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スペルビアは暴風の如く羽根を撃ち出した後だというのに、彼の翼は依然として大きいままで、原理だけを見ればコクのシロガネによく似ていた。
『ほう、凌いだか。妖精種、人竜種……。小賢しい神の力の欠片か……』
スペルビアは静かに呟く。
大きな音をたてて羽ばたき、ずんと重い音をたてて雪の上へと降り立った。
ノアはスペルビアの前に出る。
「スペルビア!貴方の主は、どうして私を狙うのですか!
なぜ、思うままに破壊の道を進むのです!」
『実に無意味な問答だ。主の意向は、主に聞くが良かろう。
さぁ、来るがいい!ハコブネの巫女よ!』
スペルビアは大きく翼を広げ、地面ギリギリに羽ばたく。
ノアめがけて真っ直ぐに滑空し、襲いかかる。
翼は大きく、横に避けてもすぐに捉えられてしまうほどに長大で、ノアはその場で仰け反って避ける。
「くっ……!」
羽根を撃ち出した時同様、翼を包む羽根は硬化し、まるで翼そのものが巨大な剣のようだった。仰け反った際に髪が数本切られ、ぱらりと髪が宙を漂った。
滑空していたスペルビアはノアを通りすぎると、後方にいたハク達の前でぴたりと止まる。
『虫共め、蹴散らしてくれる!』
そう思われたが、スペルビアは踏み込み、その場で勢い良く大回転する。
「ぐあっ!!」
「くっ!!」
突然の事で防ぐこともままならず、大剣を振り回すかのような大回転にハク達は巻き込まれる。




