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王女サヤカの思い(幸せな星)  作者: 藤村 次郎
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第33話 魔女のお仕事 ダムの決壊を防ぐ

 タタマ第2ダムの監視員から報告がありました。

タタマ川の上流域で、局地的な大雨があって、増水の途を辿っているとのことです。このままだと、4日後には上部より溢れ最悪崩壊する可能性があります。そして、その下流の田畑や白金の都に甚大な被害が出るかも知れません。


 ここは、ミズホ王城の会議室。

「第1ダムも既に満杯です」

「第2ダムに流れ込む支流の水量は、次第に増える方向にあります」

「崩壊の危険性は、80%とかなり高い確率であると、ダム管理局が申しています」


「確か、昔、平野部に流れ込むところから、山づたいにミズホ河まで逃がしルートがあったように聞いているが?」

「確かに、ございます。こちらの地図をご覧ください」


 第2ダムがない時は再々氾濫していたので、逃がしルートを作って対処していたらしいです。即刻、現地調査に行かせました。それまで、休憩としました。


「あのー、お父様。私がダムを見て、対応してきましょうか?」

「サヤカ、できるのか?」


「一応、魔女ですし、魔女の家からの支援も期待できます」

「じゃあ。頼もうか?」


って、えらく気軽な話になっています。

本来、魔女の家は不干渉が建前なのだが、私が動くのは良いよね。

「サヤカ、私情で動くのは禁物だよ」とジジ。

「でもね。私が魔女だって、この都の人は知っているし、何もしなかったら魔女の名が落ちるよ!」



 早速、ホウキに飛び乗りました。

「サヤカ、あちらは大雨じゃないか??」

「ジジ、それは・・・そうだね。うーん」


「飛空艇を呼ぼうか?。2時間もあれば来るよ。それに加勢も必要だしね」

「ジジ、サナエさんに加勢の要請と、このあたりの雨雲を移動させるよう、よろしく伝えてね」


 やはり、現地は激しい雨だった。横殴りの雨が頬を叩きます。

私とサナエさんと魔女隊が、ダムの際に立っています。

ダム?堤防だね。これは。レベル3ならば、こんなものですか?。高さは10Mほどで、奥の方にはさざ波がたつ湖になっています。ダムは、あと1メートルほどで、溢れそうです。一部から漏れると、そこから急激に水に削られ、崩壊するらしいです。


 この世界には、コンクリートというものがないので、岩石と土で固めた堰のようなもの(アースダム)です。したがって、岩石や土を追加して、上に積み重ねれば、溢れることを阻止できますが、ここは逃がしルートを活用することにしました。



「サヤカ様。右手の奥の谷が逃がしルートです。山崩れで谷が埋まっているようです。埋まっている土砂を下流に押してみましょう」とサナエさんが案を出してきました。

「えぇ・・」


「その前に、この魔素貯蔵ブレスレットを付けてください。これで魔法レベル5を3発は打てます」

「すごいのがありますねぇ」


「ちょっと、大きいですから、魔法レベルは5です。お腹に力を込めて、イメージを作ってください。そして、呪文は”土砂よ動け!動け!ぱぴぷぺぽ”です」


「おぉぉ・・。やったよー。谷を埋めてた土砂が下流に押されたよ。ダム湖の水が流れていったよ」


 詳しく描写したいところですが、表現力が貧しいので止めておきます。

「サヤカ様。よくできました」


 逃がしルートに水が流れてゆき。ダム湖の水位が下がってきました。成功です。

飛空艇で逃がしルートの下流を見たところ、水が濁流となって流れていました。


 ここは、ミズホ城の応接室。

「魔女の家の皆さん、そしてサヤカ、ありがとう」

ミズホ王が感謝を伝えて、一件落着となりました。


そうそう。山づたいの逃がしルートが、後日、再整備されたとのことでした。


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