3
ソフィアールにつくまで、各々は好きに船旅を楽しむ事に決める。
ハクとコクは客室へ、ノアは甲板に上がるつもりだが、まずは客室に荷物をおいて船内を探索することにした。
船に乗り込む事は幼少の頃を合わせても全く無く、ノアには海すらも珍しかった。
船内の窓から海を眺める。
カモメがふわりふわりと翼で風を受け止めて楽しそうに飛んでいる。
「ふふふ、可愛いですね」
ノアはどこか微笑ましい気持ちになり、にこにことご機嫌に船内を歩き回る。
船内を歩き回って満足したのか、ノアは甲板に出る階段をのぼる。
甲板に出ると風が吹き荒れノアの髪を大きく乱した。
「わぁ……!」
まず飛び込んできたのは雄大な大海原だった。見渡す限りの大海に、ノアは言葉を無くす。
周囲にはこの景色を見にきたのか、カップルや子供連れが楽しそうにしていた。
ノアは微笑ましさに目を細め、大海原に視線を戻した。
「海が綺麗ですねぇ……」
そうのんびりと呟くと、空に絵の具をぐちゃぐちゃに混ぜたかの様な穴が出現する。
ノアは異様な気配を感じ、ばっと上空を見上げた。
そこからずるりと一匹の巨大なハエ状の魔物が姿を表す。
「なっ……!」
種類こそ違うが、禍々しい雰囲気を孕んだそれはルクスリアの物と同じだった。
周囲の人間は突如現れた魔物に呆気にとられ、悲鳴をあげるものもいた。
ノアはこのまま甲板に人がいるのは不味いと踏んで、大きく声を張り上げる。




