第52話 子供を探してほしいと相談されました
朝早く、野営を撤収して、一路タケイ村に向かいました。
タケイ村は、名前の通り竹に由来するそうで、特産物があるそうです。楽しみです。
途中、小高い草原に出ました。前方から犬鬼の群れがやってきました。犬鬼は、狼を2本立ちにしたような、なんとも短足・胴長で不格好なモンスターです。あ・・猿鬼も猪鬼もモンスターです。
しかし、20匹ぐらいの群れなんです。ちょっと、アラン達だけでは手に余りますね。ということで、私の出なんです。『ねむれねむれ ぱぴぷぺぽ』」一挙に眠らせました。後はアラン達に止めをまかせました。
これで、この街道をゆく人たちも安心ですね。
『ぱぴぷぺぽ』は、魔女用の呪文で、広範囲で強力な魔法に使われます。間違って強大な魔法が発現すると大惨事になりかねませんから、4代目魔女サヤカが取り決めました。
大きな竹林を抜けたところに、タケイ村がありました。
早速、村長のところに顔を出して、宿の手配と明日からの出店の話をしてまいりました。ほどほどの村で、人口300人ぐらいでしょうか?。家が広場を中心に100軒ほどありそうです。
「リリー商会のリリー・ホズミと申します。宿と食事が叶えられるところがありましたらご紹介いただきたいのですが?」
「村長のタケオと申します。あいにく宿は御座いません。また急なおもてなしは難しいです」
ミヤケ村と同じく、村の外での野営許可と店を開くことの了解は得ることができました。
翌日、同じように店を開いて、魔法の説明や商品の販売をしました。2度目ともなると慣れたものです。
その夜も、野営となったのですが。そろそろ寝ようかと思ったころ、村の方から数人こちらにやってきます。夜警のアントニオから連絡がありました。殺意はないものの、何か切羽詰まった気配がします。
「夜分、恐れ入ります。実は、子供たちが帰ってこないんです。村の者に聞いて回ると、どうもプチダンジョンに入ったのでは?と。 村のものでは万策が尽きまして。 魔法使い様の御一行様ならば、何か策をお持ちではないかと、ご迷惑は重々承知の上、ご相談に参った次第です。どうか、お知恵を拝借願えませんでしょうか」
(低姿勢で頼んできましたね。助けようかな)
「白花の妖精さんには、お聞きしましたか?」
「いえ、そのような会話ができるものがおりません」
「忘れてやがる! 大人は! 子供ならだれでも白花の妖精と話ができるじゃん!」とアランがまくしたてました。
「あ・・。そういえば、そうですね」
子供たちの母親らしき女性がうなった。
急遽、村長ところの孫が連れてこられて、白花のところに行った。
「遅いよ!昼前に入った子供たちを、この場に転送するから、連れて帰ってね」
妖精さんが、そう言うと同時に、目の前に3人の子供が横たわっていました。眠っているようです。
「夕方には迎えに来る約束です。これは、ペナルティです。明日から5日間、この村からの利用停止にします」
(おぉぉ!妖精さんが怒っていたよ)
まあ、子供達は無事帰って来たので、良しとしましょう。
さて、翌日は朝早くから、ジジを連れて散歩に出かけました。
清々しい風を感じながら、ひとりと一匹で野道を歩きます。この世界も、たんぽぽや野菊などに似た草花がたくさんあります。虫はと言うと、バッタも足元から飛び立つし、花にはミツバチが几帳面に蜜をあつめていました。
おぉミミズだ。と思いきや、それは、この世界の掃除屋さんのスライムでした。
ここからだと、エリー山脈が目の前に迫ってきています。3000メートルは優にあるでしょう。頂上から半分は白い雪の帯になっています。やはり、あれを超えるなど人力では及ばぬところです。
小一時間、散歩して野営地に帰ってくると、もう朝ご飯の準備が終わっていました。
皆で、朝食を食べて、今日の日程を話し合いました。と言うか、私の独断場ですが。
「今日も、近周辺の調査をします。もちろん、店も開きます」




