最近の勇者は首に何か付けられるようです
少しリリアナのパイオツについて文字追加と
ショートストーリー男性を殿方に変えました。
気付いたら、明らかに魔術士って人達に囲まれていた。
俺は魔法陣の真ん中にいて、壁一面水晶でできてる少し薄暗い部屋に召喚されたみたい。
魔術士の一人が意味のわからない言葉を俺に喋りかける。
俺は日本語で返事した。
「こんにちは」
こんにちはは十時〜四時くらいまで使える万能挨拶。ドアから日が漏れているので夜ではないことはわかっているのだ。
……悲しいことに言葉が通じないことがわかると、一人が出ていき、しばらくして金髪碧眼の美少女がやってきた。
ゆるふわな長い髪にティアラをつけていて、純白のドレスを身に纏ったロイヤル少女でした。顔が近付いてくるとお上品な雌の甘い香りがプンプンしてくる。
相変わらず何を言ってるのかわからないが萌え声が印象的。お姫さまキャラは澄んだ綺麗な声がテンプレかと思っておったわ。
美少女は言葉が通じない俺に、困惑してるようだ。俺に手を差し出し、手を繋ぐ、手繋ぐというジェスチャーみたいなことをして右手を繋いだら笑顔になり、歩きだした。
その笑顔がまじかわいい。とテンションが少しアップ。
扉を開けると光が俺に降り注ぐ。眩しいいいいいい、カーテン を閉め切った部屋に引きこもる奴は太陽の光に弱いのである。
外で石像や噴水が見え、さっきの部屋は小屋みたいだ。
周囲を見渡すと王宮があった。そのまま手を引かれ歩く。
美少女と手を繋いでることより、言葉が通じないことに焦りを感じた。
アルシェとは言葉が通じていたので疑問にならなかった異世界言語問題。
なんとなく左手をズボンのポッケに手を入れたら温もりを感じた。アルシェのおぱんちゅの温もりである。俺の思考が落ち着き冷静な判断ができるようになりパンツを握り締める。
アルシェがパス繋いでるから困ったとき助けると言っていたので頭でアルシェを呼んでみる。
「やばいやばいよアルシェぇぇぇぇぇぇ」
「なんじゃ理音、もう呼ぶとか早すぎるぞ」
「こちらの言葉がまったく通じないんですけどどうしましょう…… 」
「しまったのじゃぁぁぁぁ」
頭の中にアルシェの言葉が響いた。
異世界言語に適用できる肉体にするのを忘れたみたいだ。
アルシェが言うにはすぐには適用できないみたいだ。
「よし、しょうがないから妾に任せるのじゃ」
うっかりアルシェちゃんが翻訳係になることでその場を凌ぐことにする。
そもそも会話できないのアルシェの所為だしな。
金髪美少女はちらちら俺の様子を伺いながら歩いてく。
美少女と手を繋いだことなんて初めてだし、これからのことでの緊張で俺は手汗がすごくて恥ずかしい。
玉座の間だと思われる場所に案内された。
赤い絨毯が敷かれ、天井にはシャンデリアがいくつも浮いている。
俺が思い浮かべた玉座の間より少しばかり装飾品が少ない感じであった。
玉座に座っているのは、王冠を被った優しそうな目付きで少し小太りの髭の生やした王様だと思われるおじさん。そして隣の玉座には誰も座っておらず、王妃がいないのか、それともこの場にこれなかったかのどちらであろう。
そして騎士たちが中央の赤い実絨毯の側の左右縦に並んでおり、何か粗相でもしたら殺されそうである。
玉座の間の騎士たちが片膝ついてかしこまった格好をしたので俺も真似をした。
王様は事前に言葉が通じないと報告を受けているみたいなので、少しの言葉でこちらの反応を見ているようだ。
相変わらず何を言っているかわからないが、心配することなかれ俺にはアルシェがついている。
さあ、異世界人共に幼女の力を魅せつけてくれ。
だが一向にアルシェが翻訳して返事を返してくれない。
やばいけっこう会話に間が空いてしまった、早く異世界言語の返事を喋ってくれええええええ。
「言葉がまったくわからぬのじゃ……」
アルシェの弱々しい声が頭に響く。
どうやらこっちの世界で長い時を経て、言語が変わってしまったのか、大陸ごとに違うのか、
意思疎通の手段がなくなってしまった。
「役立たずの妾は引っ込むとするかのぅ。後は理音に任せるのじゃ」
いじけたアルシェの声が聞こえなくなってしまった。無責任過ぎるぞアルシェ。
「異世界語わからない?」と言ってみるが意味のわからない言葉を返されて黙る俺。沈黙のまま数分が経過して、前代未聞だと思われる無言で王様の謁見が終了し、金髪の美少女にベッドと机がある部屋に連れてこられた。
一目でわかった、これは俺の部屋だ。
椅子に座らせられ、ドアにノックする音が聞こえる。
侍女だと思われる人が本を持ってきて本を少女を受け取り侍女が出ていく。
金髪少女の名前はリリアナというらしい。
最初、本を持って異世界言語を言い、次は机を指で指して、また異世界言語を言う。そして自分を指しリリアナ、リリアナと連呼する。
これは確実に名前を言っていると判断し、俺もリオ、リオと連呼し、異世界交流をした。
何も喋れないのに外国に放り出された気分になった。
リリアナが物の名前を連呼する、それを復唱するを繰り返し、トイレ行きたくなり切実な表情で漏れる漏れると訴えたところ俺の表情か必死さが通じたのかトイレの場所も教えてもらい盛大にぶちまけた。
異世界のトイレは和式を丸っこくしたみたいな感じだった。
外が暗くなり夜になると、リリアナに手を引かれ、王様達とディナーをした。
全部リリアナが丁寧に教えてくれた。
先ず自分を指差しリリアナと言い次に王様を指差しシュバルツ、シュバルツ、王妃だと思われる人をアルネリア、アルネリア、そしてディナーの際のマナーも目の前で手本を見せ、それを真似をして食べる。
美味しい……誰だよ異世界の食事事情は現代っ子に通じないと言ったやつは、美味しかった。
そして風呂場に案内され、侍女に服を脱がされ嫌がる俺の体を全身を洗われ、もうお嫁にいけないとしくしく泣き、
多分自由の時間になりしばらくの間今日起きたことを思い返しているとノックがするので「はーい」と日本語で返事するとリリアナがドスケベな格好でやってきた。ロイヤルビッチ確定の瞬間である。
ピンクのフリフリがあるベビードールを着用してしたロイヤルビッチリリアナ。
おっぱいはCなのか、Dなのか、Cなのか経験ないからわからないいいいいい。よく見ると薄っすら透けて下着が……いや穿いてないかもしれない。胸のところのぽっちりはわからないけど下はハイテナイー。
このシュチュエーションは童貞には辛すぎる。
「リオ、リオ」
笑顔で名前を呼ぶリリアナに俺は仔犬みたいなウルウルした瞳で近寄る、内心ハァハァ涎垂らしてるけどな。
何故か視線がリリアナのドスケベ姿に吸い寄せられていく、不思議だ。
一言リリアナが言った後に首元からカチンと音がなる。
「えっ」
いつの間にかなんか首に付けられた。
ずっとニコニコしているリリアナに対して挙動不審で首元を手で確認する。
首輪というよりチョーカーみたいな感じだ。
真ん中にはアクセがついてるっぽい。
そしてリリアナが手に持つボタンを押すとアクセからうーんと甲高い音がなりさらに挙動不審になる俺。なんなんだそれは、こいつは俺に何をするつもりなんだ。
終始笑顔なリリアナが恐ろしい。
しばらく俺の顔をニコニコ眺めていたリリアナが手を振り一言言って出て行く。
おやすみってことかな?怖いわ。
チョーカーみたいなのを必死に外そうとするが何をやっても外れないので諦め俺はベッドに横たわった。
「アルシェ起きてる?」
しばらくすると脳内に幼い天使の声が響く。
「なんじゃ?」
「俺めっちゃ不安なんでけど……この先やっていける気がしない」
「まさか言語が変わってしまうとはな、時の流れは恐ろしいのぅ」
「他人事みたいな言い方だな、でもそれじゃない」
「他人事じゃからのぅ、それじゃないとはではなんなのじゃ?」
少し他人事なアルシェにイラっとしたが俺の唯一の救いは会話できる相手がいるってことだ。だから俺はアルシェには下手にでることにした。さすがに一人でこんなわけのわからないところにいたら気が狂いそうだからだ。
「俺奴隷にされたかもしれない……」
俺は最近のラノベを思い出した。勇者召喚した勇者を奴隷にする物語が結構あると。
「うむ妾に任せるがよい」
全自動で俺の両手が動く、俺の今日で二回目のショッキング映像である。
「どうやらこれは隷属の首輪ではないようじゃぞ」
位置確認が出来るGPSみたいな機能となんかあったときに音がなって居場所を教えるだけのチョーカーだったみたいだ。安心した。最初からわかっていたらリリアナの胸の谷間ガン見したり透け透けゾーンをガン見したり出来たかもしれない。
不安が一つ解消されたけどアルシェに身体を乗っ取られるんじゃないかという不安が増えた。一つ減って一つ増えたという。
「勝手に肉体乗っ取らないでよアルシェ。
てか俺といっしょに言葉を覚えよ、一人より二人でやったほうが楽しいし忘れた時にお互い教え合いができるからさ」
「うむよっぽどのことがない限りしないと誓おう。
勉強かそうかそうか、だが断るのじゃ。理音、お主が言語を覚えたら記憶から複写して妾も一瞬で記憶するのじゃ。妾はこの言語で会話することないしのぅ」
「せこすぎる」
俺は異世界言語を少し覚えたら異世界言語で返事してやろうと心に誓いました。
「ときに理音よ、妾と会話するときわざわざパンツを触らなくてもできるのじゃ」
「そうなの?」
きっとこれからもアルシェと会話するときはパンツを両手で広げながら会話するだろう。
絶対に。
こんにちショートストーリー
侍女A「勇者様は殿方でした」
「殿方でしたの!?」
リリアナは驚きで目が見開く。
召喚した勇者様の顔は幼い顔付きで化粧をすれば誰もが振り向いてもおかしくないくらいのルックスだったからだ。
性別を確認させたのは声が中性的で身長が女性の平均より少し高く、視線が男性のやらしい感じだったのが確認させた理由である
理音の顔がかわいいのでその視線は嫌とは思わなかった。
「では勇者リオ様が何処にいてもわかるように魔法具をつけてきますわ」
リリアナは異性と思える殿方と二人っきりになる事が今までなかったのでご機嫌で理音の部屋に向かうのであった。
★☆★
理音に魔道具をつけ自室に戻ったリリアナは頬を染め、「リオ様の挙動不審なお顔可愛かったですわ」と呟くのだった。