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王女サヤカの思い(幸せな星)  作者: 藤村 次郎
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第21話 お父様に畑をねだる


「お父様。畑を300坪ほど、お借りしたいのですが。できれば、小作人を三人付けて」

「何をする気かな? そうだな、屋敷続きにある東の区画でどうかな?」


 そう、何をするかです。

前世では、小さな猫の額のような私専用の庭で、いろいろな花や果樹を植えていました。”猫の額のような庭”なので、夏はひまわりが数本、松葉ボタンやアマリリス、バジルやローズマリー、果樹はと言えば八朔が一本北の隅にありました。

でも、両親を見ていると農家は大変でした。朝から晩まで草取りや施肥、農薬散布、収穫、梱包、出荷と、寝る暇があるのでしょうか?と。


 楽しみには苦労はつきもの。

いざ、いかん。趣味の成就に向かって。


 娘には甘い父親(王様)は二つ返事で、私の希望を聞いてくれました。小作人は、後で顔見世するから、その中から選べということになったのです。

翌朝、お父様の侍従が、私を呼びに来られたので、付いてゆくと、お白洲!。いや庭に、むさい男が5人ほどと3人の女が膝まづいていました。まあ、実直な人であれば、わたしには『魅了』の魔法があるので、御すのは容易いのですが。


「面をあげて、名前を申せ!」父様の一声で、銘々顔を上げて、順次名前を大きな声で言いました。


(うーん。やはり男の方が力仕事ができるし、裏表が少ないか?)

「姫様、あたいをお願いしますだ。力仕事もこなせます」と15歳ぐらいの女子が自薦してきました。


(おぉ。これは稀有な。どう考えたって、お嬢様の気まぐれに付き合うなんて、普通はいやだよね。男どもは、ほっとした顔をしている。でも3人は必要なのよね。安心しないでね)


「お父様、リョウとゴサク、サムの3人でお願いできますか?」とお父様に囁きました。


「リョウとゴサク、サムの3人は、明日から10時に東の門で姫を待て。良いか!」

「「「御意」」」


 リョウは、15歳でアズキ村に一家6人で住んでおり、一番下の子だと言いました。確かにガタイは良さそうです。ゴサクは150歳で老人に近いですね。まあ、知恵袋的なものですかね。去年まで現役で畑作が得意らしく、お父様の推薦です。サムは、32歳で3人の子持ちです。まあ、普通だね。筋骨隆々なので力仕事をしてもらいましょう。


10時になったので、東門に行くと3人が待っていました。

わたしを見ると、膝まづいて迎えます。


「あ・・、立ってください。これからは、そのような挨拶は不要です。気軽にしてくださいね」

「それでは、改めてサヤカと言います」

「ゴサクですだ」

「サムですだ」

「リョウ言いますねん」

「「「よろしくお願いします」」」


 「それでは、この絵の通り区角割をして、耕してください。区画1は、水稲を植えます。区画2はハーブ類、区画3は野菜、区画4は果実を少し、区画5は小麦、区画6は休みです。それでは取り掛かってください。分担はゴサクに任せます。夕方見に来ます」


(サヤカ様って、8歳とは思えないほど、しっかりしているわ)

ゴサクの指示で、各人区画にしたがって耕しておりました。



 夕方見に来たら、きちっと区画と耕作が終わっていました。そして、3人は長椅子に座ってくつろいでいたのです。

「明日、種まきと苗を植えます。今日はご苦労様」



 稲を植える水田には、水が漏れないように、魔法で固めました。

何をやりたいかと申しますと、リリーの花屋に出す花や野菜などの品種改良して、一儲けしようと企んでいるのです。いや、民を豊かにするために、美味しくて有用なものを開発していこうという高尚な目的です。はい。


 侍女のアカネとメグミ、ジジ、そして護衛の3人を連れて、市場調査をしてきました。

前世でも普及していた、トマト、茄子、ジャガイモ、ピーマン、カボチャ、キューリ、キャベツなどがありました。創造主が知っている根菜類は、この世界に再現されてたようです。

しかーし、面白くない、単一種しかない、たくさん実らないなど、不満がありまくりです。食べることも料理も好きな私としては、これは容認できません。


 それから、きれいな花やハーブ類が市中に見当たりません。

これは、私の趣味から言っても、潤いがなさすぎます。

早速、野原に出て、それらしいものを採取してきました。3000年は長かったのでしょう。前世で見た花たちは、ほとんど原種に戻っていました。というか、園芸種は弱いので淘汰されたと見るべきでしょうか?。ならば、探すより、一から作ることになりそうですね。


 魔法で、種から芽出し、開花、人口受粉、種の一サイクルを7日で回せます。

交雑育種法(こうざつ いくしゅ ほう)を使い、選びたい性質をもったものをかけあわせます。この方法だと、良いものが早く生まれる可能性が高くなります。


”魔法を使えばいいじゃない”、って思われますが、思い通りのものができるとは限りません。微妙な酸味とか甘味とか、歯ごたえとか。とにかく五感、6感を駆使してこそ、美味しいものが手に入るのです。魔法ではできません。


 とはいうものの、どうすればいいのか、じっくり考えねばなりません。誰か有能な助手を探しましょう。

「ジジ、サナエさんに野菜の品種改良に助手がほしい。派遣してくれないか聞いてくれる?」


 やってきました魔女の家、やはり高度文明を持っています。

サナエさんに聞くと、アイリスの工房からアオシのタツヤとモモコのキャリーが派遣されてきました。

ホムンクルスと言えども、人種と同じように食事も睡眠もします。畑の隅に小さな家を建てて、そこに住み込んでもらいました。

お父様にも、魔女の家からの支援者だということで、了解をもらいました。

それと、若夫婦の設定です。


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