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【凍結中】シル・ストア~第0部 風の生まれるところ  作者:
第2章 佳澄:8歳 小学校3年

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08_アイの場合、藤ノ森の真実

「今回の課題は、家庭内が穏やかになること。それが第一目標で良い?」

その言葉にアイは頷いた。

「後、お母さんもお姉さんもどちらかが一方的に諦めるのは嫌・・・て難しいよね。」

その言葉にケイとタロウはそうだろうと苦い顔をしている。

「そうでも無い。」

佳澄の言葉に3人は頭にクエスチョンマークが飛び交っているようだ。

「どういうことか説明してくれるかな。」

ケイの言葉に佳澄は状況シートの一枚を呼び刺す。

「最初なんだけど、お姉さん、小学受験で失敗しているよね。」

頷くアイに続ける。

「前に調べたから知っているんだけど、藤ノ森って合格基準が2つあるんだ。」

「2つって普通は学力だろ?」

「そうでもない。藤ノ森は私立だから公立に比べてお金が掛かるし独自の基準があっても問題ない。」

そう言って3人の顔を見る。

「藤ノ森は良妻賢母を育成することを掲げるお嬢様学校。ここまで良いよね。」

「何か時代遅れって気もするけどね。」

そう突っ込むケイに佳澄は首を横に振る。

「もしそうならとっくに方向転換しているよ。

藤ノ森の生徒の大半は女性、それも近隣のお金持ちのご令嬢って立場。

誘拐だストーカーだって被害から守るためにセキュリティが凄い。

それ以外にもお嬢様の為、お茶、お花、琴、日舞・・・普通じゃ学ばないような教養に力を入れているから授業料が物凄く高いの。」

えっと首を傾げるアイ。

「私の見た感じ、アイの家って物凄いお金持ちって訳じゃないでしょう?」

「うん・・・私が知っているの学費がそこまで高いって話じゃ無かった・・・」

「だから2つの基準なんだって。

一般に知られている藤ノ森の偏差値はお金持ち用、物凄い高い学費が払える人達向け。

藤ノ森は小学校と中学校は共学で男子の大半は竜ヶ峰に進学する・・・これの意味分かる?」

3人は顔を見合わせた。

「もの凄く勉強に力を入れている?」

アイの言葉に何か気が付いて苦い顔をしているケイが答えた。

「竜ヶ峰に合格できそうな奴しか入学させない。違うか?」

その言葉に佳澄は頷いた。


「多分だけどお姉さん、普通に中学受験したらまた落ちると思うよ。

学費無料の特待生を狙う積りで努力しないと合格しない。」

「・・・」

「お母さんが思う藤ノ森の生徒って高い学費を問題なく払えるお嬢様達だと思う。

そういう子達は小学校じゃなくて幼稚園から藤ノ森に通っている。」

「・・・そう言えば幼稚園は高すぎるから諦めたって話を聞いたような気がする・・・」

「小学校以降、外部からきた生徒って学校の名を背負って活躍できる特待生か高い学費をものともしないお金持ちのどっちか。」

「でも・・・応募要領の学費はそこまで高くないよ?」

「・・・特待生じゃない子達は学費の他に高い寄付金を払える子。

普通は生徒の内申を見るけど藤ノ森は親の経済力に対する影響が高い。」

「じゃあ前に受験に失敗したのって・・・」

「経済力に不安があると思われた可能性が高いよ。

まあ寄付金を出すのは必須じゃないけど出さないとすごく肩身の狭い思いをするからね。

そもそもお茶にしろお花にしろ習い事やお付き合いにお金が掛かるからそういう思いをしそうな子は不合格にしておくのはある意味善意だと思う。」

「・・・嬉しくない善意だな・・・」

「私もそう思う。それと兄弟親戚の犯罪歴も審査の対象だからお金があってもそっちで落とすケースもある。」

「スミ・・・何でそんなに詳しいんだ・・・調べたって言っていたけどどうしてどうやって?」

「それは秘密です。」

そう言って佳澄は指を左右に振った。


「スミはお母さんを説得するのという方向で進めるの?」

「うーーん、そういうよりも何で藤ノ森の受験を薦めるのかそれを知るところからかな。」

「知ってどうする?」

佳澄は机の上の別の付箋紙を指差した。

「アイは今まではお母さんに賛成、受験に反対したお姉さんを恨んでいたって言っていたよね。」

「うん・・・乱暴な男の子が居て怖かった・・・」

「お母さんが藤ノ森を薦めるのって子供を守りたいって気持ちもあると思う。

あそこ、そういうセキュリティ管理は凄いから。

そういう不安や気持ちを無視して進めても上手くいかない。」

そう言って佳澄は紙に設問を書き出した。


確認項目

・母親が受験を薦める理由

・姉が受験を嫌がる理由


「じゃ思いつく理由を書き出してみようか。」

「?、僕達で考えるの???」

「うん、思いつく理由を挙げてはい、いいえで答えてもらう。

自分の気持ちって意外と言葉に出来ないものよ。

でも質問されてはい、いいえなら答えやすい。

だから質問は出来るだけ簡便にね。」

「分かった。・・・て難しいな・・・」

「思いつくままで上げていこうよ。

私達が答えを持っている訳じゃないから。」

そう言って佳澄はアイを見る。

「そう言えばアイのお姉さん、入学時うちの兄さんと同じクラスだったんだって?」

「うん、私もそう聞いている。」

「帰ったら兄さんにも聞いてみる。」

そうやって時間一杯質問リストを作成した。

「アイ、兄の分は明日渡すから。

結果は、次の総合学習の時に教えてね。」

閲覧、有難うございます。

藤ノ森つについては佳澄の特異性を認識した時点で苛めを心配した両親が調べています。

その話は子供達には黙っていましたが寛がアイの姉の話を聞いた時点で二人に話しています。

なお、佳澄が藤ノ森にお受験をした場合、合格してます・・・

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