第39話 星を愛でる会を開いた
初代魔女ハナは、各国の状況把握のため、”星を愛でる会”を設立し、毎年、各国持ち回りで開催していました。今年はサヤカが魔女に就任したので、就任披露会を開くことになりました。
場所は、ミズホ王国、白金の館。
今回は4代目魔女サヤカの襲名披露と、顔つなぎが目的です。
今日の私の衣装は、黒の和服姿、真っ赤なだらり帯、頭には金銀の簪、白足袋、ぽっくり下駄。
歩きづらいこと、この上ないです。 サナエたちが正装だと言って着せられました。
ここは、ミズホ王国の謁見の間。
「上座にお座りになっておられますのが、4代目魔女のサヤカ様でございます」
ミズホ王が口を開いた。わが娘といえども、この星のトップを紹介するに敬語です。
「では、お言葉をいただきたく存じ上げます」
王座を前に、左側にはスローン王国のトドア王、ミズホ王国のミズホ王、ガルバ王国のサクヤ王、サハラ王国の宰相のユーラス、右側には獣人族のアソ王、エルフ族のアズサ王、竜族のドララ王、ドワーフのアイアン王が跪いています。
魔女は、この世界では不可侵の神のごとく崇められた存在です。
私は、びびりました。これほどとは、予想しませんでした。
「私が今代の魔女に任じられたサヤカです。よろしく」
やっと、これだけを絞り出しました。可愛い女の子の声が謁見の間に響いたのです。場が、すーっと息を飲んでいます。次の言葉を待っています。来る前に、練習していたことを思い出しました。
「神様より、”我が民を豊かにせよ”とお言葉を頂いております。これから各国を回り問題があれば是正するよう指示します。鋭意実行するように」
一同、「「「御意」」」と応えた。
と、その中から、
「俺はガルバ王国のギズモだ。ずいぶん高飛車なことだな!邪魔したらどうだというんだ!」
勇ましいのか馬鹿なのか。魔女様を恐れないなんて。
「これ、ギズモとやら。私のすることに不満があるのか?」
「おうよ。小娘に何ができるって言うんだ!」
待機していた、魔女隊がさっと出てきて取り押さえて、外へ引きずっていった。
「放さんか!、おれはガルバ王国の第一王子だぞ! はなせー!」
ホスト国のミズホ王が間に入ったですが。
「サ・・サヤカ様、急ぎサクヤ王に、ことの経緯と処罰について話をさせてください」
魔女を敬わない輩は、即排除です。手厳しいが、いちいち理由を聞いても回りくどいだけです。それに、私は人の心を読むことができます。彼には、開拓村でゆっくりしてもらいましょう。
ということで、星の愛でる会は、その後のパーティを楽しんで散会となりました。
後日、ガルバ王国に出向いたところ、サクヤ王は老衰で亡くなられたところでした。
ここは、ガルバ王国の王城。私サヤカとアンズちゃん、従者のアラン、そして魔女隊200人が集結しています。
王の座を第一子のギズモが引き継ぐのが妥当ですが、この前、私を無能呼ばわりしたことを忘れてはいません。今日は、決着をつけに来ました。
門の外に魔女隊200人を待機させて、城門を潜りましたが、そこには、ガルバ王国の騎士たちが立ちふさりました。
「私は第4代目魔女サヤカだ。道を開けるか、ギズモをここに差し出せ!」
可愛い声で、サヤカが呼ばわった。
「我々はガルバ王国を守るものである。誰一人としてここを通すわけにはいかない。お帰り頂こう」
「ほお。私に歯向かうということか?ガルバ王国そのものを、消滅しても良いのだな!」
「そんな脅しには乗らない」と豪華な衣装で、よくわかない奴が出てきた。
「わしは、宰相のゴエモンだ。我が国の内政に干渉しないでくれ!」
「いや。今日は、私を無能呼ばわりした者に罰を受けさせてやろうと、やってきたのだ」
「エェーイ。ものども蹴散らかせ!」
「言質を取った。遠慮しないからな」
「魔女隊。前へ。ただし、殺してはならん。手足の一つや二つはなくなっても良い。突撃!」
200人の魔女隊は、次々と戦闘を開始しました。
あっという間に、無力化に近づきました。
「サヤカ様。あの偉丈夫は強いです。我々の側も7人ほど無力化されました」
「よーし、私が相手をしましょう!」
「そなたは、ミズホの紅姫。相まみえられるとは光栄でござる。いざ、勝負!」
サヤカは長刀を手に、彼の偉丈夫と対峙しました。なんたって、サヤカは小さい時から騎士団に混ざって長刀を振り回していたので、ある意味剣豪ですよ。
「さて、問答無用ということで、いざ行かん!」
ガッキーンと重い音とともに、両者の獲物から火花が飛び散ったのです。
サヤカの長刀の重さは、剛力と言える偉丈夫から繰り出される上段からも横からもくる攻撃を弾きました。
その小さな140センチほどの身体のどこに、そんなパワーがあるのでしょうか?。
片や2メートルを超える巨漢。サヤカは、魔法で倍力、倍速、倍防御を繰り出しているからです。それはズルでは?。
まあ、魔女様だからね。
やがて、偉丈夫は力尽きて、膝をつきました。
「まいったでござる」
「うん。なかなかの強者だ。ホセ!(アオシ)この者へ縄を打て!」
この一戦は、吟遊詩人によって語り継がれることになりました。
そして、一連の措置を見届けさせるために、ミズホ王を呼んでいます。
ギズモとやらは、第1王子だったようで、即刻王位を剥奪して、開拓村へ送り込みました。そして、ガルバ王国の王には、第1王女のミレーヌを据えました。
反対派や既得権益を振りかざす奴らも、手当たり次第に開拓村送りにしました。
この強硬な手腕は、瞬く間に各国に伝わり、震え上がらせたというお話です。めでたしめでたし。
外向きは、とりあえずこれで良いでしょう。
次は、内側から監視・指導の体制を作りましょう。
(いやー。乗ってきたね。このまま覇王を目指そうか!)
(恵さんへ。魔女の傍若無人ぶりを、今回も披露しました)




