サオト2
「おはよう」
「おっは」
「おはようさん」
教室に入ったら、棹音は元気よくあいさつして、みんなに溶け込んでいった。
思ったとおりの人気者。 そりゃそうだ 芸能人顔負けだもの。
男子にも女子にも気軽に話しかけ、あっという間に教室に溶け込んでいる。
そんな光景を見ながら、自分の席に座った。
「あ、なんだ、いたんだ。おはよう」
気づいた棹音
がやってきて、私に話しかける。
棹音に話しかけられていることを、クラスの子たちは、なにもの顔でながめている。
私たちは道を聞かれた間柄だったのだ まさか この学園に転校してくれとは思わなかったけれど
「棹音くんのこと知ってるの?」
私の後ろの席に座っている女の子が、物欲しげに聞いてきた。
今どき、三つ編みが、かわいい子。
「うん。おれたち、まぶだち」
「いや マブダチの意味わかってんのか、てか マブダチ じゃないし そもそも」
棹音に
笑いかけられたけど、私はなにも答えたくなかった。
晴れやかだ 学園生活が。 それもこれも こいつ棹音のおかげ。
転校してきたこの男のおかげで 私の学園生活は変わった 毎日 楽しい ていうか 好き!好きになってしまった 普通に。
棹音のこと。
「あれ もしかして俺嫌われてる」
マブダチ 発言に同意をしなかった私に棹音はどうやら 勘違いしてしまったらしい
「そんなことはないけど」
「あ、そうなんだ」
と、までしか言えなかった。その先は続けられなかったというか 好き って言えないし 普通に好きってこの状況で言ったら クラスの中の公認になってしまうし。
まわりの女の子たちが失笑している。
「棹音くん、かかわれてないじゃん」
「間抜け」
「てか、鈍感」
男子生徒にからかわれている棹音。
いつか告白できる日が来るのかしら 私は内心 ドキドキ。




