第十三話「スライム祭りで準備万端!」
第十三話「スライム祭りで準備万端!」
戦士の一行は何の変哲もない普通の森を進む。
「本当にこんな場所に何かあるんですか?」
「そうだよ、モンスターも出ないし……これじゃ無駄足じゃない?」
魔法使いと僧侶は口ぐちに引き返すことを提案する。
「いや、村人たちの不安を解消するためにも、幻惑が無いってことを証明するまでは帰らない」
戦士の正義感がパーティの力の源だった。
「……さて、と。これでモンスターたちの準備はいいかな?」
一方で、パーティを発見してからステラたちは大忙しだった。ステラは金貨を片手に代理店へ戻り、魔物の中でも上位種にあたるキメラ、ゴーレム、シャドウの種を購入して育て始めた。
「な……何と、スライムが増えておるぞ!?」
それから、スラミー以外のスライムが徐々に増え始めていた。スラミーが生まれた後に残った花が新たな種を作り、繁殖し始めたのだ。
「これがスライムの特権です!」
この繁殖システムはスライムの種のみなぜか有効で、それゆえにスライムを大量生産する魔王も多い。
「あ、スラミーお帰り!」
ステラはスラミー率いるスライム軍団に用事をお願いしていた。それを達成したスラミーたちを優しく撫でる。
「さぁ、準備が完了しました! あとは上手くやるだけですよ! アルさん、行きましょう!」
「うぬ? 我も必要なのかのう?」
「当然です! 私はあくまでも傍観しなければならないので!」