第5話 2/10 始まりの愚者
SIDE:エスカレート議員
私は燈九 蓮宝。野党第一党の議員です。
これまで与党には煮え湯を飲まされ続けてきました。
特に今の総理大臣がダンジョン防衛大臣だったころに起きた、S級ダンジョン氾濫の消滅という幸運で人気が高止まり。
この流れで作成した特殊装備戦闘隊も結果を出しており当面政権は安泰と思われていました。
しかし天は私を見捨てていなかった。
与党の一色 緑議員がダンジョンが絡んだ公金横領の情報をリークしてきたのです。
年間一億円が低級探索者に振り込まれていると。しかも12年間も。
これは好機だと思いました。
ダンジョンで人気を博した政権が、ダンジョンの不正で凋落する。
まさにドラマチックな展開です。
「ですから!不当に国民の血税をかすめ取るような行いを、断じて許すわけにはまいりません!」
ついつい気持ちが高ぶって大きな声になってしまいます。
国民は氾濫により土地を長期間モンスターに占拠されてきました。
ダンジョンに関しては敏感に反応することでしょう。
この直後に選挙を行い我々が圧倒的大多数を得る。
これで政権交代が見えてきましたね。
「この私がこの国にいる限り決して不正は許しません!私の目が黒いうちは絶対にあなたのような人を探索者とは認めません!この国を守るためにも私は不正と戦います!」
私の息子も探索者です。しかもS級探索者。
息子に特殊装備戦闘隊の兵器を渡してアピールしてもらえばさらに私に票が向くことでしょう。
ですがまだ追及の手は緩めません。
「この度の山本氏のダンジョン攻略に関して疑いがあるため、ダンジョン協会副支部長を召喚しています。副支部長質問に対して返答をお願いします。」
総理、とどめを刺してあげますよ。
弱いけど麻雀好きです。




