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4801サオンとの学園生活追記ヴァンパイアI love you  作者: 女郎花
第1章

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令嬢は令嬢でも・・・・・・

「待っていましたよ」


屋上にたどり着いた、神官からの第一声。


「しかし一足違いでした。すでに三枝和美は、ネオ・ヴァンパイアの手によって落ちました」

「そ、そんな・・・」


私はその場に泣き崩れた。


「まだ手はある」


神官にそう言われ、私は、泣いていた顔をぬぐり、立ち上がって神官の顔を見た。


「異世界へ行け。そして、見事記憶を取り戻しネオ・ヴァンパイアを倒すのだ」

「はい」


その返事は、私の人生の中で一番 でかくて誇らしかった。



「これへ」


私とシスターは、神官の前にうながされた。


「まずはこれを受けよ」


シスターは両手を組み祈りを捧げる。私も右になら


「神よ。この乙女たちの邪悪なるけがれを清き光で清めたもえ」


私たちの上空に光が集まる。


「アシュライ」


私たちに光が降り注いだ。


「これでゾンビ化の進行を遅らせました」

「しかし神官様。『ネオ・ヴァンパイア』の作った世界では。いかなる攻撃も無効」

「そうだ」

「現に私の最大魔法『ハイ・キュア』でさえ、跡形もなくかき消されました」

「はい」

「それに、・・・」


私は言う。


「『ネオ・ヴァンパイア』にはキュアなんて物はもちろん、まじないじみた物は、尚更きかないのでは?」

「その通りです」

「ク、いったいどうしたらいいの」


私は、ろうばいした。


「まだ手はあります」


その言葉に一同、一斉に、耳を傾けた。


「神官様。いったいそれは・・・」

「三枝さんは、吸血される前にニンニクを食べました。キスをされないようにと、必死で抵抗したのでしょう。しかし、首筋に噛みつくヴァンパイアにとってそれは意味のない抵抗でした」

「三枝君・・・」

「だが、その事で、ネオ・ヴァンパイアの体内にニンニクが吸引されたのです」

「?!」

「御存じのとおり、ヴァンパイアは中世の魔物です。ネオ・ヴァンパイアは、同じヴァンパイアの血を吸うことでその体に耐性をこしらえたのです。そして、ヴァンパイアの弱点を克服された体を手に入れたのです」

「ええ」

「しかし、それは外的から身を守るためのもの。体内からの外的には対応されてはいません。さすがのネオ・ヴァンパイアも、まさか そこまでは計算外です」

「よし!」


一同から歓喜が上がった。


「『ネオ・ヴァンパイア』はその事に気付いていません。必ずチャンスはあります。

 彼女 三枝和美は、まさに最後の最後で起死回生の最後の一手を打ちました。

 その事に、あのモンスターは気付いていません。そこをつけ狙うのです」

「なるほど」

「まさに愛の力です。あなたたちきっと良いパートナーになれそうですよ」



「ありがとう。三枝君」


私は、空に向かってほほえんだ。



「神官様。そういえば、シスターから聞いたのだけど」

「はい。何でしょう?」

「私の記憶」

「そう。あなたは異世界での記憶を失っています。その手がかりは、住んでいた城に行くことです」

「と、言いますと?」

「見てきたもの。聞いてきたもの。会ってきたもの。それらを体験するのです」

「なるほど」

「それは、あなたにとって、つらい体験になるかもしれませんが」

「どういうことですか?」

「いえ・・・」


私は神官の気まずさを、見逃さなかった。


「いえ・・・。記憶を取り戻すこと、病気を治すということは、それほど大変な事なのです」

「はあ~」

「それよりも」


神官の目が光った。




「ネオ・ヴァンパイアを倒すには、『究極魔法』が必要です。

 この書に究極魔法の扱い方が記されています。これを読み魔法を修得するのです」

「でも、・・・私じゃなくても。私ただのガールよ。シスターやライラ。・・・それこそ神官のあなたのほうが向いてるんじゃ?」

「だめなのです」

「どうして?」

「あなたでなければ」

「だからどうしてよ?」


私は、無力さとやるせなさにかきたてられ、怒鳴った。

フェンスに止まっていたハトが、バサバサと、音をたてて飛び立った。


「こたえて。どうしてよ?」

「シスターから聞いたはずです。あなたは記憶喪失です」

「ええ。聞いたわ。私は、貴族、『エリック家』の令嬢なのでしょう」

「そうです。だからこそ、あなたでなくてはだめなのです」

「バカバカしいったら、ありゃしない。令嬢なんていくらでもいるじゃない」

「あなたでなければ、だめなのです」


私はどなられた。


「あなたは肝心な事を忘れてらっしゃる。令嬢は令嬢でもただの令嬢ではない」


つばを、ゴクンと、飲んだ。


「何よ、なんなのよ!」

「あなたは、婚約破棄をされた、悪役令嬢です」

?!

?!

?!

?!

?!


「私はそれでも記憶を取り戻せない」



「わかりましたか?」

「はい」


二人目から言われて、すでに言葉は冷めていた。


「だからなのです。私にもシスターにも、ライラにも、究極魔法は使えません」

「はい」

「あなただけの選ばれた特権なのです」

「よくわかりました」

「わかってくれましたか?」


その場で回転した。


「私、異世界へ行く!」

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