8.朝を迎える
途中、ちょっとうとうとできたけれど、完全に寝ることもできず徐々に外が明るくなってきていた。
夜中に更新された記事の最後には、これが最後の更新になるかもしれない、私も体調が悪化している、なんて書いてあって、思わずそういうゲームの生存者のメモをおもいだしてしまった。
それがリアルで起こるなんて誰が思うだろうか、全く笑えない。
うとうとしたものの、たまに聞こえるゴトッやドサッって音で急に覚醒させられる状態が続いて、いまになってかなり眠くなってきてる。
食欲はない。寝たいけどねたらもう目が覚めないんじゃないかって怖さがある。
遠くからヘリの音が近づいてきたが、そのまま南の方へ通り過ぎて行った。
行政無線も私が効いた放送以降おとさたがなくて、いつまで待機すればいいのか、どこかに非難すべきなのかも全く分からない。
タイムラインはもう止まったままでほとんど動かない。
結局部屋の電気は一晩中つけっぱなしだった。
でも電気が来てるってことはまだ人が活動してるってことだともおもえるので、無理に動くより待期のほうがいいんだと思ってる。
「一度ベッドから出よう」
とりあえず一度起きることにした。
子供っぽいかもしれないけれど不安だからウサギを抱きしめたままで。
結局、両親の既読はつかないし、学校の同期や先輩からも新規のメッセージはないし、新たな通知がない状態。
ニュース系のアカウントをフォローしてみたけれど日本語のアカウントで動いてるのはなかった。
とりあえずスマホを充電してタブレットも充電しておく。
しばらく床に座ってスマホに入ってるゲームでデイリーをして気を紛らわせる。
マルチに着てくれる人は誰もいなくて本当にやばいんだって逆に実感しちゃってゲームをやめる。
基本ソロゲーだけど軽い共闘ができるこのゲーム気に入ってたんだけどな。
しばらくじっとしていると、急にお腹が鳴った。
食欲なんてないけれどお腹は空っぽらしい。
「パンぐらい食べとこっかな」
1日1枚は食べてかないとパンの消費期限がきちゃうので、無理にでも一切れパンを食べる。
ジャムの甘さが口に広がるけど全然ほっとしなかった。
むりやり低脂肪乳で流し込んでまた床に座ってウサギを抱きしめる。
「どうなっちゃうんだろ……」
全く何もわからないまま時間ばかりがゆっくりと過ぎていくのに耐え続けている。




