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旅立ち
ヴァンパイアは異世界へと逃げた。
私もシスターも異世界へ行けない。
「はい、私ゾンビ決定」
「方法はあります」
シスターが叫んだ。
「それは何?」
「今、ニュースで騒がれている女性たちの失踪事件。あれはヴァンパイアの仕業です」
「どうしてわかるの?」
「コウモリになった あやつを私の呪文「キュア」で追いかけました。行き先は台風で封鎖されたトンネルでした」
「蒼生市には、三枝君が住んでいるわ」
「そう、奴の狙いはそこにあります」
「どういうこと?」
「三枝君を捕まえて、あなたの血を吸わさせないため。そして・・・」
「・・・そして?」
「神官との出会いを阻止し、異世界でのあなたの記憶を取り戻させないためなのです」
「わかったわ」
私は、たんかを切った。
「私、異世界へ行く!」
「準備なさい。両親や親戚・友達とのあいさつ。食料品や身の回りの必要な物。長旅になりますよ」
―そして三日後。
かくして、悪役令嬢としての記憶を取り戻す旅が、始まった。
ゾンビ化まで、あと残り三日。




