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18/21

18 最後の切り札

山間部の空気は、不気味なほど静まり返っていた。

零はルビーの魔石が埋め込まれたブレスレットを見つめながら、次の戦いへの準備を進めていた。

目の前には、魔力を込めた短剣が光を放ち、完成したばかりの切り札のような輝きを放っていた。


「零、本当に一人でやるつもり?」

ハルが念話で話しかけてきた。その声には焦りが滲んでいる。零は少し目を細め、彼女を見つめた。

「ハル、お前はここで待っていてくれ。」

「えっ、どうして?私も戦えるよ!」

「いや…分かっているだろう。お前にかけられている防御魔法は、リヴォールにはほとんど効果がない。」


零の言葉に、ハルは一瞬黙り込んだ。そして、静かに続けた。

「でも、私は零の力になりたいの。」

「分かるさ。でも、お前が傷ついたら俺は戦えなくなる。それが一番危険なんだ。」

零は少し微笑みながら、手を伸ばしてハルの頭を軽く撫でた。

「ここで俺を信じて待っててくれ。それが一番の助けになる。」

ハルは寂しそうに目を伏せたが、やがて頷いた。


「分かった。でも、絶対に無事で帰ってきてね。」

「ああ、約束する。」



山の頂に立つリヴォールの姿は、前回よりもさらに禍々しい光を放っていた。

その全身から溢れる黒い炎は、大地を焦がし、周囲の空気を揺らしている。

リヴォールは零を睨みつけ、不敵な笑みを浮かべた。


「再び来たか…だが今度は容赦せぬ。」

「俺もだ。ここで全てを終わらせる。」

零は短剣を構え、ブレスレットに手を添えて魔力を込めた。ルビーが鮮やかに輝き、その光が剣へと流れ込んでいく。



リヴォールが

黒い炎を纏った巨大な爪を

振り下ろす

その一撃は地面を抉り

衝撃波が

零に迫る


しかし

零は炎の障壁を作り出し

その攻撃を防いだ


「燃え尽きろ!」

炎の壁が爆発的に広がり、リヴォールの爪に火の傷を与えた。

その瞬間、零は一気に間合いを詰め短剣を振り上げた。


短剣が輝き

ルビーの魔力が放たれる

それは

巨大な火柱となり

リヴォールの胸元に叩き込まれた


黒い霧が吹き飛び、リヴォールが大きく後退する。


「…人間ごときが…!」

リヴォールは怒りの咆哮を上げ、全力で闇の魔力を放ち始めた。その魔力は周囲の空間を歪め、次々と黒い刃を作り出して零を狙った。



零は身体強化スキルを使い、闇の刃を紙一重でかわしながら反撃を繰り出した。

ブレスレットのルビーがさらに輝きを増し、その輝きは短剣に宿る。


刃は

リヴォールの防御を突破し

次々と深い傷を与えた


零は

最後の力を振り絞り

短剣を振り下ろす

その一撃が

リヴォールの胸元に深く突き刺さり

体が激しく揺れ、黒い霧が激しく舞い上がった。



「貴様!」

リヴォールの声がかすれながら響き、ついにその体が崩れ落ちた。



静寂が訪れ、黒い霧が晴れると、山の頂には零だけが立っていた。

彼は大きく息を吐き、短剣を納めた。

その腕のブレスレットが微かに光を放ちながらも、徐々に輝きを失っていく。


ふもとで待っていたハルが駆け寄り、念話で叫んだ。

「零!」

「ああ。全て終わった。」

零はハルの頭を撫でながら、静かに夜明けを見つめた。



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