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(37)オレは死霊と戦う-前編-

 ロビィと2人でみんなの所へ戻ったのはまだ空が明るくなる前だった。

 

 とは言え、改めて二度寝するのもなんだったのでそのまま起きて夜明けを待つ事にする。

 

 最初に目を覚ましたのはジュリア。

 

 ちょうど良かった。 

 ロビィに目配せする。

 

 起きぬけで目を瞬かせているジュリアをロビィが手招きで誘い、林の奥へ連れて行った。

 

 衝撃の告白タイムだぞジュリア。

 気を確かに持って、しっかり受け止めてくれ。

 

 次いでマリュウが目を覚まし、オレを見て軽く会釈をする。

 こちらも頷いて挨拶を返す。

 

 マリュウの気配でリズも起きる。

 

 リズに遅れる事15分程でピンピンも起きる。

 ピンピンは一度寝ると眠りが深い方なので、なかなか起きなかったりする。

 

 とは言え、まだだ夜明け前の空が白み始めたばかりの時間だ。

 充分早起きと言ってよい。

 

 起きたピンピンがジュリアとロビィがいないのに気付いてオレに聞いてきたので、さっき向こうの方へ行ったからそのうち戻ってくるとだけ伝える。

 

 リズはマリュウの地獄耳発動の恩恵を受け、既に状況を理解しているのかもしれない。

 

 ロビィがジュリアをオレと同じ所まで連れて行ってたとしたら聞こえてるかどうかわからないが。

 


 互いに声をかけ合いながら出発の準備を始める。

 2人が戻り次第、すぐに出られるようにしておこうという暗黙の了解。


 そこへ目を赤くしたジュリアと、すっきりとした表情のロビィが戻って来た。


「お帰りジュリア」

「……ただいま」


 ちょっと怒ったような顔で睨まれた。

 まぁなんとか納得してもらったってところかな、とロビィの方を見ると目が合って軽く頷いたので問題はなかったらしい。


 急いで支度をしながらピンピンとも軽く挨拶を交わしているジュリアへ声を掛ける。


「さ、出発しようジュリア」


 オレたちは前を向いて進むしかないんだ



*****



「やっぱりここだったのね」


 悔しそうに吐き捨てるリズの言う通り、シャイア教徒の匂いを追って辿りついた場所は旧石切り場だった。

 

 置き捨てられた資材や焚火の後から一目瞭然。

 リズが最初に提案した場所が正解だったのだ。

 

 ここまで約2時間の道程。


 周囲の景観から推察するに、カカ山の7合目付近ではないかと思われる。

 標高で言うとほぼ富士山の山頂と同じくらいだが、幸い誰にも高山病的な症状は出ていないようだ。

 

 とは言え、平地に比べると酸素濃度もおそらく6割程だし気温も0度前後といった所か。

 何かと影響が出てくる可能性はあるので、もし戦闘になった場合は注意が必要だ。


「もぬけの殻ね」

「せめて昨夜のうちに来られたら……」


 ジュリアの言葉にリズが悔しさを滲ませて答える。


「ですが、昨日真っ直ぐここへ来ていたら、仮にシャイア教徒がまだいたとしても充分な情報は引き出せなかったでしょう」


 ロビィがきっぱりと告げる。

 確かにその通りだ。

 

 ミト村へ立ち寄る事は必要不可欠なステップだったのだ。

 敢えて省略して良かったものがあるとすれば冒険者の捜索なのだが、シンの手前それは言えない。

 

 そのシンは、ここへ来る道すがらシャイア教徒のやった事をピンピンから掻い摘んで説明され、怒り心頭で正義感に燃えていた。

 但し、ミト村の状態についてはオブラートに包んだまま伝えてある。

 

 この素直で純粋な青年にとって、真実が何よりも重大なダメージとなって振りかかるのは明白。 

 この行程でお荷物を背負う訳にはいかないオレたちに選択の余地はなかったのだ。


「まだここを引き払ってからそれほど時間は経っていないと思います」


 焚火を調べていたマリュウが確信を持って告げる。


「そうですね。おそらく出発したのは昨夜の深夜遅くになってからでしょう」


 ロビィが冷静に補足する。

 

 となると、偵察の教徒が戻ってきてから実際に移動を開始するまでそこそこ時間を要した事になる。 

 計画的な行動というより突発的な非常事態に対する緊急避難的行動だったのだ。

 

 それならまだ付け込む隙は充分あるはずだ。

 

「ロビィ、行き先はわかる?」

「はい。まだ匂いは消えていません」

「それじゃ、すぐに追うわよ!」


 ジュリアの号令でみんながロビィの後に続く。


 ロビィは旧石切り場の採掘場所であるトンネルの中へと入っていく。

 

 岩崩れがあった場所というのはトンネルの中なのか、外なのか。

 中だとしたらこれから危険ゾーンへわざわざ踏みこんでいく事になる。


「ピンピン、岩崩れがあったのはこの穴の中なの?」

「すみません師匠、そこまではわかりません」

「そっか……」


 だが、今の会話でみんなへの注意喚起にはなったはずだ。

 それに、我らが地獄耳がきっと僅かな岩盤の異音も聞き逃さずに捉えるに違いない。

 

 トンネルの中は一大空間が広がっていた。

 なるほど、天井側もここまで削るのか……と妙なところで感心してしまう。

 

 奇妙な空間だった。

 

 支えるための柱を何本も残しつつ、直線的に切り出された形跡があらゆる所に見てとれる。

 切り出し面がきれいに整っているところもあれば、凸凹が激しいところもある。

 階段のように一定間隔の段差になっていたり、部分的に四角い穴が空いているようなところも。

 

 子供が来たら大喜びしそうだな。

 

「うわぁッ! すごい場所ですね!」


 シンが歓喜の声を上げている。

 さっきまでの神妙さはどこへ行った?


「ちょっとシン、静かにして」


 そう言って諌めるジュリア自身も目が爛々と輝いている。 

 今にもこの場所で稽古したいなどと言い出しそうな気配だ。

 自重してくれよジュリア、頼むから。



 トンネルは思った以上に奥深くまで掘られているようだった。

 中は迷路のようになっているので、ロビィがいなかったら絶対に迷っていただろう。


 それでも、中に入ってからもう1時間程になる。

 理由はわからないが、外の光が届かなくなっても中はぼんやりと明るいままだったので歩くのに不自由はない。

 

 入口は7合目付近にあったが、どの位まで下りてきたのだろう。

 トンネル自体は掘り下がっているので、確実に標高も下がっているはずだ。

 

 安全上の配慮からか、別な用途があったからか、所々部屋状の空間があった。

 石を切り出すエリアとエリアを繋ぐ部分に部屋を置いてあるような感じだった。

 

 またひとつの部屋の中に入ったその時、ロビィが立ち止まった。


「どうしたのロビィ?」


 ジュリアが尋ねる。


「この先は充分警戒をしてください」

「どういう事?」

「敵がいる、という事ですよね。ロビーナさん」


 ジュリアの質問に答えたのはマリュウの方だった。

 そうか、ロビィが感知している事ならマリュウも感知しているのかもしれない。

 

 シンが後ろの方でキョロキョロ落ち着きなく周囲を見回している。


「おそらくそう思いますが、気配が確実ではないのです。少し気になります」

「実は私の方もそうなのです。通常よりも気配が非常に薄く、感知し辛い敵のようです」


 マリュウが感知し辛い敵だって?

 

「なんだか寒くない?」


 ジュリアがぶるっと身を震わせてからみんなに聞く。


「そう言えば、少し気温が下がっているように感じます」


 マリュウが答える。

 

 確かに少し肌寒いが、そんなに気にする程だろうか?

 7合目付近の方がよほど寒かったと思うが。


「先へ進みます。気をつけてください」


 周りの会話を聞いているはずだが、ロビィは気にせず先へ進む。

 焦りのようなものがあるのかもしれない。


 さっきまでいた部屋を出た途端、異常に気付いた。

 

 暗い。

 

 急に現実の明るさに戻ったようだった。

 トンネルの中なのだから本来真っ暗でもおかしくないのだ。

 

 今はほぼそれに近い。

 出たばかりの部屋の方がぼうっと明るく光って見える。

 

 引き返して部屋に戻りたい衝動に襲われたが、オレが一番最初に逃げ出すのだけはイヤだ。


 そんな不安を打ち消すように、前方に光が現れた。

 ロビィが上に向けた掌の上に光が乗っかっている。


「ロビィ、それは?」

「光属性の魔法です。単純に明るくするだけのものなので無害です」

「なるほど、便利だな」


 ロビィの近くへみんな近寄っていく。

 

 すると、後ろの方にも光が現れた。


「リズ様も光魔法は得意にしておられます」


 説明どうもありがとうマリュウ。


 隊列の前後を光で挟んでもらうと、だいぶ広範囲に明るくなった。

 魔法ってつくづく便利だなぁ。

 

 ちなみにオレは光と闇の魔法は全く練習していないので使えない(たぶん)。

 土属性にだいぶ手間取ってしまったからそこまで手が回ってないだけだ。

 そのうち使えるようになるさ(たぶん)。


 どのみちジュリアとピンピンに魔法禁止って言われてるからな。

 それともあれは昨日だけの制限だったのだろうか。


 巾着に入れていた自分の魔鉱石を見ると、黄色から橙色の間程度まで回復していた。

 こういう自然の中だと回復早いんだよなぁ。

 

「ロビーナさん!」


 マリュウがロビィに声をかけると、ロビィも立ち止まる。


「やはり何かいますね。この気配……死霊種かもしれません」

「なんですって! こんな所に死霊種が!?」


 ロビィの言葉にリズが過剰反応気味に食い付く。


「どうしたんだよリズ。死霊種ってそんなにマズイの」

「アスカ、あなた死霊種も知らないの? それでよく冒険者をやっていられるわね」

「リズ、アスカも私たちもまだ冒険者になって間もないのよ。仕方ないでしょ」

「ジュリア、あなたもまさか……」

「死霊種の事は知ってるけど……でも詳しくはないわ」

「あの、死霊種ってなに?」


 最後に発言したのはピンピンだ。

 オレも全く同じ事を聞きたい。まずはそれからだ。


「死霊種というのは、死者の肉体や魂を媒介にして生まれる魔物と言われています。種類はそれほど多くはありませんが、同じ種類でも個体差が大きいため、もし遭遇した場合は充分警戒する必要があります」

「それに魔法が効きにくい性質があるのと、斬撃耐性があるので剣の攻撃が効かないのも問題よ」


 マリュウの解説にリズが補足する。

 魔法耐性に斬撃耐性か……確かに厄介だな。


「魔法はどの属性も効かないの?」

「いいえ、ジュリア。効果のある魔法は2種類。火属性と光属性よ」

「光属性はリズ様が得意としておられます」

「うちはアスカが火属性得意よね? アスカ」

「え、ああ、まぁそうだけど、オレ魔法禁止じゃなかったっけ?」

「師匠、どうして今そういう事を言うんですか」

「ピンピンだって禁止禁止って騒いでたじゃないか」

「それは昨日の事で、今は事情が違います」


 あ、そうなの。随分と都合のいい禁止令だなぁ。

 使っていいならオレは別にそれでもいいんだけど。

 

「念のため確認しておきたいのだけれど、ジュリアはどの属性が得意なの」

「私は風属性よ」

「アスカは火属性と、昨日は土と氷も使ってたわよね」

「うん、まぁ火と水と雷と土は普通かな。風はちょっと苦手で光と闇は知らない」

「アスカさんは随分色々な魔法を習得なさっておいでなのですね」

「それは言い過ぎだよマリュウ。たぶんロビィの方が使えるんじゃないかな」

「そうなの、ロビーナ?」


 リズがロビィへ話を振るが、ロビィは答えずに微笑んでいるだけだった。


「マリュウは何が得意なの?」


 ジュリアがマリュウに尋ねると、マリュウはリズの方をチラッと確認してから答えた。


「私は闇属性と、土属性を少々」

「わぁ、随分と渋いわね。それ自分で選んだの?」


 それはちょっと失礼じゃないか、ジュリア。


「選んだというか、こうしたものは適性ではないのですか」

「適性もあるかもしれないけど、最後は自分の意思なんじゃない?」

「もういいでしょ、ジュリア。それで、あとはピンピンね」


 リズがマリュウの助けに入り、ピンピンへ話を振る。


「私は……魔法は本格的に練習した事はなくて……」


 だろうと思った。

 幼少時からプンクル一筋だったのだろうから。


「そ、そう……。いいのよ別に。責めているわけじゃないのだから」


 リズが困惑した表情で一応ピンピンに謝罪する。

 だが、言葉の端々からガッカリ感がダダ漏れしている。


「あ、あの、ボクは……」

「あなたはいいわ。自分の身を守る事に専念して頂戴」

「はい……」


 リズに軽くあしらわれたシンがしょぼーんとしてしまった。

 

 こいつは放っておいて、ピンピンのフォローをしないと。


「ピンピン」

「はい、師匠」

「この依頼が終わったら少し魔法の稽古もしよっか」

「でも師匠……」

「オレにちょっと考えがあるんだ」

「師匠がそう仰るのなら……」

「大丈夫。それでピンピンは更に強くなるから」

「はいッ!!」


 最初は全然乗り気じゃなさそうだったピンピンが、最後の方は今すぐ教えろぐらいの勢いになっていた。

 

 あとは武器だなぁ。

 ピンピンの戦闘スタイルに合う武器……何がいいんだろう。


 ロビィが抜けてしまう以上、戦力補強のためにもピンピンにより強くなってもらわないとね。


「囲まれました」


 そのロビィがさらっと呟いたので、最初何の事かみんな理解できずにスルーしそうになっていた。


 しかし光の周囲以外、暗くて様子がよくわからない。

 囲まれたって、何に? 敵は何体いるんだ?


 シュッと音がしたかと思うと、一筋の光が天井へ向かって一直線に上昇していく。

 10mほども上がったあたりで光がぱぁっと拡散し、小型の太陽がそこへ現れた。


「リズ様の光の効果は5分間です。その間に敵を殲滅します!」


 マリュウの言葉に、ロビィが自分の光を消して弓に手をかける。

 リズとマリュウ、ジュリアも武器を手にする。

 オレとピンピンは素手のまま構える。

 

 シンは――ちょっとどこにいるかわからない。

 

 で、敵の正体はなんなんだ?

 

死骨(しこつ)よッ!」


 リズが教えてくれた直後、オレにもようやくその姿が見えた。

 

 コイツはスケルトンじゃないか。

 なるほど、こっちの世界では死骨っていうのか。

 何の捻りもない、そのまんまのネーミングじゃないか。

 しかも魔物や亜人と違ってカタカナネームじゃないんだな。

 いや、もしかしたら『シコツ』なのか? どっちでもいいや。


「うわぁっ! なんだコイツら。 やめろッ! 来るなッ!」


 ――シンめ、早速やらかしやがった。

 

 ひとりオレたちから離れてスケルトンの群れに囲まれてやがる。

 何してんだ、一体!

 

 と思っていたらスケルトンどもがポンポン飛び散っていくのが見えた。

 え? あれ? シンがやってんの?

 

「早く! みんなへ合流して!」


 ピンピンでした。

 

 それにしても、ピンピンのプンクルが面白いようにスケルトンどもをなぎ倒していく。

 剣撃耐性はあっても、プンクル耐性はナシって事か。

 なんだプンクル耐性ってw

 

「プンクルは殴打攻撃なのですね。それなら死骨にはよく効きます」


 マリュウが感心したように言った。

 なんだ、それならオレも出来るじゃないか。

 

 向こうはピンピンに任せてオレはこっちの前方にいるヤツをやりますか。

 超足!

 

 行く手を遮るスケルトン――死骨どもをプンクル技でボコボコに倒しまくる。

 

 後でマリュウに聞いた話では、普通は死霊種に接触した人間は生気を吸い取られて最悪死亡する事もあるらしいのだが、オレたちにとってはこの程度のエナジードレイン作用などほとんど効果がなかったのだと思われる。

 

 そもそもプンクルの打撃で敵に触れるのはほんの一瞬。

 そこに気を込めて放つようにするので、エナジードレイン作用など相殺されてもおかしくはない。

 

 まぁ絡め取られたり、長時間接触されるとどうなるかはわからんが。

 

 オレもピンピンも直感的なところでそれを感じ取ってか、極力接触時間を短くするように動いていたので問題ない。

 

 数えていなかったのだが、数十体はいたと思われるスケルトンがものの数分で殲滅されていた。

 オレとピンピン以外も倒していたのかもしれないが、全く見てなかったので知らん。


 ボコッ、パッカーンと気持ちのいい音でスケルトンが弾け飛ぶのが楽しくてついつい夢中になってしまった。

 

「呆れた運動量ね、あなたたち」


 戻ったオレとピンピンへリズが最初にかけた言葉がこれだった。

 オイ! もうちょっと労えよ!


「魔法も使わずにこれだけの死骨を一掃するなど、正気の沙汰ではありません」


 おいマリュウ、お前もか!

 そういうのは御主人様に追従しなくていいから。

 

 だいたいアンタら昨日2人で100体近いドルクを倒しておいてよく言うわ。


「さすがアスカさんとピンピンさんです! すごいすごい! 感動しましたッ!」


 シンよ、お前だけはいつも素直だな。

 だが、この子の軽薄な称賛は全然心に響かないんだよなぁ。


 ジュリアとロビィだけは普通にお疲れ様と労って迎えてくれた。

 ああ、やっぱり同じギルドの仲間はいいなぁ。


「それにしてもこんな所にこれだけの死骨がいるなんて……」

「これもシャイア教徒の仕業でしょうか、リズ様」

「そうとしか考えられないわ。自然発生するにしても数が多すぎるもの」


 なるほどなるほど。


「これもシャイア教徒がやったのだとしたら、あいつら本当に何を考えているのかしら」

「そこですジュリア。それが一番肝心なところです」


 ロビィはシャイア教徒たちの目的を知りたがっている。

 目的と、そのために具体的に何をしたのか。


「行きましょうロビーナ。何だか胸騒ぎがするわ」

「ロビーナさん、追跡を!」


 リズとマリュウの切迫感が急激に上昇した。

 

 このスケルトンどもはオレたちの足止めのために配置されたものと見てまず間違いないだろう。

 

 という事は足止めをしなければならない理由があるのだ。

 単に逃げるための時間稼ぎにしては大掛かりすぎる。

 そもそも逃げるだけなら、昨日ミト村で偵察をしていたヤツの報告の直後にすぐに撤収出来たはず。

 

 ヤツらはまだこの山で何かやろうとしているのだ。


「ロビィ!」

「行きます!」


 半ば駆け足で動きだすロビィ。

 その手には再び光の玉が乗っている。

 後方にも光が出た模様。

 

 駆け足のまま追跡が再開される。

 

 しかし、5分もしないうちにまた足止めを食らう事になった。

 また性懲りもなくスケルトン軍団。


 今度はオレもピンピンも突っ込まずに待機。

 リズとロビィが光属性の範囲魔法で敵を一掃。

 時間短縮を最優先にしたため、マグの消費はこの際やむなしという事だった。

 

 だが、その先で三度目のスケルトン軍団に遭遇した時、イヤな予感が現実の悪夢へと変化したのを理解した。

 

 シャイア教徒どもめ……。

読んでいただきどうもありがとうございます。

ここからまた戦闘シーン回が続く事になります。

今回、物凄く長いエピソードになってしまっていますが、二章前半の山場になりますのでどうかお付き合いください。

それと、ブックマークしてくださった方々へこの場を借りてお礼申し上げます。

引き続き応援よろしくお願いします。

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