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紫陽花  作者: 蓮実紫苑
永遠を君に
13/23

第2話

更新がちょっとあきました

すいません。

「いつになったらつれてきてくれるんだい」

「そのうち」

「いつもそういって話をはぐらかすじゃない」


父と母の攻撃がまた始まったと古賀はうんざりする。


「秋穂にだって心の準備って物があるだろ」

「そういっていつまでも合わせないつもりね」

「結婚の報告には一緒に来ますよ」


今日は秋穂の誕生日だというのにこういう日に限ってどうして面倒な人たちに捕まってしまうのか。

気づかれないようにため息をつくと、どうやってこの場から逃れようかと頭を巡らせる。


「結婚の報告って、もうプロポーズしたんでしょ」


突然、しかも絶妙のタイミングで割って入ってきた弟の声に古賀は舌打ちをする。

それにしてもどうしてそう余計なことを言うのか。

せっかく山のような仕事を片付けたと言うのにこの余計な一言のせいでまた帰るのが遅くなる。

もう、無視して帰ってしまおう。

そう自己完結し古賀が出て行こうとしたところ。


「お嬢様、こちらです」

「・・・あの、お嬢様はちょっと・・・」


という幻聴が聞えた。


「義姉さん、こっち」


弟が応接室の扉を開け手招きをする。


「本当によろしいんでしょうか」

「うん、大丈夫だよ。父さんたちの要望なんだから」


おそるおそるといった風に入ってきたのはやはり秋穂だった。

どうしてこんなところにいるのだ、そう聞きたいが理由はたぶん父たちが原因だろう。


「瑞穂」

「祐一さん」


自分の顔を見た瞬間、安心したように秋穂の表情が緩むのを見て、なんともいえない心地になる。


「おや、お前でもそんな顔をすることがあるんだね」

「びっくりだよね、父さん」

「あら、あなただって似たようなことをお義父様に言われてじゃない」

「おや、そうだったか」


そんな両親の冷やかしにも似た声が聞えるが、それよりも今は困惑顔の秋穂の方がよほど大事だ。


「大丈夫か」

「はい。・・・でも、私・・・」


どうしてよいのか分からないのだろう、いつもは気丈なはずの秋穂の声はもう泣きそうだ。


「まあ、なんて可愛らしいのかしら」

「あぁ、本当に愚息にはもったいない人だよ」


ふだん秋穂の仕事ぶりを知っているためか父の秋穂に対する印象はとてもよい。


「あの、はじめまして深山秋穂です」

「秋穂さん、そんなに萎縮しないで。これから家族になるんですもの。私ね、ずっと娘が欲しかったの。だから、仲良くしてくださると嬉しいわ」

「私のほうこそよろしくお願いします」

「プロポーズはしたんだろ、式はいつにするんだ」


間が悪いとはこのことである。

たぶん、父は今日が彼女の誕生日だということと自分がしようとしていたことを知って秋穂をここへ呼び出したのだろう、我が父ながら食えない人である。


「籍だけはとりあえず入れようと思ってる」

「そうか、ところで、深山さん。いや、秋穂と呼んでも」

「はい」

「今日は誕生日だと聞きましてね」

「・・・はい」

「こんなものを用意してみたんですよ」


そういって目の前に出されたのは婚姻届。

しかも証人の欄にはすでに両親の名が書かれている。

秋穂に合わせなかった意趣返しなのだろう、自分も同じものを用意していたので負けた気分だ。

というか、勝ち誇ったような顔が尺に触る。


「書いたら出しに行っておいで。その後誕生日パーティーにしよう」

「秋穂?」


静かに泣いていた秋穂を抱きしめる。


「こんなに幸せでいいのかなって。夢なのかなって怖くなったの」

「大丈夫、夢じゃないよ。もし夢だとしても、覚めない夢だよ」

「うん」

「秋穂、私と結婚してくれますか」

「はい」


泣きながら、でも幸せそうに笑う秋穂が腕の中にいる。

予想外の場所での出来事になってしまったがそれでも秋穂が幸せそうならいいかと思ってしまった。

抱きしめたままの秋穂の耳元に唇を寄せ「愛してる。これからもずっと君だけを」と囁いた。




今回は【籍をいれる】でした。


実は古賀父、何度か会社で秋穂に会おうと試みていたのですが全て息子に邪魔されて失敗となっていました。

そこで、息子が婚姻届を手に入れたという情報を聞きつけ「意地悪されたし、意趣返ししようかな」ということで今回の計画を思いついたとか。(大人気ない)



「ほんと心が狭いよ」

ともらしていたとかいないとか・・・

(あんたもだよ)

と息子たちは内心突っ込んでいたとか。


なにより愛想の無い息子よりも可愛らしい娘(本人自覚なし)ができて一番うれしいのは実はパパなのです。

その後、何かと秋穂にかまいたがる両親に古賀氏キレます。

まぁ、当然ですね。(秋穂のことに関して古賀氏心狭いから)


当初思ったよりも長く続いていることに作者、驚きです。

とりあえず、結婚式をぶち込んで終わろうかな?

どうしようかな?

などど考えている所存です。

またちょっとだけ更新はあくかもしれませんが、見捨てないでやってください・・・(切実)



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