩具凾のハーモニカにも人生と呼ぶ二十四の獨房の窓」
(fin)




