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第二十七話 アル

ベガが翼を広げて空から降りてくる。

そのままゆっくりと下降し、俺とユウトの目の前で止まった。


不思議な光景だ。

羽ばたくわけでもなく、ただ浮いている。

恐らく竜は魔力的な力で飛ぶのだろう。



(…認めてやろう。トカゲの身で俺と競り合ったお前を。)



未だに耳鳴りは止まないが、不思議とベガの声ははっきりと聞こえる。

念話で話しているためだろうか。



(あぁ、お前もな。)



そう強がりを言ったものの、実力差は明確だ。


最後にベガが使ったスキル≪流星≫。

正直俺にはあの速さに対抗出来る手段がない。


まともに戦えるのは今回のルール上だけ。

それもベガに油断がなければ、序盤で勝負は着いていただろう。


それでもいつかきっと。

俺はこの竜に追い付いてみせる。


俺には竜の表情は分からない。

しかし確かに、ベガは笑っていた。





その後、俺とユウトはもみくちゃにされながら会場から逃げ去った。

途中まではベガも一緒だったが、途中でアカリに会い、そのまま連れ去られていった。



「ベガ?───何が言いたいか、分かってるわよね?」



尻尾を捕まれて連行されながら、こちらをすがるように見つめるベガの目がとても印象的だった。


アカリと何か約束してたのか…?


まぁ大丈夫だろう。


あいつ竜だし。

アカリは笑顔だったし。


…目は一切笑ってなかったが。





コースから少し離れた丘にユウトと寝転ぶ。

ここまで走ってきたユウトは汗だくだ。

芝生に寝転んでいると、流れる風が心地良い。



「ねぇ、聞こえてる?」



お、ユウトの声が聞こえる。

やっと耳鳴りも止まったようだ。



(あぁ、聞こえるぞ。悪かったな、耳鳴りがひどくて聞こえなかったんだ。)


「あぁ、そうだったんだ。」



二人で空を見上げる。

澄みきった青の中を流れる白。

自然の物とは思えないほど鮮やかなコントラスト。


あぁ───ずっとこうして寝転んでいたい。


ボーッとしながらユウトの方を見ると、なにやら真剣な表情で空を見上げていた。



(何か言いたい事でもあったのか?)



そう聞いてみたものの、返事がない。

しかしすぐに決意したように飛び起き、俺に向き直って言った。



「僕と契約してくれないかな?」



いつか言われるだろうと、何となく予想はしていた。


しかし、ユウトの夢は竜騎士になること。

ならばユウトは竜のパートナーを探すべきだ。


進化したと言っても今の俺は所詮トカゲ。

竜騎士のパートナーにはなり得ない。



(いいのか?俺は竜じゃないんだぞ?)



念のため聞いてはみるものの、そんなことはもちろんユウトも分かっている。



「いいよ。」



ユウトの心は変わらない。

二つの瞳がまっすぐに俺を見据える。

ぶれる事のないその視線からも、彼の固い決意が伝わってきた。



「それにいつかきっと───君は竜になるよ。」



何の根拠もない、過大とも思える期待。

しかしその目に宿るのは確かな信頼。



「前に君は言ったよ。”世界一の魔物になる”って。その世界一の魔物はきっと───竜だ。」



あんな言葉を真に受けるのか。


そう笑おうとして口を閉ざす。

俺はユウトの夢を笑わずに応援し続ける、そう誓った。

そんな自分が、自分自身の夢を笑っていいものだろうか。



(…これは退路を断たれたな。)



苦笑いを浮かべながら俺が答える。



「そうでもしないと逃げられちゃうでしょ?君は速いからね。」



少年だと侮っていたが、なかなかやるじゃないか。


自分の夢に他人の夢を巻き込んでいく。

なかなか出来るものではない。

そしてその提案は俺にとって、決して心地の悪いものではなかった。


これからもユウトは自分の夢に沢山の物を巻き込んで行くだろう。

結果がどうなるかなんて誰にも分からない。


それでも俺は、

この少年と歩んでみようと決めた。



(よし。俺は竜に、お前は竜騎士になる。これはそういう契約だ。途中で諦めるなよ?)


「もちろん!」



そう答えたユウトの笑顔。

それはすでに年相応の少年のものに戻っていた。

俺の事を信頼していても、やはり返事が貰えるまでは不安だったのだろう。



(そうと決まればさっそく…)



そう言いかけて気付く。

そもそも契約ってどうやるんだ?


いや、そういえば───



(契約するには名前を付けて貰うんだったか。)



そう聞くと、ユウトは一つ咳払いをして答えた。



「実はもう考えてあるんだ。」



少し恥ずかしそうにユウトが告げる。



「君の名前はアルタイル。」


(───アルタイル。)



ユウトのくれた名を自分で呟いてみる。

するとその響きは俺の心全体に広がり、まるで根を張るように定着した。



(良い名前だ。改めてよろしくな、ユウト。)


「うん。よろしくねアル。」






===============

【名前】アルタイル New

【契約】ユウト New

【性別】♂

【年齢】0歳

【種族】ライトニングシャドウ Lv2 Up

  No.1 発光 Lv1

  No.3 瞬動 Lv2

【ステータス】

 体力:G- 攻撃:G- 防御:G-

 敏捷:D+ 精神:S 魔力:F

【称号】

 ◼創造主の加護

  No.1 念話 Lv2

  No.2 ステータス閲覧 Lv3

  No.3 情報開示 Lv3

  No.4 成長加速 Lv2

 ◼捕食者

  No.1 気配察知 Lv2

  No.2 補食 Lv2

 ◼電光石火

  No.1 加速 Lv4 Up

  No.2 感覚加速 Lv3

 ◼竜を目指す者 New

  No.1 決意 Lv3 New

 ◼―

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